HORI AKIRA JALINET

『マッドサイエンティストの手帳』31

●マッドサイエンティスト、大阪新聞に登場

主な事件
 ・「マッドサイエンティストの正装」が引き金になったわけではないのだが、7月28日の朝、大阪新聞の記者から会社へ電話があり、翌日の夕刊にマッドサイエンティスト登場となった。
 ・大澄賢也を断固支持する!

1997年7月28日、朝10時。会議の直前に、大阪新聞の竹室記者から電話。何度か会っているし、草上仁氏と同年で気が合う経済記者。草上氏らと一緒に飲んだこともある。
「堀さん、それだけ色々仕事をしてたら、何かストレス解消法をお持ちでしょ?」
「何でんねん、急に」
「ビジネスページの『私のストレス解消法』というコラムで、何か紹介したいのです」
「うーん、一般論ですが、夢と現実のギャップがストレスの原因でしょう。現実がついていかないのなら、夢を疑似体験するのがいいのです。ぼくの場合はSFがそれですね」
「そこいらで何か絵になるもの、ありませんか」
「え、写真入りですか」
「カラーページです」
「あ、それなら友人の学者がくれた、マッドサイエンティストの白衣というのがありますがね……」
「なんです、それは」
 と、ちょっとやりとりがあって、なんとその日の夕方、会社へカメラマン同行で取材に行くという。
「いつ掲載なんですか」
「明日の夕刊ですよ」……そんな無茶な!
 結果として、ぼくの会議中に、家内にくだんの白衣を会社まで届けさせた。
 夕方、会社の染色試験室で写真撮影。試験室の主は、「高座」のたびに「なるべく汚い白衣」をビーカーやフラスコと一緒に借りていたから、事情はよく知っている。さっそく「血の色」の赤い液体を染料で調合してくれた。
 その結果、翌日、下の新聞が発行された。
 大阪新聞1997年7月30日号。トップは「ルミ子”離婚”」である。

offoff


 私のストレス解消法の要旨は、つぎのようになる。
1.夢「科学者にあこがれていた」 現実「しがないサラリーマン」 解消法「科学者を演じればよい」
2.夢「予算に制約されない研究開発をやってみたい」 現実「そんな金あるか」 解消法「とんでもない研究テーマのSFを書けばよい」
3.夢「気楽に生きたい」 現実「鬱陶しいことばかり」 解消法「お笑いがいちばん」
 以上を総合すれば、マッドサイエンス講座になるわけだ。
 記事に一ヶ所ミスがあった。白衣をプレゼントしてくれたのは「いろもの物理学者」前野昌弘さんだが、記事では「友人の大学教授」になっている。まあ、そのうちそうなるのだから、訂正するほどではないでしょう。

 それにしても、大澄賢也はストレスが溜まっていたことだろうなあ。賢也、断固支持するぞ。自立しろよ!
 オバハンに飼われて(買われて)きたのらしいが、男として自立しようとしている。立派ではないか。
 長年のおつとめ、ご苦労様でした。もう、オバハンの相手をする必要はない。朝起きて、お弁当を作り、女房のパンツを洗濯する必要もないぞ。お前は巨根だけが取り柄のタネ馬陰茎人ではないはずだ。「新車に乗った巨根」どころか、お前は五木ひろしの中古車に乗ってたんだ。がんばれ、自立しろ、おれは断固支持するぞ。


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