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『マッドサイエンティストの手帳』360

●マッドサイエンティスト日記(2005年11月後半)


主な事件
 ・穴蔵の日々(〜21日)
 ・播州龍野の日常(22日〜)
 ・ハヤブサ中継(26日)
 ・穴蔵の日々(27日〜)



11月16日(水) 穴蔵
 昨日の眠りすぎで、3時前に目が覚める。
 どうもこれがパターンになりそうな。
 神戸ジャズストリートから1月以上経過している。ジャズ友数氏と協力してレポートを書くことになっていたのが、播州龍野往復などで遅れていた。
 ちょっと反省して、「ODJCのホームページ」の「Bourbon Street」に書く。5日間ほど連載することに。
 が、1月経つと、やっぱり記憶力の衰えを実感するなあ。
 レポートというのは鮮度第一……12日4日にはニューリンズ復興支援の「ビッグリバー・チャリティ・ジャズライブ」があるから、この時は「時間新聞」スピードに挑んでみるか。
 終日穴蔵……ともいかず。午後、梅田の某歯科へ。定期検診。
 ついでにすぐ近くの「ジャズの専門店ミムラ」に寄る。
 ちょうど掲示板で名のみ知っていたMさんが来店中だったので挨拶。SFファンで、高校時代にかんべむさし氏を自宅に訪ねたとか、HGの先輩に当たる大学でSF研にいたから、共通の知人が数人いたり。……ということは、ひとり芝居のみぶ真也さんも知り合いなのかしらん? 確認し忘れた。
 ジョージ・ガゾーンのCDがあったので購入。森山御大の盟友ということで。『four's and tow's』……Joe Lovanoとの2テナーであった。1ホーンの数曲がいいなあ。

11月17日(木) 穴蔵
 わ、2時40分に目が覚めてしまう。
 昨夜は午後10時までは起きていたから、まずいね、これは。
 終日穴蔵。
 宅配便が届いたりするから、終日パジャマで過ごせないところがつらい。
 穴蔵の室温は20℃で変わらないが、じっとしていると体が冷えてくる。
 夜はおでんでビール、酒。
 明日から専属料理人はしばらく不在となるので、冷蔵庫内を検分、色々とレクチャーを受ける。冷凍食品も使えば1週間は食いつなげそうである。
 明日はさっそく某くんと宴会……といくか。

11月18日(金) 穴蔵
 わ、やっぱり午前3時前に目が覚める。
 「3時の壁」を越えて睡眠でくなくなったような。
 一度夜更かし(といっても午後11時頃まで)した方がいいようである。
 終日穴蔵。
 夕刻、かんべむさし氏来穴蔵。
 ビール飲みながら2時間ほど雑談。
 専属料理人が不在だから、久しぶりに本格的な宴会モード突入を提案するが、自転車だからと拒否。しかたあるまい。
 月〜金のラジオ・パーソナリティとしては、休日といえどもハメは外せない気分という。みのもんたの怪物ぶり、恐ろしいね。
 ということで、後はひとり湯割りを飲んで、本日も早寝。
 明日は久しぶりに夜遊び予定……それも「健康な睡眠」のためである。

11月19日 穴蔵/ハチ
 やっぱり午前2時40分に目覚める。
 午前3時の壁はなかなか越えられないな。
 終日穴蔵。
 夜、自転車でインタープレイ・ハチへ。
 ハチの名物男・大ちゃんの、なんと「還暦祝い」である。正確には明日が誕生日らしいが。
 大ちゃんは、今年1月11日にハチでおれと「年男引継の儀」を執り行ったとおり、おれより1つ年下である。ということは、おれはすでに還暦を過ぎている……という、日頃忘れていることを思い出してしまうのであった。
 土曜夜にハチへ来るのは久しぶりである。
 ハチ・バンドはだいぶ顔ぶれが変わっている。最近こちらに復帰した池ちゃん(これも30年来組)がドラムを叩いていたり、尾田悟風の音を出す若き女性テナーが登場したり、老若混成である。
  
 久しぶりにフルートの佐藤くんが来ていて、やはりうまい。
 え、2002年6月27日以来で、もう3年以上経っているのか。
 年をとるはずだ。
 例によって大ちゃんヴォーカルも。
 山下洋輔さんからお祝いの電話がかかってきたりで盛り上がる。
 23時まで。
 先日書棚を整理していたら、古い写真が出てきた。
 
