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6月27日(火) 穴蔵/ウロウロ
 曇天なり。
 午前、近所の某医院へ、予定を1週間ほど早めて定期検診に行く。先日から、ちょっと気になる症状があって、それも看てもらうためである。
 30年近く前だが、小松師匠の医者嫌いについて、米朝師匠がこういわれた。
 「あの体型やさかい、何かあるに決まっとる。それを聞くのが怖いさかい、医者へよう行きよらんのや」
 が、小松師匠、ある日、思い切って健康診断を受けはった。
 と、何もなし。諸数値はいたって正常であった。
 さあ、それから安心して飲み出したこと……
 人のことはいえない。
 ビクビクしつつ医院へ行く。血圧はいたって正常。気になる点を告げると、ちょっと触れて、
 「気にし過ぎや。これが○○やったら、こんなことで済むかいな」
 ほっ。さあ、おれも飲むか。
 その前に、このところ運動不足なので、散歩する。
 淀川堤の西方向へ。
 北梅田のタウン誌ともいうべき「梅田の北っかわ!」は、旧大淀区の住民には極めて面白いサイトである。
 ここで「本庄水管橋」の撤去工事を知って、気になっていたのである。
 ひと月ちょっと来ないうちに、本庄水管橋の遺構、堤防から南側(淀川左岸線の工事部分)が解体されている。
  *  *
 北側、淀川の半ほどまで突き出している水管橋(煉瓦の橋脚がなかなかいいのだが)も2、3年のうちに解体されることになりそうな。
 北梅田、激変していくなあ。

6月26日(月) 穴蔵
 薄曇りで過ごしやすい日である。
 出かけた方がいい用事があるのだが、気が重く、終日29℃の穴蔵にこもる。
 朝・昼・夕・夜、断続的にテレビニュースを見る。
 いずれも、藤井四段29連勝なるか、がトップニュースである。
 すでにAIに抜かれている棋界に新スター誕生。
 シンギュラリティ後の世界はこうなるかな。
 もっとも、算盤日本一とか経理の名人が騒がれた記憶はないが。

6月25日(日) 穴蔵
 朝だ。雨が降っている。ノドの調子がいまひとつで、龍角散のど飴をなめる。
 終日穴蔵。
 梅雨の北梅田をボケーーーーッとタドコロ的Q的アラセ的に眺める(←何のこっちゃわからんでしょうが、仕事をまったくしないでの意)。
  *
 右手に三井アーバン跡のタワーマンションが迫り上がってきた。2年後にはその手前に50階のタワーマンション出現の予定。
 だんだんと視野は狭くなっていく。高齢化による視野狭窄症はこんなのであろう。
 たちまち夕刻。
 動かないので、食欲はいまひとつ。
 定番の八尾産枝豆、翁豆腐ヤッコに、ヅケ+山いも、サラダなどでビール、黒糖焼酎水割り少しばかり。
 早寝するのである。

山田正紀『ここから先は何もない』(河出書房新社)
 山田正紀さんの書き下ろし長篇「本格SF」である。
  *
 3億キロ彼方で不思議な挙動をとった日本の無人探査機が、探査予定外の小惑星で採取して持ち帰ったたサンプルは、なんと化石人骨、しかも5万年前のものらしい。資料は採取装置を提供したNASAによって秘匿されてしまう。
 日本の宇宙科学研究開発機構から密命を受けた男は、天才ハッカー鋭二、法医学者・東子、宇宙生物学者・任転らとのチームで「エルヴィス」と名付けられた化石の情報を探るために、沖縄の米軍基地付近にあるらしい米国研究機関を狙う……。
 設定から、SFファンならとうぜん『星を継ぐもの』を思い浮かべるだろう。
 これはあとがきに明記してある。「……じつは私は(星を継ぐものに)ある不満を持ってい」て「その不満を解消するために、わが身の非力もかえりみずにこの作品に手を染めました」と(他にも複数の動機あり)。
 この「不満」は具体的に書かれていないが、見当はつく。『星を継ぐもの』はSFミステリーであり、いわば「5万年のアリバイ崩し」である。このトリックには無理があり、ここが評価の分かれ目でもあった。山田さんの「不満」はおそらくこの点である。ネタパレになるから、詳しくは書かないが、本作の謎のひとつが、無人探査機がとった不思議な挙動にあり、それは「3億キロ彼方に密室を設定してしまう」のである。つまり、「アリバイ」が「密室」に変えてあることから明かであろう。
 ただし、作品の雰囲気は『星を継ぐもの』とはまったく別もの。物語の展開は沖縄舞台の謀略戦であり、クセのある登場人物といい、それぞれが抱えるトラウマといい、初期(70年代後半)山田SFの雰囲気が濃厚。メインテーマは人工知能で最近話題の問題であり、きわめて現代的な本格SFなのである。
 書き下ろしでこんな勢いのある長篇を完成させるとは、ただ敬服。おれも少しは見習わねば。

