『マッドサイエンティストの手帳』742

●マッドサイエンティスト日記(2020年11月後半)


主な事件
 ・神戸新聞文化センター(20日)
 ・創サポ講義(21日)
 ・小林泰三さんのこと(29日)


11月16日(月) 穴蔵
 小春日和である。
 朝、近所の某院て定期検診。ごく正常な数値であった。ほっ。
 あとは終日穴蔵。
 担当している講座の作品を読んで過ごす。
 基本的に最低2度読むことにしていて、本日は1読目。普通の読者として楽しませていただく。
 たちまち夕刻。
 こんな日が続くのであろう。

小佐田定雄『新作らくごの舞台裏』(ちくま新書)
 小佐田さんの『上方らくごの舞台裏』につづく、ちくま新書のシリーズ4冊目である。
 今回は小佐田さんの作った創作落語の解説篇である。
  *
 小佐田さんの落語作家歴は「40余年」とある。巻末の年表によれば、1977年7月に枝雀が演じた「幽霊の辻」から今年8月の桂かい枝「家内芝居」まで、263話。それらの中から代表的な傑作(多くは作者の名を知らずに聴いている)を中心に、その噺が出来上がった事情や演者のエピソードなどが明かされていて、落語以上に面白い。
 小佐田さんと知り合ったのは80年前半、吉朝の三題噺をやろうという少し前で、83年頃と思う。『雨乞い源兵衛』(これは枝雀落語のベスト5に入ると評価している)の作者と知って驚いた記憶があるが、『雨乞い源兵衛』は書き出して3年ちょっと、まだ11作目だったのか。そういえば、まだ二足のワラジ時代だったのだ。
 リストを眺めるだけでも凄いが、それぞれの噺のアイデア、演者に合わせての展開など、すべて異なり、それらを全部覚えている記憶力にも驚かされる。これは小説作法の副読本としても優れた出来映えである。
 後半はだんだんと活動分野が広がり、講談、狂言、歌舞伎など、古典芸能全般にまで仕事の領域を広げる。
 三題噺などつい先日みたいに思っていたのが、もう35年が経過しているのだ。
 凄い作家になったものだなあ。
 後半には聴いてない噺がずいぶんある。音源の紹介もあるので、ぼちぼち聴いて行こうと思う。
 それにしても……気になるところは「あとがき」の最後の方にちょっと触れてある。
 新作落語を書くのがどう収入につながるのかという問題である。「落語だけで食っていけるように落語作家の地位を上げることができなかった」とある。著作権は明らかに落語作家にある。だがそれが音楽著作権の利権とは桁違いに安い事情もよくわかる。作家の印税(これも近年たいへんだが)に較べても小さいだろう。
 落語作家は高座に上がらない落語家なのである。……これは実感であろうなあ。
 本書が1冊でも多く読まれる(売れる)ことを願っております。

11月17日(火) 穴蔵/ウロウロ
 小春日和である。
 午後、郵便局まで行ったついでに散歩。
 わがいちばん愛好する散歩道は淀川堤だが、入院中に(10月16日から)十三大橋〜長柄橋間が通行できなくなり、3年ほど通れない。左岸線の工事も絡んでくるから、一生歩けない可能性もある……あ、それを予感していたから淀川徘徊SFを書いたのだった。
 工事中の貨物線沿いを歩いて戻る。
  *
 阪急中津〜豊崎第6架道橋、北側半分がほとんど「鉄板」になった。
 鉄板の下では線路工事が進められている。新駅オープンは2023年3月で、特急が地下に潜るのはその直前、まだ2年以上先である。
 新駅がオープンしても、旧線路の解体作業はそれからで、数年がかりになるはず。
 これから10年近く、こんな風景を見つづけるのだろう。
 廃墟好きとしては寂しい限り。うめきたは工事中ばかりになりそうな。

11月18日(水) 穴蔵
 小春日和である。こればっかり。
 終日穴蔵にあり。
 着替えることなく、終日ベッドで資料を読んで過ごす。
 たちまち夕刻。
 専属料理人の並べた数皿でビール、黒糖焼酎の湯割り。
 新コロナ後も、これを「新しい生活様式」にしようと思う。