 ちょうど30年前、1975年の「大チャンと私」……プロボクサー時代の雰囲気が残っている。
 人間いやおうなく年をとっていくものである。

11月20日(日) 穴蔵
 夜更かししたら、現金なもので朝5時半まで寝てしまった。
 わ、ハヤブサはどうなっているのか。
 「HAYABUSA LIVE」を見る。降下中らしいが状況はよくわからない。
 終日穴蔵。
 雑用片づけ(実際にはほとんど片づかない)ながら、中継見たりテレビ見たり。
 それにしても姉歯秀次という建築士は不気味だ。名前も変わっているけど。
 これは「微笑みの殺人者」村井秀夫以来の、おれには不可解なキャラクター。2ちゃんねるあたりでは凄い人気ではないか。しんどいから見てないけどね。
 夕刻……どうやらターゲット・マーカーはイトカワに着き、ハヤブサは「着地」はしなかったという状況がわかってくる。
 ハヤブサの状況については、松浦晋也さんのブログがいちばん速く、圧倒的に詳しい。
 ターゲットマーカーの到達時刻は(たぶん)朝5時50分頃……起床して間もない時間である。
 ハヤブサを気にしつつ寝ぼけ眼でパソコンに向かっていた時刻にちょうどイトカワ表面に到着したらしい。ちょっと嬉しいね。
 いずれにしても、われら88万人の名前はイトカワに置かれた。これだけでもたいしたものだと思う。
 的川泰宣先生のコメントがいい。
 『今回のはやぶさはハレー彗星探査以来の、新しい探査と運用に踏み込んでいく実感のあるミッションだ。実際にはやぶさチームは、夢中でよく分からないかもしれないが、少し離れたところから見ている私には、日本の宇宙探査が新しい段階に入りつつあると感じられる』
 「ミール落下日誌」の時もそうだったけど、現場への配慮が行き届いていて感動的だ。

11月21日(月) 穴蔵
 終日穴蔵。
 ……ともいかず、専属料理人不在につき、洗濯、ゴミ出し、鉢植えに水など、「本宅」の雑用が面倒である。播州龍野にいるのとそう変わらせないな。寒くないだけましか。
 防寒衣料をダンボールに詰め込んで播州龍野に発送。
 「エベレストを征した下着」とか、数年前のウズベキスタン行きの時に用意した屋外作業用の重装備とか。
 近日、暖房のないタイムマシン格納庫での作業がありそうで、やっと出番がきそうである。(ウズベキスタンは2月というのに春の陽気だったのである)
 明日からまたしばらく播州龍野。

11月22日(火) 大阪→播州龍野
 早朝の電車で播州龍野へ移動。
 朝9時のこちらの書斎、室温は10℃である。大阪の穴蔵なら真冬の温度。
 昨日発送した宅配便が9時半に届いたので、さっそく重装備に着替える。
 とはいうものの、まだ「エベレストを征した」下着の出番ではなし。
 雑役色々。
 姉歯秀次は最終的には収監されるのだろうが、それまでにカツラを外せと命じられる段階があるのだろうか。裁判所へ傍聴に行く値打ちはあるが、イラストでしか報道されないのか、ひょっとしたらそれも無理かも……などと愚考する。
 何がいいたいのかといえば、姉歯のインタビュー(これ自体が不思議なのだが)を見るに、マンション倒壊と風でカツラが吹き飛ぶのと、同程度の危険性としか考えてないように見えるからである。おれは姉歯のアタマの「崩壊現場」が見てみたい。

11月23日(水) 播州龍野の日常
 秋晴れである。
 早朝は放射冷却でキンタマが収縮するのであった。
 昼過ぎ、紅葉はどうかと龍野公園へ行ってみる。未だし。12月初めが見頃であろふ。
 播州「たつの市」は「オータムフェスティバル」とかで、散策している人多し。市外からの人も多いような。年寄りがメインだけど。
 下川原商店街の小林邸で「日本最古の土蔵」というのを見る。
 
 このような「文化財」の存在を初めて知った。明暦2年(1656年)の建造物とか。「日本最初の土蔵」ではないようだが。
 ただ、この近所、有名な「5人殺し」の現場があるんだよね。市としては忘れてほしい事件だろうけど。
 こんな日は「観光コース」でない場所の方がいい。
 
 川東の川沿い。公園には誰もいない。結城昌治。
 夕焼けの写真を撮ろうかなと思ったが、老母の晩飯優先、さっさと帰館。
 おれも早めの晩酌である。
 ちょっと仮眠しなければ。
 深夜の桂吉朝の再放送を見なければならぬ。