6月24日(土) 穴蔵
 晴れて夏日。
 穴蔵にて本を読んで過ごす。
 昼過ぎに散歩に出るが、暑く、意外に日射しも強い。熱中症になりかねない。
 ジュンクドー往復で1,200ほど歩いただけ。
 たちまち夕刻。
 スタミナつけねば。
  *
 専属料理人に、八尾産枝豆、翁豆腐ヤッコ、スペアリブなど並べてもらって、盛大にビール。
 第157回直木賞に知り合い2氏がノミネートされていることを知る。
 木下昌輝『敵の名は、宮本武蔵』(角川書店)と宮内悠介『あとは野となれ大和撫子』(角川書店)。
 木下さんの作品は、武蔵と対決した(破れた)相手の視点から武蔵を描くという斬新な切り口。まさに多角的に武蔵像が浮かび上がるが、単に連作ではなく、父の存在が大きく、各作品も複雑にからみあい(巌流島が最終章でないところも新鮮)、有力な候補作である(おれは前の『天下一の軽口男』が受賞して不思議でないと期待してたのだが…)。
 宮内さんについては、下記のとおり。
 2作受賞とならぬものか。

宮内悠介『あとは野となれ大和撫子』(角川書店)
 宮内さんの最新長篇は、なんと中央アジアの小国を舞台とする後宮?小説である。
  *
 おれは15年前に1週間ほどウズベキスタンへ行った。タシケント滞在だったけど、過去いちばん面白い海外ミッションだった。短期留学中の法政院生Wさんと知り合ったり(この人は干上がりつつあるアラル海を調査したり、色々と複雑な内情を教えてくれた。現在某局の記者である)、その後この周辺国にも興味を持って本を読んだりした。
 『あとは野となれ……』の舞台はアラルスタン。干上がったアラル海の「塩の沙漠」に作られた小国である。冒頭でこの国の成立事情と周辺国との複雑微妙な関係が見事に描写されるが、この章だけでも一級の国際政治ノベルである。風景描写を読むだけでも、細部まで取材が行き届いていることが実感できる。
 大統領が暗殺され、国存亡の危機に、「後宮」の少女7人が立ち上がる。この後宮とは身寄りを亡くした少女にエリート教育を施す機関である。ひとりが日本人ナツキ。彼女たちは武力によらず国を救おうとする。
 形式的にはラノベ的冒険小説だが、背景の環境破壊や資源事情、民族と宗教などの問題に関する手抜きはいっさいなく、よくぞここまで物語と一体化されたものと感嘆。タイトルにも逆説的な意味がこめられていて、読後、なるほどと感心する。各章に挟まれる「ママチャリで世界一周」している青年のSNS記事も秀逸。
 それにしても、宮内さんの作風、どこまで拡がるのか。

6月23日(金) 穴蔵
 不調である。
 終日穴蔵。ボケーーーーッと過ごす。
 午前、断続的にテレビを見る。豊田真由子の罵声ばかりが繰り返し流されるが、本人はさっさと「入院」してしまったとか。逃げ隠れだけは大物政治家並である。ま、刑事犯になって辞職必至であろうが、「鬼の形相」が見られぬままというのは残念である。
 午後は別のニュースに切り替わってしまい、豊田真由子にすれば「救われた」気分であろうか。
 新潮の続報を期待する。


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