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11月19日(水) 穴蔵
終日穴蔵にあり。
色々雑件の処理。
午後、BSで『惑星ソラリス』を見る。
前に見たのは1977年だったから、48年ぶりか。
冒頭あたりの未来都市(東京ロケの高速道路)とラストの原作との違いはよく覚えているが、ともかく長くて往生した記憶だけが残っている。原作に較べてやたら登場人物が多いし。
宇宙ステーションが(金をかけてない分)はじめて生活感が出ているなと、その点だけ感心した。
今回は、忍澤勉『終わりなきタルコフスキー』(寿郎社)で、詳細な画像分析を読んでいるから、見方が変わった。
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なるほどそうであったかと感心するところ多し。
ただ、テンポの緩さは体質に合わないし、「SF」度は原作からガタッと落ちる。最高のSFを普通の文学にしてしまったとでもいうか。
『終わりなきタルコフスキー』を読む方がはるかに面白い。これひとつの不思議。
11月18日(火) 穴蔵/ウロウロ
寒波到来というが、普通の日である。
午前は「奇妙な雑務」……急に頼まれて、30年ほど前の短篇(自作ではない)を雑誌から発掘してテキスト化する。
読み返して見ると結構面白く、現代風である。長篇大殺戮ノベルの冒頭みたいな雰囲気。これからどうなるのか期待する。
午後、茶屋町アプローズまで出向く。芦屋にいる身内(妹だが)が出てきたので喫茶店で話す。
播州龍野関係の経過説明と今後の相談だが、クマの出没とか親戚関係者の出没とか、話が周辺の怪しい事情にまで拡大して、2時間以上話し込んでしまった。
兄妹でこんなに話すのは半世紀以上なかったような気がする。
帰路、公園横、いつもとは反対側を通ったら、樹木の枝がバッサリ切り落とされている。
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樫やらなんやらの常緑樹全部。ここ数日の所業だろう。
身ぐるみ剥がれたようで、急に風が冷たく感じられる。
寒波は皮膚感覚よりも視覚から来るのではないか。
11月17日(月) 穴蔵
終日穴蔵。昨日の反動である。
雑事……というか、経過報告書の作成に時間がかかる。SF系のことはできず。
11月16日(日) 大阪←→播州龍野
日曜だが、早朝の電車で播州龍野へ移動する。
始発時はまだ暗い。冬至が近いのである。
播州龍野にて9時から始動。
・M自動車へ行って車検の終わったワゴン引取り。
年内で廃車か迷っていたが、こちらでのややこしい案件が続きそうなので、あと1年は必要である。
・タイムマシン格納庫で雑事。メンテナンス業務はまだ残っているからなあ。
・地方信金とJAのATM回り。年末が近いのである。
・午後に某工務店来宅、先日から進めていた補強工事が終わり、その現場確認。
丁寧にやってもらい、たぶんわが生存中は大丈夫であろう。
庭周辺もシルバー諸氏が丁寧に雑草の処理をしてくれていて、来春までは問題なし。
・その後、先月初めから懸案だった「地籍未確定」の区画に出向く。
行政書士と「先方」と現地集合しての境界確認の立会い。
あっけなく……というか、ごく友好的に片づいた。
先方のいうには、悪いのは「市」であって、ウチと先方の境界には何の問題もない。
(先方と公道の境界の図面を見れば確かにもっとも。地籍調査で、役人が面倒になって、隣接するウチもいっしょに「未確認」にして投げ出した気配がある。)
ま、先方と市の問題は残るが、当方は「筆界特定」とかをやらずに済み、最悪2年近くかかりそうなのが数ヶ月で片づきそうな。
負の遺産をしょい込まなくて済みそうである。
実家から少し離れたエリアにて。
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鶏籠山は見えるが、まるで別世界……クマが出現しても不思議でない雰囲気だ。
夕刻の電車で帰阪。
播州龍野関係の諸問題が大きく進展して、二地域居住の展望が開けてきたような。
疲れた……が、心地よい疲労感である。
11月15日(土) 創サポ講義
午前4時起床、正常な生活パターンに戻れたような。
晴。気分良く穴蔵にこもる。
夕刻這い出て、地下鉄で天満橋へ。
八軒家浜から見る夕景。
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冬至が近いんだなあ。
谷町2丁目のCANVAS谷町へ。18時から創作サポトートセンタ―の講義。
本日の提出作品は「広義のSF」短篇・中篇・長篇で、面白い作品が揃った。
・L1点に浮遊する気象制御用の巨大な「傘」を、管理センターを「乗っ取って」、別目的での飛行を企てる高校気象部員たち。ポイントを押さえた青春ドタバタSFの好短篇だが……きちんと考証を踏まえて本格的に展開すれば、宮西建礼『銀河風帆走』の冒頭短篇に近い雰囲気になるはず。格調をとるか笑いをとるか、微妙なところ。
・古文書がある書庫から発掘されるが、どうやら太安万侶が、稗田阿礼から聞き書きとは別に残した「覚書」らしい。それを読み解いていくと予想もしなかった体験が浮かび上がってくる。古代史SFとは別の趣向をこらした時間SF中篇。
・バンパイヤSFと定義していいのだろう。だが、ドラキュラ型とは似ても似つかぬ吸血鬼で、その造形、生態、感覚(血の味わい方など)、敵対する吸血鬼ハンターの存在など、混み入った「吸血鬼世界」が細部まで考え抜かれた長篇。吸血鬼SFというより、要するに「生態系SF」長篇で、世界設定を頭に入れるだけで一苦労。しかも群像劇。(極端な譬えだが)デューンの世界をダイジェストにして読まされるような……とこれは私の感想で、リーダビリティは高いという意見もあり。未発表作品だからこれ以上は書かないが、読者の立場としては老いを実感させられる。
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