11月24日(木) 播州龍野の日常
 うへっ。早寝して夜中に起床、「上方演芸ホール」で吉朝さんの再放送を見るつもりだったが、どうにも起きられない。0時半で、通常より3時間半の早起きがこんなに苦痛だとは思わなかった。かんべさんの4時起き、半年になるがまだ眠いというのは、毎日がこんな感覚なのか。
 気がつけば定刻4時である。大阪のビデオが無事録画できているのを祈る他ない。
 大阪を出るときに、必要なファイルをUSBメモリーに移すのだが、今回、ギリギリまでごちゃごちゃやっていたために、忘れファイルが幾つか。
 今回の龍野滞在、仕事らしきことはやらないことにした。
 週刊文春。
 トップ記事、姉歯秀次の「髪型も偽造」というタイトルが笑わせる。
 「大衆」の好奇心に応えてくれてこその週刊誌、さっそく一読、時間がなかったせいか、突っ込みが弱いなあ。
 参考までに「姉歯秀次 カツラ」でGoogle検索してみたら、おれのこのページがトップに出てきたのでギョ。
 「ヅラ」を使っている方が多いようだ。が、匿名サイトでも「……ではないか」などと推量形がほとんど。一目でわかるではないか。
 おれなんぞ紅白歌合戦は「生え際判定」の興味でしか見ないもの。あれ見てたら、鑑定眼は上がるぞ。(今年の大晦日もそうなりそうな。老母が見るから、しばらくはつき合わざるを得ないのである)
 それはともかく、一昨日の記事に「おれは姉歯のアタマの『崩壊現場』が見てみたい」と書いたが、これはむろんダブル・ミーニング。カツラをはぎ取って無惨なアタマの外観(チンカス三百代言・五十嵐敬喜みたいなハゲ頭ね)を見たい気もするが、危険なマンションを作ってまるで罪悪感を感じていないような、崩壊したアタマの内側の方が知りたいのである。
 文春記事、姉歯の自宅が「ゴミ屋敷にベンツ」とか、嫁さんが「十代の娘」みたいな格好とか、ヒントになりそうな記述はあるものの、まだまだ崩壊アタマの内部まで踏み込んでいるとはいえない。来週に期待しているよ。

11月25日(金) 播州龍野の日常
 名の知れた遠き国より
 送られ来るタイムマシン一機
 故郷の空港離れて
 汝はそも空に幾時間……

 ややこしい荷物が海外から届くが、もとは日本の閉鎖された工場から海外へ売り飛ばされたマシン。現地では電源が違うから機能せず、仕様変更のために送り返されてきたのである。
 見ればおれが20年以上前に……長い旅をしているなあ。
 本日は比較的暖かく、重装備の必要はないのであった。
 このところ、日の出が7時、日の入りは16時30分である。
 落日少し前に帰館。
 
 川沿いの楠……白壁の文字は夕日に映えるのであった。よっさん。

11月26日(土) 播州龍野の日常
 寒い。
 が、早朝から宇宙空間では熱いドラマが展開されている。
 早朝から「HAYABUSA LIVE」「松浦晋也さんのL/D」を交互に見る。
 14メートルまで接近、つぎに「何らかの理由により、はやぶさは上昇に転じました」のアナウンスにひやりとするが、前回のことを考えれば、タッチダウンしたと考えた方がいい。
 ……と、9時前、松浦さんの速報で「サンプル採取シーケンスはすべて正常に動作しました」
 やったねえ。
 午前10時、中継終わり。
 さやぶさが、ついにサンプル採取に成功したらしい。
 惑星探査の歴史的な瞬間に立ち会えたわけだ。
 野次馬というか一ファンの立場だがイトカワ上に「名前も残せた」わけだし。
 JAXA管制室スタッフも凄いが、3億キロ彼方の宇宙空間で展開されているドラマを刻々と「ほとんど中継」してくれた松浦晋也さんの力量にはただ感嘆する。
 心より敬意を表するとともにお礼申し上げます。
 体が冷えてしまったので、昼は寿司を買ってきて熱燗で一杯、祝はやぶさ! である。
 現場のスタッフ諸氏、レポートを続けている松浦氏に申し訳ない気分なので、本当に一杯だけ。二合とっくりだけど。
 しかし、こんなど田舎でイトカワ表面の動きが時々刻々とわかるとはすごいことである。
 姉歯秀次のヅラなんてどうでもいい気分になる。あ、いや、これはこれで重大な関心事だけど。
 地上で嫌な事件が多すぎるのである。世の中どうでもええ気分になってくるが、はやぶさの帰還までは生きていたいという希望がわいてくる。惑星探査最大の効用はこれである。
 とうことで雑役に復帰。

11月27日(日) 播州龍野→大阪
 午後の電車で帰阪。
 夕刻、大阪市長選挙の投票に行く。
 意味不明の選挙で、入れたい候補者もゼロ。こんな時こそ羽柴秀吉くんが立候補すべきではないかい。
 会場閑散。会場に詰めている市役所の小役人のみ、たんまり「手当」が出てホクホクということであろう。ゴキブリ駆除を謳う選挙の会場にゴキブリがウロチョロする奇観。これで最後にしてほしいものだ。
 即日開票というが、速報など見る気もせず早寝。