11月19日(木) 穴蔵/ウロウロ
 小春日和……というよりも初夏の雰囲気。
 暖かく、こんな日が続いてほしいものである。
 運動不足であり、がんばって少しは歩いた方がいいので、昼前に専属料理人と出かける。
 中崎町経由で天五へ。
 17日23時過ぎにJR天満駅近の焼肉店から出火、4棟が焼けたという。
 こうなると見物したくて、じっとしてられない。
 現場は天満駅北側の飲み屋が密集した路地で、火元は「ごちゃまい堂」。
  *  *
 きれいに焼けている。隣の店は休業のようで、むしろ裏側(背中合わせの、東側の路地に面した店)の方がひどい。
 斜め向かいの「つる屋」と、ちょっと南側の奥田酒店は被害なしで、何よりであった。奥田はGoTo関係なし、昼前もう盛大に呑んでおる。
 楽しそうだが……火事より新コロナが怖いので入店はせず、天六まで歩いて弁当を買い、天八からバスで帰館する。
 午後は穴蔵。
 6000歩を越えた。

11月20日(金) 神戸新聞文化センター
 朝だ。小雨が降っている。うーん、困ったね。浅田飴には及ばぬ天気だ。10時頃にはあがった。
 昼前に出て、阪急で三宮へ。
 神戸新聞文化センターの講座。先月ややこしい事情で休講にしたので、2ヶ月ぶりである。
 エッセイと小説の中間領域みたいな作品が3編……どちらにでも解釈できる。これは未熟だからではなく、テーマの展開にどこまで想像力を加えるか、そのさじ加減の迷いではないかと思う。もう少し工夫すれば、変なジャンルが作れるような気がする。
 小説では、「ボカロ」と「リモハラ」という、現代的な題材が登場して、コメントに迷うこと多し。
 ボカロについてはヤマハOBがいて助言してくれたり、zoom経験者の比率が結構高かったり、どちらが講師かわからなくなる。
 夕刻帰館。
 本日は一杯飲んで早寝。

11月21日(土) 創サポ講義
 大阪は連日、新コロナ感染者数が記録更新中。
 穴蔵にて資料を読む。
 夕刻這い出て地下鉄で天満橋へ。
 日没後の八軒家浜。
  *
 暖かい日であったが、もう冬至が近いのである。
 エルおおさかにて創サポ講義。
 さすがに本日は出席者は最小でほとんどがオンライン参加。
 会場に分散して着席して行う。
 前々回、入院で講師交替してもらったのだが、この時の作品(SF多し)についても短くコメントすることにして、本日は全11編。
・電気炊飯器の「過激な宣伝フレーズ」を正直に具体化した鍋の中の戦争。
・蜜蜂か蟻をモデルにしたような未来工場?の不思議な描写。
・深夜のサーキット跡で暴走男を成敗するサスペンス小説。
・王女の恋愛遊戯のためにある王国での勇者と戦士の対決を描く長篇ファンタジー。
・八五郎がタイタニックのSOSをキャッチするSF落語。
・10万年の眠りにつこうとする天才少女とアンドロイド。
・ウィルスとAIの複合体知性が人類に送るメッセージ。
・深夜に無人のコンビニに入ると食べ放題飲み放題……古典落語の現代アレンジ。
・子連れホステスが疎ましくなった中年男に殺意が生じるが、そのガキが意外にも……体験談かと思うほどリアル。
・叔父の死を機会に知り合ったふたご兄妹が自分たちの出生の秘密を探る奇妙な探偵小説。
・身体を失い「ベルト」になった少年が「姫戦士」に装着されて活躍する長篇異世界ファンタジー。
 多彩な作品群で、完成度では今一歩という作品が多いが、いずれも着想は面白く、こちらも楽しませていただいた気分であった。

11月22日(日) 穴蔵
 晴のち曇……かな。空はあまり見てない。
 終日穴蔵にあり。着替えることなく、ベッドで本を読んで過ごす。
 たちまち夕刻。
 おや、大阪の新コロナ感染者、本日は490人とまた記録更新。日曜だから少ないと思ったがなあ。
 またしばらく穴蔵生活……だな。

