『マッドサイエンティストの手帳』450

●マッドサイエンティスト日記(2009年3月後半)


主な事件
 ・日生/備前市(17日)
 ・不思議な懇親会(23日)
 ・市立科学館『HAYABUSA -- BACK TO THE EARTH』(26日)
 ・桂雀三郎「30日連続落語会」(26日)
 ・SF検討会(27日)
 ・「OCAT Jazz Festival'09」(29日)
 ・西播磨リハビリセンター(31日)


3月16日(月) 大阪→播州龍野
 早朝の電車で播州龍野へ移動する。
 姫新線……新型車両が導入されているではないか。
 
 単座のシートがあったり、なかなかよろしい。
 が、姫新線には、どこかから回されたポンコツ寸前の車両の方が似合うのだけどね。
 ということで、しばらく<下男モード>入りである。
 あれやこれやで日が暮れる。
 夕刻、老母の夕食にあわせて軽くビール。
 21時過ぎ、老母の就眠後、やっと落ち着いてダレヤメ。
 大阪から持ってきた冷麺(youki…韓国製だろう……専属料理人が韓国フェアかなにかで探してきてくれたものである)を作る。
  
 例によって、キムチ・カイワレ・ハム・トマトぶち込み。タマゴは入れない。
 これはなかなか。麺は黒っぽく、キタ系の味である。
 「神の河」水割り。たまらんなあ。
 ま、たぶん4月下旬になれば盛岡冷麺も出回るであろう。
 あと一月。3袋あるから、代用冷麺を作る必要はないであろう。

3月17日(火) 播州龍野/日生/備前市
 4時に朝刊。
 日本テレビの社長が「バンキシャ」という報道番組の誤報で引責辞任という。
 見たこともない番組だが、辞任はまあまともな判断だろう。
 おれはテレビ(民放)の報道というのは新聞をパネルに貼って読むものと理解していたので、(読み間違え以外)誤報が起こるなんて信じられない気分だ。
 アホテレビ連中は通信社のニュースを紹介してたら間違いも起こらんのによ。
 そんなアホに金払うスポンサーはアホアホ。そのスポンサーの商品を買う愚民はアホアホアホだけどよ。
 ということで、朝も早よから<下男仕事>。
 炊事洗濯掃除その他3時間ほど集中して行う。昼の用意もした上で、出かけることにする。
 久しぶりに……というか、10日ぶりというか……うまい魚が食べたくなって、日生まで行くことにしたのである。
 相生から赤穂を抜けて日生まで約1時間。
 前に来たのは、青春18で高松へうどんを食べに行った帰路で、2005年8月27日である。もう4年近くになるのだった。
 市場は定休日。
 ぶらぶら歩いていたら、路地みたいなところに「造船所」があってギョ。
 
 裏庭で宇宙船を作っているような雰囲気である。
 昼ははましんで日替わり刺身定食1050円。
 
 この店、もとは魚屋であったという。うまいはずである。
 西の「はましん」東の「魚真」であるなあ。
 ここは秋山豊寛さんが(一時期瀬戸内海の島に住んでおられたことがあって)よく来た店でもある。
 ここから西へ。
 備前町市街地……備前焼伝統産業会館、歴史民俗資料館、ともにも休館である。
 伊部駅北側の窯元密集地を散策する。
 
 備前焼のぐい飲みが欲しいのだが、なんとか堂といったギャラリー兼販売所が並んでいるものの、客がゼロだから、入りにくい。
 閑散としている。不景気なんだなあ。
 牛窓まで行くか迷うが、だいぶ距離があるので、ここから引き返す。
 国道2号線で14時過ぎに帰館、下男モードに戻る。
 早寝するのである。

3月18日(水) 播州龍野の日常
 相も変わらず下男仕事。
 確かに暖かく、4月下旬とか5月並とかいってるが、築100年を超える陋屋の北側にある居間はひんやりしていて、終日ストーブをつけている。
 屋外の方が暖かく、庭先の木蓮がここ3日で急激に開花した。
 
 隣にある紫木蓮の方が好みだが、こちらは少し先。
 田舎生活が長くなると、3、40種類ある花の周期もだんだんわかってきた。
 写真を撮ってたら隣家の某はんが出てきて、どうでもいい長話を開始、おれはそういうものにつきあいたくないので、無視して陋屋に引きこもる。
 庭先に出るにも警戒を要する。困ったものだ。
 つまらぬ用事でやたら玄関のブザーを鳴らされるので、無視が可能な無線タイプに交換したばかりというのによ。
 とはいうものの、だんだん田舎生活で「本音の態度」をとれるようになってきた。
 あいつは偏屈やといわれても平気だもんね。
 田舎者諸君、わが家に近づくなかれ、たとえ内部で死んでいようとも(おれが脳溢血で急死・連鎖的に老母が餓死ということはありうるが)、だ。
 それなりの末路なんだから。
 日常生活に細々と干渉されるよりずっといい。
 ということで、老母の就眠後、冷麺で「神の河」ロック。
 寝る。永眠ではなく、たぶん1夜のみ。