11月28日(月) 穴蔵
 終日穴蔵。
 わが集合住宅、2階の「屋上庭園」に桜の木が一本生えている。
 コンクリート庭の「巨大鉢植え」に植えられた盆栽みたいなものだが、四半世紀の時を閲して、それなりの風情なきにしもあらず。
 ただ、おれは桜はあまり好きではない。花が散ったあと、「新緑」がなく、たちまち黒っぽい緑の葉になる。毛虫がわく。楽しめる木ではなく、理事会で「切った方がいい」と提案したことがあるほどだ。
 
 その桜、今年はどういうわけか黄ばみ方がいい。
 この桜に限らず、公園の桜も(そういえば龍野公園も)、赤と黄の配色がよく、今のところモミジよりも桜の方が鮮やかに見える。
 天変地異の予兆であろうか。

11月29日(火) 穴蔵/朝ミラ/ミムラ/ハチ
 わ、3時に目が覚める。
 潜在意識下で緊張しているからか。
 朝7時過ぎ、弁天町のOBC(ラジオ大阪)へ。
 じつは本日、『朝はミラクル』のゲストに招かれてである。
 今日のテーマが「朝ごはん」……投稿を聞いていたら、その多様さにちと驚く。この時間に朝食メニューを知らせてくる人は、きちんと朝食をとっているに決まっている。健全な人たちが多い。
 現実の問題は「ファーストフード」「コンビニ」世代が母親になって、今の子供のために「朝食を作る」という考えが皆無、なんとかスティックとか、冷蔵庫からアイスクリームを勝手に出して朝食にする子供がいるとか、たいへんらしい。(と、これは専属料理人説)
 本日、わしゃ「早起き専門家」として招かれていて、大阪の「早朝グルメ」事情についてしゃべる。この話題はむさしくんがよく心得ているから、楽なもの。それにしても、20年前の早朝事情は面白かった。
 このことは、また改めて書こう。
 待機中にOBC制作のF野さんと雑談していたら、この人が「無類の麺好き」と判明。立ち食いうどんの話題から、大正区の「よどやん」へ行こうということになってしまった。
 出番終了後、いっしょに環状線「大正」へ。
 「よどやん」と反対側にも、ちらっと噂に聞いた「大正庵」……こちらから漂う匂いもいい。
 ということで、朝からふたりで「よどやん」→「大正庵」の立ち食いうどんハシゴ。
 おれは大正庵は初めてだが、申し分なし、「愛しの立ち食いうどんランキング」の順位、久々に変更である。
 大正区恐るべし。
 いったん帰館。
 穴蔵にて雑用処理。
 午後、月末の処理などあり、自転車で梅田へ。
 銀行、歯科、ジャズの専門店ミムラ、ハチと回る。
 扇町公園を通る。
 ルン吉くん、定位置にはいない。
 ミムラさんのいうにも、11月に入ってから姿を見ていないという。
 昨年も12月、急に寒くなった時期から春まで、姿を隠した時期がある。
 気がかりなことである。
 おれも明日から寒い龍野へ。
 ルン吉くんとの再会は春になるのだろうか。
 それはともかく、先月の「神戸ジャズストリート」のレポート、「ODJCホームページ」の「bourbon street」に不定期連載していたのが、本日完結。
 HP管理人代行としては、ちょっと覗いていただけると嬉しい。

11月30日(水) 大阪→播州龍野
 早朝の電車で播州龍野へ移動。
 ちょうど『朝ミラ』放送中の移動である。あとでメール連絡受けるに、昨日出演、その後F野さんと大正で「立ち食いうどんのハシゴ」をしたことが放送されたらしい。
 いやはや。
 ありがたいことである。
 テレビではないから、また「よどやん」や「大正庵」へ行っても面は割れていないわけだし、店の人気が(味が落ちない限り)あがれば嬉しいし。
 ということで、龍野にて、昼は「はりま路」で「カレーにゅうめん」を食べる。
 日替わり定食がこんなメニューなのであった。
 キンタマ収縮する寒い龍野の日常再開。
 湯豆腐で熱燗飲みつつ、おおおっ! 19:30〜NHK・クローズアップ現代「“はやぶさ”は舞い降りた」は出色の企画である。
 松浦晋也さんが登場、歯切れのよい解説。これ、ブログで予告あったのかなあ。……例によって早口だが、いいたいこと、1/10もしゃべってない感じだ。NHK、「プロジェクトX」風に町工場を紹介したい気はわかるけど、後半は別テーマでっせ。
 これはどう見ても2時間番組でやるべき内容。
 イトカワへのタッチダウンまではしょり過ぎだし(1回で成功したように見える……松浦さんがリハーサルを含めて修正してたけど)、あれやこれや、映像で見せてほしいことがものすごく多いものなあ。
 ただ、午後7時半から放送したNHK、まれにいいことをやる。
 褒めてつかわすぞ、聴取料支払者としては。

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