『マッドサイエンティストの手帳』743

●マッドサイエンティスト日記(2020年12月前半)


主な事件
 ・外出自粛、穴蔵の日々
 ・はやぶさ2 カプセル帰還(5-6日)


12月1日(火) ウロウロ
 目覚めれば師走であった。
 師にならって走る……つもりだったが、まだ左脚の具合がいまひとつ、ゆっくりしか歩けない。
 午前、グラフロの西側、人通りの少ない道を西梅田へ。
 某院で3ヶ月目の検診を受ける。
 久しぶりにCTとか、ややこしい検査が多く、午後までかかったが、結果は良好であった。ほっ。
 昼飯は抜きとする。空いている店でも「イート」する気分にならない。
 ただし造影剤を注入されたから、水分はとらねばならぬ。
 帰路、久しぶりにステーションシティ・風の広場に上がり、ポカリスエット500ccを飲みつつ,2期地区を眺める。
  *
 雲がゆっくりと南に流れていく。北風。エクボの可愛い女を思い出す。
 グラフロを抜けて帰館。
 長い冬が始まるなあ。

12月2日(水) 穴蔵
 目覚めれば12月2日であった。当たり前か。
 晴。終日穴蔵にあり。痴呆状態で過ごす。
 気がつけば夕刻であった。
 この時間感覚は尋常ではない。
 酉島伝法「三十八度通り」の日常感覚も尋常ではなく、これについては後日書くつもりだが、わが痴呆が進めば無理かもしれぬ。書いたつもりの記憶がちょっと残って、それもすぐ忘れ去るのかもしれぬ。恐ろしい時間感覚である。
 夜は専属料理人が並べた「蕪をくりぬきミンチ詰めてタイタンの妖女?」みたいなものでビール、中本酒店推奨格安馬鹿旨ワインを少しばかり。
  *
 うまっ。味覚は(たぶん)正常だから、まだしばらくは大丈夫であろう。
 が、この料理も「ジャム状のミカエルがふんだんに」振りかけられ、彩りのために「輪切りのオクラが鏤められ」たご飯かもしれないのである。

12月3日(木) 穴蔵
 終日穴蔵にあり。本日も外出自粛である。
 本を読み居眠りしPCに向かいニュースを見て……を何度か繰り返したら夕刻となる。
 大阪府が緊急の対策本部会議を開き、大阪モデルに「赤信号」点灯、明日から15日まで「不要不急の外出自粛」要請が出た。
 おれはずっと自粛しとるよ。
 むろんお代官様には逆らわず、15日まで引きこもることにする。
 ただ、播州龍野関係が困るな。
 年内に1度行けばなんとかなりそうだが、泥棒が気になる。
 迷ってもしかたないので、とりあえず早寝。

12月4日(金) 穴蔵
 晴れて行楽日和である。
 お代官様のいいつけを守って外出自粛。終日穴蔵。
 播州龍野行きが困難になったので、電話とハガキで雑事を処理する。
 田舎は(ネット使う人もいるのだろうが)ご近所の連絡は文書投入と現金持参がほとんどである。
 なんとかならんか。
 シルバー関係の請求のみ、電話で聞いてネット振込。自動車保険は年明けでもなんとかなると判明。JRとわが「負の遺産」の境界確認の立ち合いに、クリスマスに来いというお代官様(たつの市役所)からの呼び出し状が届いている。どうしたものか。
 あれこれ悩んでいるうちに夕刻。
 ともかく、一杯飲んで早寝。

12月5日(土) 穴蔵
 晴れて行楽日和である。
 むろんお代官様のいいつけを守って外出自粛。
 午前、集合住宅の集会がある。
 大規模修繕工事の説明会である。
 欠席するか迷うが、修繕委員を理事長退任と同時に辞任(次期理事長と交代)した事情があり、隅の方に座る。
 全員マスク、ドア開放で、粛々と進行。
 建物の老朽化とともに住人の老朽化も実感する。トンチンカンな質問が多い。
 来春から夏にかけてが修繕期間になりそうだが、新型コロナがどうなっていることやら。
 2021年も憂鬱な年になりそうな。
 午後は穴蔵。
 14:30頃にはやぶさ2からカプセル分離。
 落ち着かなくなるなあ。
 たちまち夕刻。
  *
 翁豆腐の湯豆腐(米朝スタイル)で一献。
 他にも専属料理人が色々(ミニステーキとかサラダとか)並べる。わしゃ豆腐だけでいいのだがねえ。
 で……深夜2時過ぎまでどうするか。
 10年前のこの日の興奮はないだろうけど、やはり見ておきたい。
 たぶん小便で目覚めそうに思うが。