3月19日(木) 播州龍野の日常
 慌ただしい日である。
 下男仕事に加えて、色々とややこしい連絡が錯綜する。
 ま、暗い話は省略。
 人間は悲しんでいても腹が減ったら食べる。これ「全体的真実」あるね。
 で、スーパーへ食材を買いに行ったら、上の階のジョーシンが展示品など在庫一掃セールの初日である。
 ONKYOのX-N7FXが29,800(展示品ではなく新品在庫)なので衝動買いしてしまう。
 USB端子付きのが欲しかったのである。
 
 ジャーン。書斎に設置。音は……微妙だ。きちんと聴くにはTimeDomain-miniの方がいいが、仕事しながら流しておくにはちょっと疲れる。
 イージーリンニングにはONKYOよりビクターのウッドコーンの方がいいなあ。
 ま、贅沢はいうまい。値段からいえばなかなかの音である。
 29,800円は最安値と思ったが、価格.comで見たら、最安値は27,000くらいになっていた。
 いずれにしても、これからはUSB端子付きが主流だな。
 午後はCD聴きつつ書斎にて少しは仕事を……と思ったが、電話や宅配便やら色々あって、特に生産的なことはできず。
 晩酌後、早寝するのである。

3月20日(金) 播州龍野の日常/「赤とんぼ風車」ふたたび
 暁闇の遠雷にて覚醒。パソコンのコード類を引き抜くほどではないような。
 落雷被害には懲りてるからなあ。
 午前4時頃に雨が降ったが、朝刊を取りに出るときにはやみ、朝食時には薄曇りとなって、ゴミ袋を持って指定場所へ歩く時間には、洗濯を催促するがことき晴天になった。
 下男日和というべきか。
 午後……快晴で暖かく、少し風がある。
 先週見学した風力発電装置「赤とんぼ風車」が気になって、揖保川上流へ見に行く。回っているところが見たい。
 
 北風の中、風向きに応じて首を振りつつ緩やかに回転していた。
 40rpmくらいか。差し渡し12メートルのブレードが回転するのは相当な迫力である。
 強風時にまた来ることにしよう。
 ということで、夜は小鉢(ヤッコ・カイワレ・イカ納豆・土佐煮・他)色々並べてダレヤメ。
 冷麺がないのが寂しい。
 来週は大阪なので、鶴橋の市場へ買い出しに行くことにしよう。
 ついでに雀さんの還暦記念落語会も聴かなくてはなあ。

3月21日(土) 播州龍野→大阪
 朝から慌ただしく下男仕事。
 午後、身内到着……などと書くことはないか……実兄到着。
 いつもはタッチで交替だが、本日は色々あって、4時間ほどあれやこれやしゃべる。
 本当は一杯飲みながらSFのアイデアについても議論したいところだが、浮き世のしがらみあって、世俗的な話ばかり。
 夜の姫新線〜山陽線で帰阪する。
 23時前に帰館。
 専属料理人に軽い酒肴を作ってもらってビール、ワイン1グラス。
 深夜の就眠となった。

3月22日(日) 穴蔵
 朝だ。雨が降っている……はもういいか。浅田飴パターンは終わりとする。
 「窓の外は雨だった」などと書いて、それが文学だと思ったら大間違いだぞ……と、これはタモリのフルート吹き語りに出てきたセリフ(1981.8.9/日比谷野音/ウチアゲ)である。これからは、このパターンだな。
 ということで、朝から雨が降り続く。
 穴蔵にこもって雑事の処理にいそしむ。
 昼間、一時的に雨がやんだので、自転車で梅田へ。所用あって旭屋本店に寄る。
 お、『東京大学のアルバート・アイラー』が文庫化(2冊/デザインが似ているから混同しないように)されていた。しばらくは楽しめるなあ。
 旭屋前から見るに、阪急デパートの全容がほぼ姿を現している。
 