11月23日(月) 穴蔵
 世間は3連休の最終日。
 梅田あたり、アホが浮かれ出ているようなので、本日も終日穴蔵で過ごす。
 ちと不調である。特に目が疲れて本がなかなか読めない。メガネの不調か。
 DVDで『ネオン太平記』(途中まで/タイトルバックは最高だが全部は疲れる)『人類学入門』(散髪屋で殴り込みを受ける場面はやはり面白い)を見る。
 たちまち夕刻。
 本日は「勤労感謝の日」……といっても勤労にどう感謝していいのかわからんので、新嘗祭にちなみ、今年の収穫を神にちょっと捧げ、おさがりを頂戴することにする。
  *
 今年の大豆(翁豆腐)、今年の播磨灘の牡蠣フライ、今年の野菜サラダなど並べてもらって、ビール、今年の葡萄(ボジョーレ)を盛大に飲みつつ、感謝の意を表する。
 BSでクリント・イーストウッドの『運び屋』を見てから寝るつもり。(※)
 ※どんなトリッキーな方法で組織を出し抜くのかと期待して見てたら、なんじゃいな、この結末は。ペケ。(11/24)

11月24日(火) 穴蔵/ウロウロ
 やっと平日になった。
 ウチの場合は、休日も平日もそう変わらんのだけど。
 久しぶりに自転車で出かける。
 北郵便局へ行ったついでに、近くの里山へ。
  *
 稲刈りは終わり、柿の実は残った。
 都市部のオープンな場所なのに柿は残り、播州龍野のわが実家の柿は塀の中なのに、きれいさっぱり盗まれてしまった。
 播州龍野はよほど治安が悪いのである。
「1500体の人骨発掘現場」の現状を見ようと、南下して、梅田ランプ西の踏切まで行くが、警戒厳重で塀の中は見えず。
 スカイビルの展望台まで上る元気はなし。
 グラフロ経由で帰館。
 あとは穴蔵にてボケーーーーッと過ごす。

11月25日(水) 穴蔵/ウロウロ/訃報
 曇天。肌寒くなった。小春日和続きは終わったようである。
 穴蔵にて、例によって痴呆状態で過ご
 せめて体だけは動かさねば。
 午後、散歩に出る。ジュンクドーを覗き、あと人通りのない道を選んで、中崎町から豊崎界隈うろうろ。
 A先生研究所の書斎棟にライトがつき、前に人の列あり。
 見学会か、若い人がほとんどだから就活か?
  *
 見学したいが、年寄りの出る幕ではなさそうで、質問もできず、そのまま通過。
 憧れの書斎だが、ここを参考にわが穴蔵を改造することはもうないだろうし。
 また穴蔵にてボケーーーッと過ごす。
 たちまち夕刻。
(と、以上は晩酌前にメモを整理して書いた分)
 気楽に晩酌やってところに田中啓文さんから電話あり。
 小林泰三さんの訃報である。
 驚いたという以上に、思うところが多すぎて、まとめようがない。
 改めて書くことに。

11月26日(木) 穴蔵
 気分すっきりせぬまま、終日穴蔵で、くすぶって過ごす。
 昼、BSで『アルカトラズからの脱出』を見ようと思ってたが、昼飯のあと居眠りして見逃し。
 夜、BSで「鉄道・絶景の旅」をなんとなく見る。
 豊肥本線で大分から熊本まで。
 この線には2度乗ったことがある。
 フジボウ大分工場で土曜日15時頃まで仕事のあと、大分から3時間ほどかけて熊本に移動して、カジシンと飲み、日曜に大阪に戻るコース。
 時間的には、大阪出張のついでに東京に寄るようなものだが、若かったからなあ。
 豊肥本線に色々名所があることを初めて知った。
 あの頃(80年代前半)は車中、本を読んでた記憶しかない。