12月6日(日) 穴蔵/はやぶさ2の帰還
 目覚めれば3時過ぎであった。too late! また寝る。
 6時のニュースで、はやぶさ2から分離されたカプセルが火球となってオーストラリアの空を横切る映像を見る。
 ヘリが落下地点を確認したらしい。
 昼前のニュースでカプセルが無事回収されたことを知る。
 ともかくよかった。そして今後、採取されたサンプルから多くの(惑星科学の)成果が得られることを切に祈る。
 初代はやぶさは「何度も絶体絶命の危機を乗り越えて」地球にサンプルを持ち帰った。はやぶさ2では、ミッションは完ぺきに進行して「ドラマティックな危機」は起きなかった。そのことが何よりであった。
 なにしろはやぶさ2は出発前に「絶体絶命の危機」を何度も乗り越えていたのである。そのことは松浦晋也『はやぶさ2の真実』(現代新書2014年刊)の「地上の長く曲がりくねった道」の章に詳述してある。
 プロジェクト・メンバー諸氏に敬意を表し、拍手を送る。
 こちらも、ミッション成功を祝って、祝杯を挙げさせていただくことにする。
 日曜なので、横浜のボンクラ息子その1にメール連絡。
 昼過ぎ、専属料理人が唐揚げ、サラダ、サンドイッチなどを穴蔵に運んできた。
  *
 大阪〜横浜でzoomランチを開催。こちらはビールで乾杯。向こうはお茶のようである。
 もっとも話題は、はやぶさ2よりも新型コロナ、交通機関の混み具合、そしてアゴの大きい小室某のオカン……いかんなあ。

12月7日(月) 穴蔵/ウロウロ
 本日も外出自粛……のつもりだったが、早めに処理したい案件が発生。
 天気がいいので、10時半頃に出て、梅田経由、梅新をとおって淀屋橋まで歩く。
 全国規模の大銀行、大阪市内には淀屋橋にしかATMがないのである。J*銀行だけどね。
 用件は1分で片づく。
 ついでだから本町まで歩き、綿業会館から昔の勤務先あたりをうろうろ。
 1年半ぶりかな。新しい店が増えたが、前がなんだったか、まるで思い出せない。
 近所に完成間近のホテル。大丈夫かねえ。気がつけばAPAも増えている。
 昔なじみの店が2軒ばかり残っているが、昼休みの時間でもあり、本日は遠慮する。
 帰りは地下鉄。御堂筋線(新大阪行)でも座れ、隣に人はこない。助かるなあ。
 7,000歩を超えた。
 午後は穴蔵にこもる。

12月8日(火) 穴蔵
 晴。終日穴蔵。お上のいいつけを守って外出自粛。
 痴呆状態でいたら、たちまち夕刻となる。
 専属料理人が色々並べたので晩酌。
 湯豆腐や豚肉炒めたん、などでビール。
  *
 あとタコのマリネみたいなので、某方面からいただたマスカットワイン(中辛口)を一献。うまーーっ。
 専属料理人の反省するには、これはデザートワインにすべきだった、次はケーキか果物のなんとかを考えるという。
 まだ2本残っているのである。
 クリスマスと正月か。お楽しみはこれからだ。

12月9日(水) 穴蔵
 薄い雲があるが晴。
 外出自粛して穴蔵にて過ごす。
 ニュースは新型コロナばかり。
 本日は「勝負の3週間」から2週間という。そういえばそんなそんなのがあった気がする。
 調べると……
 11月25日に西村康稔が「医療態勢が手薄になる年末年始までに感染拡大を抑えたい」と。
 同日に中川日本医師会長が感染者増に関して「全国各地で医療提供体制が崩壊の危機に直面している」「特に北海道、首都圏、関西圏、中部圏を中心に深刻な状況だ」と。
 管がGoToラッパを吹きまくっているから「勝負の3週間」なんて、誰も覚えていないわなあ。
 おれは「勝負」と関係なく、ずっと外出自粛を守っている(つもり)。
 本日の外出は郵便局往復のみ。人の少ない豊崎郵便局へ。
 豊崎東公園の紅葉。
  *
 大阪市北区の紅葉は遅い。
 播州龍野の紅葉も今頃だろうが、今年は無理だな。桜も新緑も紅葉も見ないまま1年が終わりそうな。
 帰館してまた穴蔵。
 夜、おでんで一杯やってたら、ニュースで、新型コロナ感染者、本日は北海道197、東京572、大阪427、愛知245。
 中川会長の危惧、ドンピシャではないか。
 管がラッパを離さないからなあ。木口小平か、お前は。
 