 でかい。南からは旧デパートの上に高層ビルを継ぎ足したように見えるが、その高さ、左下の(おれがご神体と仰ぐ)梅地下換気塔と較べていただければわかるだろう。
 罰当たりではないか?
 今度、ナンバの高島屋の屋上の「展望台」から見てみよう。
 御堂筋は梅新で曲がっているから、高島屋から直接は見えないが、上半分くらいは見えるはず。
 御堂筋の南北対決、阪急側が威圧、つぎの展開はどうなる。

3月23日(月) 穴蔵/某懇親会
 穴蔵にて雑事色々。
 前にテレビ(民放)のニュースは新聞をパネルにして読み上げるものと理解している……などと書いたが、成田の貨物機炎上事故を見ると、ちょっと考えを改める必要がありそうだ。
 機体がバウンドして燃え上がる映像は新聞の及ぶところではない。
 おれは、以前、好きなテレビ番組はというアンケートに、飛行機の墜落事故とこたえたが、事故や災害報道はやはりテレビに限る。
 ただ、今回の事故の中継は空港の設備(カメラ)による成果で、別にテレビの連中が知恵を絞った結果ではない。
 要するにテレビ局のアホは、余計なコメントなどせず、中継画像を流しておけばいいのである。
 アホのコメントほど迷惑なものはない。スポーツ中継しかり。まして電波芸者がひな壇に並ぶ雑談番組においては……。
 夜、梅田へ。
 青心社の青木治道さんと、福田和代さん、都築由浩さんのグループに合流、不思議な……不思議でもないか……グループでちょっと一杯。
 
 地下街の居酒屋からニューサントリー5へ移動、遠距離通勤の福田さんの終電時間まで。
 話題は拳銃や射撃ツアーなど物騒なことばかり。
 おれが中国でバズーカ撃ったのは93年だからもう16年前になるのか……。

3月24日(火) 穴蔵
 天気晴朗にしてドタマ曇天。
 ちと二日酔いである。
 定刻より1時間寝坊して、午前5時に起床、朝刊読み朝食の後、また寝転がって『東京大学のアルバート・アイラー』を1時間読み、1時間仮眠の繰り返し。
 いかんなあ。
 10時頃にはきちんと起きる。
 某サイトで『だんだん』という朝の連続テレビ小説に「人間国宝」師匠が今日から出演ということを知る。
 昼の再放送を見る。
 もう終盤らしいが、初めて見るものだから、どんな物語なのかさっぱりわからない。
 「人間国宝」師匠は何と寝たきり老人役である。これがなんというか……地で演ってはるとしか思えない。
 師匠何やってんすか……と思ったら、ちゃんとドラマ内の方言をしゃべってはる。
 けだし名演というべきか。
 今週はこれを見ることにしよう。
 ということで、終日穴蔵。
 夕刻、淀川沿いに1時間ほど散歩。
 
 定点観測地点から見る「春分の日」近い落日、沈む位置は十三歓楽街あたりである。
 このご時世、閑古鳥が鳴いているだろうな。
 繰り出す元気なし。
 早寝するのである。

3月25日(水) 穴蔵
 穴蔵にて雑事色々。
 某国からのタイムマシン事案で、ややこしくもありがたい連絡が錯綜する。
 必要あって、昼前に梅田へ。
 自転車での帰路、小雨にあう。
 あまりやってはいかんことだが、雨やどりをかねて、「西成二代目にしかわや」にて軽く昼ビール。祝杯である。
 
 ボートピア梅田の北側、JRのガード下にできた立ち呑み屋で、正午から営業している。競艇ギャンブラー相手の店であるが、メニューはなかなか。西成に「初代にしかわや」があるのかは不明である。
 午後は穴蔵にてマイルスを集中的に聴く。
 「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」からマラソン・セッションの4枚、「スケッチ・オブ・スペイン」「カインド・オブ・ブルー」「イン・ア・サイレント・ウェイ」「ネフェルティティ」「オン・ザ・コーナー」まで。
 おれはマイルスの熱心なファンではないが、「ジャズ史」関係の本を読むと、スタイルの変化をたどってみたくなる。
 今回は菊池成孔・大谷能生『東京大学のアルバート・アイラー(歴史編)』(文春文庫)の影響である。