11月27日(金) 穴蔵
 晴天。新コロナで出歩く気分にならず、終日穴蔵にあり。
 本日も痴呆状態がつづく。
 半分ほどは小林泰三さんのことを考えて過ごす。
 いまだ信じられない気分だ。
 明日書くことにする。

11月28日(土) 穴蔵
 曇天。新コロナで出歩く気分にならず、終日穴蔵にあり。
 本日もまだ痴呆状態がつづく。
 読書、仮眠、PC、小便、テレビ、読書……の繰り返しで、たちまち夕刻。
 グラタン、サラダ、三日月パンなど並べてもらってビール、格安ラベル汚れワイン。
 21時からBSで『十三人の刺客』NHKリメイク版を見る。
 あまり期待せずに見たが、やっぱり期待はずれ。
 まず役者がいかん。芝翫が千恵蔵に雰囲気が似ている程度で、あとはほとんど区別がつかない連中ばかり。
 脚本も弱い。意地でも「原作」と変えようとしたのだろうが、名シーンが全部失敗。千恵蔵が三味線を弾く場面が扇子を投げる芸に変えてあるが、こんなお座敷芸で甥を説得できるか。渡しの襲撃が峠に変更されるが、これでは駕籠をふたつのする意味がない。一行が霧の中から現れる屈指の名場面が、晩飯作ってる煙で発見するとは噴飯もの。孫ができそうだなんてエピソードはじゃま。その他、指摘していけばきりがない。
 前の再映画化(三池崇史作品)が一応成功したのは、別映画(はっきりいえば西部劇)にしたからである。橋の爆破シーン(馬を載せたまま橋を落とす)は明らかに「ワイルドバンチ」へのオマージュだった。
 自説だが、時代劇のリメイクは西部劇しか成功しない。『荒野の七人』『荒野の用心棒』など。
 NHKは『十三人の刺客』よりも、西部劇のチャンバラ化を試みた方がよかったのではないか。『荒野の決斗』なんて仇討ちに置き換えると面白そうではないか。

11月29日(日) 穴蔵
 1時34分頃に火球が関東から西日本の広域で目撃されたようである。
 残念。無理な時間だけど。
 晴れて寒くなった。
 日曜で人出も多そうだから、本日も終日穴蔵。
 痴呆がますます進行する。嗚呼。

小林泰三さんを悼む
 小林泰三さんの訃報に接してから4日経つが、いまだに信じられない。
 新作が次々と出ていて、そのいずれもが面白く、かつ新しい領域に広がっていたから、とつぜんいなくなるなんて、まるで『アリス』とか『クララ』の世界の出来事みたいである。
 新コロナで、この1年、関西のSF関係者が集まる機会もない。新コロナが終息して、何かSFのイベントがある時に、小林さんがいないなとわかって、やっと実感することになるのだろう。
 小林さんはホラー・デビュー(「玩具修理者」)だが、これもアイデアはSFで、この時期、SFコンテストがなかったのでホラーに衣替えしたという事情をワールドコンの9月2日に話されている(「ハードSFとホラーの出会い」)。
 私が衝撃を受けたのは『AΩ』の第2章であり、短編集『海を見る人』の諸作を読んだ時である。独創的なハードSFの傑作であり、恐るべき筆力の持ち主とわかった。
 以後の小林さんの活動については改めて書くこともない。
 傑作、実験作、異色作多数で、書ききれないというべきか。ひとつあげれば、私は『天体の回転について』が特に好きである。
 最後に会ったのは2年前のインタビューの時である。
 創作法について色々と聞いたが、実生活は驚くほどストイックだった。
 会社勤務しつつ毎日5枚、土日は午前5枚・午後5枚・夜5枚で計15枚。会社を辞めてからは毎日が土日パターンになり1日15枚。
 25年、これが変わらないという。ストイックというよりも、根っからの体質なのだろう。
 こんな規則的な生活を送る作家の体が病魔に蝕まれるとは……
 特に最近の作品では、また新しい領域にチャレンジされている。
 『杜子春の失敗』(光文社文庫)は「名作万華鏡」と名づけられたシリーズの第1巻で「芥川龍之介」の短編の……パロディでもパスティーシュでもなく、SF的別解釈とでもいうか(テーマの中心部分にIFを仕掛けて別の小説世界を創るとでもいうか)……これも広義のSFであろう。このシリーズは太宰治で途切れることになるのか?
 『代表取締役アイドル』については別項で書くことに。
 ともかく、残念としかいいようがない。