12月10日(木) 穴蔵
 薄い雲があるが晴。
 外出自粛して穴蔵にて過ごす。
 昨日と同じ……というより、本日は一歩も出ず。
 さりとて生産的な仕事が進むわけでもなし。嗚呼。
 大阪の感染者、本日は415人。
 当分こんな日々がつづくのであろう。

12月11日(金) 穴蔵/ウロウロ
 今年もあと3週間である。
 本日も外出自粛。終日穴蔵。
 ……のつもりであったが、某院へ某書類の受け取りに行く必要が生じ、午後天六まで歩く。
 天気がいいので(予報では小春日和は今週で終わりらしい)少し歩くことにする。
 城北公園通りを毛馬橋まで歩き、蕪村の碑に参拝。毛馬閘門を渡り、毛馬遺跡を見てから長柄橋方面へ引き返す。
  *
 毛馬閘門下流の左岸は長いこと工事中だったが、やっと整地された。バーベキュー場が復活か。
 少し下流、阪急千里線の鉄橋(左)と柴島からの水管橋(右)が並ぶ。
  *
 この場所は某twitter のタイトル写真に使われている。
 お近くにお住まいなんだろうか。
 ここは松田卓也先生の生家に近いはずで、私は半世紀前からよく来る場所なのである。
 長柄橋から天八経由で帰館。
 淀川左岸は十三〜長柄間が(左岸線の工事がメインで)当分の間通行できず、毛馬堤の上流しか散歩できなくなった。
 次は(生きてれば)桜の季節であろう。
 本日は久しぶりに1万歩を超えた。

12月12日(土) 穴蔵
 横山アキラ師匠の訃報。9日に腎不全で。88歳。
 残念だ。あのノコギリ演奏を歌詞つきで、今こそ菅義偉に聞かせたかった。
 本日も外出自粛。
 土日は梅田界隈、人出が多いであろう。
 終日穴蔵を出ることなし。

12月13日(日) 穴蔵
 本日も外出自粛。
 終日穴蔵を出ることなし。
 本日は「事始め」である。
 関西では、井上流家元と山口組と米朝一門が有名だったが、米朝一門は10年ほど前で終わっている。
 残りふたつ、今年はどうなのか。
 夕刻のテレビでは報道なし。
 京都は新年の行事が軒並み中止だから、井上流は自粛かも。
 山口組が自粛するとは思えないが……来週の「アサ芸」待ちとするか。

12月14日(月) 穴蔵
 曇天である。
 朝、近所の某医院へ。定期健診である。3分並んで2番目。時々見かけるマスクなしでしゃべのオバハンはいないのでホッ。数値は正常であった。
 これで今年の某院巡礼は終わり。ややこしい年であった。来年はどこかで「打ち止め」にしたいものである。
 あとは終日穴蔵。
 報道番組を断続的に見てたら、菅義偉が「ガースーです」という映像を3回も目にした。「まだ考えてません」の場面も。
 ネットで幾つか批判的なコメントを見かけていたが、今ひとつ実感がわかず、まさかこんなにひどいものだとは想像できなかったのである。
 ニヤニヤ笑いもフレームアップではなく、冒頭からそのまま流している。youtubeも確認した。ニコ動は見ていなかったのである。
 管政権の終わりの始まりであろう。
 2日前に書いたことだが、横山アキラ師匠の死が惜しまれる。
 師匠のノコギリに合わせて大合唱すべきだった。
 お〜ま〜え〜は〜ア〜ホ〜か〜

12月15日(火) 穴蔵
 寒波襲来……らしい。真冬の気温という予報だったが。
 午前5時、室温17℃、ベランダは6℃。そう寒いとも感じられず。
 終日穴蔵。
 早朝のニュースは、昨夜来の、管義偉の「GoTo全国一斉停止」のモゴモゴ会見ばかりだが、さっぱりわからん。
 いつからいつまで、出発側、受け入れ側、キャンセル料がどうたら……
 このおっさん(管)やアナウンサー、電波芸者(は古いか、コメンテーターと称する連中)、何しゃべっとんねんと呆れたが……
 考えてみると、もともとGoToは旅行も飲食も利用するつもりはないから、関心もなく、こちらの聞き方が散漫だったのだ。
 反省して、テレビは切り、あとは本を読んで過ごす。



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