3月26日(木) 市立科学館/鶴橋/桂雀三郎「30日連続落語会」
 穴蔵にて雑事色々。
 連続テレビ小説『だんだん』……なんと車椅子の米朝師匠が歩きはった!
 ということは、明日は座敷でえんえんと飲みはるのだろうか。
 楽しみな展開である。
 午後、中之島の大阪市立科学館へ。
 4月からプラネタリウムで上映される『HAYABUSA -- BACK TO THE EARTH』の試写会(プレス内見会)である。
 はやぶさの小惑星イトカワ探査プロジェクトを全天周映像で映し出すもので、はやぶさがイトカワに接近する場面など、すごい迫力である。
 全体のコンセプト(擬人化)は例のアニメ『今度いつ帰る』(ニコニコ動画で今も見られるのかな?)に通じるところがあって、最後の帰還シーンなど、ちょっとジワがくる。
 おれの所感は大きくはふたつ。
・SF映画がCGが進歩しすぎて「架空の映像を楽しむ」スタイルになったのに対して、この作品では、CG技術が、肉眼では見られないものを見せるというかたちで生かされていて、宇宙SFの初心を感じさせてくれる。
・ブラネタリウムは本来は星空の再現だろうが、この作品では、宇宙空間に連れ出してくれる感覚が素晴らしい。
 つまりSF映画として見ても感動的なのである。
 星雲賞(映画部門)につながればいいのが。そのためには、SFファンに見てほしいところだ。
 
 ↑イトカワ1/1000モデル。
 上映後、質疑応答。
 会場には、川口淳一郎博士も! ちょっと感激である。
 SF関係では橋元淳一郎さんと三島浩司さんが来られていた。
 市立科学館から鶴橋へ移動。
 鶴橋市場で冷麺を買い、軽くビールをと、たまたま近鉄ガード下の「大門」という串焼き屋に入る。
 
 うまいのなんの、ここが鶴橋に数多い酒場でも屈指の名店であることを知った。
 鶴橋駅北側の「雀のおやど」へ。鰻の寝床みたいなスペースだ。
 桂雀三郎還暦記念「30日連続落語会」の26日目を聴く。
 笑福亭喬介「寄合酒」
 桂雀三郎「野崎詣り」
 笑福亭三喬「欲の熊鷹」……珍しいネタである。
 桂雀三郎「寝床」
 雀さんの2席はともに爆笑ネタで、特に「寝床」の旦那の元気さは……連続の26日目でこのテンションが維持されているとは、還暦なんて信じられないなあ。
 圧倒された。雀さんは、いま米朝一門でいちばん乗っているのではないかと思う。
 本日は「はやぶさ」と「雀」という、不思議な日であったなあ……。

3月27日(金) 穴蔵/ハチ/SF検討会
 朝だから起床するのであった。
 連続テレビ小説『だんだん』……米朝師匠の出番はなし。もう終わったのか? ストーリー全体が皆目わからんから、文句のつけようもないのだけど。明日が最終回? ま、15分とはいえ、テレビなんて見るものではないなあ。
 穴蔵にて粛々と雑事を片づける。
 午後、自転車でチーハに行ってヒーコ。
 今年は……
 7月19日に山下洋輔トリオ・40周年・復活祭がある。予約開始。おれ? むろん申し込んだ。
 8月8日にハチが50周年を迎える。ライブ+記念パーティの予定。
 そろそろ準備を始めねばならず、ところがハチママ、体調不良とか色々あって(今まで伏せていたけど、ハチママが40日も休んでいたのは開店以来初めて。復帰したから公開してもいいことになった)、どうするこうする、色々とややこしいことである。
 おれの役割としては、ハチ周辺史の資料整理を始めることにする。
 おれのサラリーマン生活(およびSFデビュー作を書き始めた時から)40年と重なるからである。
 夕刻、かんべむさし氏、来穴蔵。
 久しぶりに定員2名・内容部外秘のSF検討会を開催。
 専属料理人に小鉢を色々作ってもらって、ビール、湯割り飲みつつ、あれやこれや、本日は3時間以上。
 テーマ雑多。ただ、どうしても年齢に関わる議論が多くなるなあ……。
 早寝するのである。

3月28日(土) 穴蔵
 穏やかな日である。
 穴蔵にて雑事色々……だが、世間は休日であり、タイムマシン関係も特段のことなし。
 静かに本を読んで過ごす。
 午後、「自宅」にて、アフタヌーン・ティを楽しむ。
 こんな上品なことをするのは年に1度あるかないか。
  
 ベランダに春の花が咲いている。
 背景の工事中のビルは阪急百貨店である。
 「自宅」の見晴らしはいい。梅田一望。ここで読書しながら静かな午後を過ごすのが夢であったが、家族に乗っ取られ、おれは日当たりの悪い「穴蔵」に追いやられてしまったのである。
 ということで、あとは穴蔵にて寝転がって本を読む。
 ああ、春は遠い。