小林泰三『代表取締役アイドル』(文藝春秋)
 アイドルがスカウトされて大手電子部品メーカーの社外取締役に就任する。世間的には大手名門企業だが、入ってみると創業者一族の支配する会社で、社長と副社長(息子)はとんでもない経営思想の持ち主。社長が「売上を十倍にする」といったら、これが絶対命令。役員は下に「十倍にできるか?と聞いている訳ではない。十倍にする知恵をしぼるだけだ」と指示し、上には「十倍にするとは凡人にできる発想ではありません」とその経営理念を称える……そんな会社が業績を上げてきたのは、偶然発見した量子コンピュータの基幹デバイスを持っていたからなのだが、会社は曲がり角にさしかかっていた。
 そこでスカウトされたアイドルが大活躍して企業を救う……という物語展開ではない。
  *
 この会社のモデルは明かである。
 ボンクラ息子の世襲のために外部から(アイドルではないが)経営も技術も知らない女性キャスターを社外取締役として引っ張ってきた大手電気メーカーである。
 私は業種は違うが製造業の開発部門勤務だったから、この企業の社員の心中を想像して、いたたまれない気分になった。そのことはこことかここに書いている。
 小林さんがこの事件を書くとなれば、とんでもない経営者とアイドルが組んで恐ろしい経営を始める猛毒ドタバタ小説になるのかと予想したのだが、予想外の……というのはおかしいか、ある面では予想を上回る無茶苦茶ぶり、別の面では意外に真面目?な救済策が展開したりで、着地点がまったく読めない。アイドルはバカではなく、鋭いカンを働かせたり、銀行から送り込まれた役員がリアルな腹黒さを見せたり、コンサル名目で紛れ込んだマネージャーが好意的に描かれていたり。小林さんの心情はたぶん入社5年目の女性研究員に投影されているのではないかと思う。経営者親子のわめきちらす「経営理念」はさすがに小林さんらしい超論理的?面白さだ。
 物語の詳細は略すが、それぞれの人物の行く末、ボンクラ息子の「その後」など、小林さんの意外に暖かい視線が感じられて、これは明らかに新境地と思う。
 そして、これは私には到底書けなかった世界だとも思う。
 じつは私にも会社員時代、とんでもない事件を身近で目撃している。ワイドショーを半年ほど大騒ぎさせた「大林雅美事件」である。
 この事件についてはいつか作品化したいと、大量の資料を保管している。しかし(年齢もあり)もう無理かなと、構想と書けない事情をまとめてハードSF研公報に発表した。50枚ほどになったかな。
 私に小林さんの洞察力と対象を客観視する力があれば、なんとかなったかなという気がするが……
 しかし、私にはもうひとつ「大事件」がある。こちらはまだいけるか……などと、だんだん表題から外れる内容になってきた。
 ともかく面白く、また教えられることの多い作品である。

11月30日(月) 穴蔵
 晴。月末である。
 本日は人出も少ないだろう。運動不足なので、午後、少し歩くことにする。
 近くの公園を抜ける。
  *
 秋の残り。
 ジュンクドーまで歩き、久しぶりに6階から2時間ほどかけて1階まで巡回。ガラガラ。
 欲しい本が多いが、大部で高価となると、やはり迷ってしまう。
 特にジャズ書コーナーの数冊は迷う。3500〜5000円、買えないわけではないが、一読後の諸々の処置を考えると(もう本を詰めたダンボール箱は持ち上げられない)全部は無理である。
 新コロナ後「座り読み用の椅子」が撤去されたのもつらい。
 もっとも、売り場面積日本一の店にこの客の入りでは、とても採算がとれているとは思えない。
 気の毒なので、そう分厚くないのを数冊購入して帰館。
 読書の秋も本日で終わる。


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