3月29日(日) 穴蔵/九条〜ナンバ/滝川雅弘4
 天気晴朗にしてドタマもまあまあ働く。
 穴蔵にて、少しは仕事もするのであった。
 天気がいいので、午後、出かけることにする。
 地下鉄で中央線・九条へ。
 立ち食いうどんの名店大和庵にてきつね。
 あと、九条商店街を歩く。「田中星児ミニコンサート」があるらしい。営業してはるのだ。
 京セラドームまで歩く。ドームに来るのは初めてである。
 ここから「阪神なんば線」に乗ってみるつもりだったが、天気がいいので、木津川沿いの遊歩道を歩く。
 
 柵にホシヅルがたくさんとまっている。
 千代崎橋(木津川)を渡り、日吉橋(道頓堀川)を渡って千日前通りへ。
 道頓堀の終端を見るのは初めてである。
 
 川面は濁っていた。河口に近いのである。悲しい色やね。
 Hold me tight……
 センチメンタルになるぜ。
 桜川から東進してナンバOCATへ。
 ここのポンテ広場で「OCAT Jazz Festival'09」が開催中である。
 が、吹き抜けで、じっとしていると寒くなる。久しぶりにキンタマ波動関数の収縮を実感する。
 16時から滝川雅弘カルテット。
 
 橋本裕(g)西垣昌也(b)滝川雅弘(cl) 東敏之(ds)
 寒い風の中、6曲、熱演である。
 北野勇作さんが来ていた。
 このあとの、ハービー・トンプソン+ビッグバンドに、(かめくんの師匠)唐口一之さんや宮哲之さんも出るらしい。
 が、体が冷え切ってしまい、明日から田舎行き、風邪をひいてはいかんので、まっすぐ帰館。
 夜は串揚げでビール。
 早寝するのである。

3月30日(月) 大阪→播州龍野
 早朝の電車で播州龍野へ移動。
 姫新線、近代化しているなあ。駅も車両も。
 朝9時の書斎の室温10℃で、大阪なら真冬の気温である。外の方が暖かい。
 下男仕事を粛々とこなす。
 室内よりも外の方が快適なので、夕刻に近い午後、揖保川沿いに北の方へ散歩。
 祇園橋の北1キロあたりは、子供の頃からほとんど変わらない。
  
 対岸の鶏籠山、はや暮れかけの急斜面に山桜が1本、そろそろ龍野公園も開花か。
 ということで、18時から晩酌。
 そろそろ早寝。
 ちょっと気になる記事ふたつ。
●米朝師匠入院(昨日の産経朝刊/報じたのは産経のみ)
 「たいしたことない」とのことだが、「だんだん」がリアルだったからなあ。
●「SF作家」になったお妃候補(「週刊新潮」の特集「両陛下ご成婚50年」秘話のひとつ)
 そうか……今年2月に亡くなられたのか。ま、たいへんな人だったからなあ。

3月31日(火) 播州龍野/西播磨リハビリセンター
 朝から慌ただしく「下男仕事」を片づける。
 9時過ぎに老母を乗せて播磨科学公園都市へ向かう。
 わが赴くは西播磨総合リハビリテーションセンター
 通院しているI先生から、一度検査を受けろと「紹介状」を渡されたからである。
 スプリング8の東側の丘陵地帯にある、広い施設である。
 
 写真はごく一部。大部分が平屋の贅沢な造りで、内部も木材が基調である。
 広い通路の向こうに西播磨の高原が広がっている。
 スプリング8の近くに巨大病院というのはいい雰囲気だ。
 『虚無回廊』巻頭の場面には及ばぬものの、小松の親っさんの好み。地球の危機に、政府の要人が、車椅子で生活している「老賢者」を訪ねてくる場面に使えそうだ。
 もっとも、ここ、現実の患者はヨレヨレの爺さんばっかりだけどね。
 MRIを含めて14時までかかってしまった。そのうち待機時間が2時間半ほど。ああしんど。
 幸い、通院の必要はなしであった。ここへ通院となったらどうしようかと思ったものねえ。
 ということで、昼飯が遅くなり、連動して、晩飯も遅くなった。といっても19時30分だけど。
 NHKの「クローズアップ現代」を見ながらビール。
 本日の特集「中国内陸に商機あり」……ブルトーザー・メーカーの社長・Nくんが出てきた。
 わが同級生である。さすが元ワンゲル、引き締まった体型は昔と変わらない。
 西安での商戦という事情はよくわかった。このご時世に重慶からウチにタイムマシンの話が来るのも似たような事情であろう。
 播州龍野から世界を眺めて……そろそろ就眠するのである。

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