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『マッドサイエンティストの手帳』415

●マッドサイエンティスト日記(2007年11月後半)


主な事件
 ・ラスカルズatニューサン(17日)
 ・尾田悟ライブ(18日)
 ・西山瞳トリオ+井上淑彦(24日)



11月16日(金) 穴蔵/ウロウロ/物体X
 午前中、穴蔵。
 集合住宅の雑排水管洗浄の日なので、待機しておらねばならぬのである。
 「船場吉兆」を府警が強制捜査、老舗料亭が家宅捜索されるという珍しき光景が中継される。ははは。府警諸君、高級料亭に出入りできなかった鬱屈があるのかもね。ガンガンやりたまえ。声援を送る。おれも吉兆(他の店も)へは行ったことないし生涯行くつもりもないからさ。
 テレビが流すのは「庶民の声」ばかり。おれは「船場吉兆」で料理を賞賛しつつ飲み食いしていた「常連」のインタビューを見たいのだが、カメラの前には出てこないだろうなあ。
 いや、むろん料理も「文化」だとは思っとるよ。立ち食いうどんも含めて。
 府警諸君がどんな法令違反でやるのかしらんが、「文化を傷つけた」ことに憤りを感じてであるはずなし。被害者の「常連」の怒りも「恥をかかされた」ということだろうしなあ。いや「常連」は「最近味が落ちたと思ってたよ」なんて吹聴してるのかな。常連の顔が見たい。ま、どうせ消滅する店、どうでもいいことだが。
 午後、自転車で出かける。
 昨日の積み残し案件の処理。
 昨日と同じ服装で出たら、寒い。
 市内ウロウロしていたら体が冷え切ってしまった。
 夕刻帰館。
 本日は京都で山下洋輔NYトリオのライブの日だが、ちょっと悪寒がするので見合わせる。時間的には行けないではないが、席の確保に並んだり争ったりはもうしんどくてダメである。さりとて優遇されることは美学に反する。
 ぶらっと行ける店か、「全席指定」のコンサートしか無理に思えてくる。
 毎日放送のニュース。
 先日豊中の空港近くの工場に、天井を破って落下してきた謎の物体……航空機の部品ではない「熱い金属塊」であるが……その正体は「天井の穴と落下点の延長上にある」100メートルほど離れた「リサイクル施設」から飛来したダンプカーの部品らしいという「スクープ」。巨大な「破砕装置」にかみ込まれた金属部品がはじき飛ばされて100メートル以上飛翔したらしい。たいしたものだ。豊中署に通報、本日から調査という。その調査方法は当たり前すぎて、警察がそんなことも調べてなかったのかと呆れるほど単純だが、ともかく「大スクープ」ではないか。毎日放送、トップニュースで放送すべきではなかったか。まだ「推定」だから控えたのか。なんと奥ゆかしい。
 夜は牡蠣のグラタンや牛肉・玉葱炒、サラダなどでビール、湯割り。
 ともかく寒い。早寝。

11月17日(土) 穴蔵/ラスカルズ
 終日穴蔵。
 本日は仕事はしないことにした。
 パジャマのまま、夕刻まで、溜まっている本を読みCDを聴きDVDを見て過ごす。
 『幼年期の終わり』の「改訂版」が光文社文庫から刊行されていたのを最近まで知らなかった。翻訳されて、これが1990年に「改稿」されていたことを知った。SF事情に疎くなってしまったなあ。嗚呼。
 ただ、この第一部の改稿はどうなのか。冷戦下にあってこそ、「宇宙人の襲来が世界平和をもたらす」構造が生きていたのではないか……というか、おれは、そういう真理を「旧・幼年期の終わり」から学んだのだったが。
 もう年末が近い。最近あまり読書関係のことを書いていないが、本年度の注目作についてはそろそろ感想をまとめておく時期だなあ。
 ま、次の龍野行きの時に集中してやるか。
 夕刻、宅配便の発送のために、やっと着替えて外出。
 夜、夕食後、午後9時前になって、急にライブが聴きたくなり、自転車でニューサントリー5へ。10分ちょっとでこういうことが出来るから、やっぱりアーバンライフはいい。
 ニューオリンズ・ラスカルズ、トランペットはトラでピンカラさん。
 
 割と空いていて、最終ステージは正面の席で聴けた。
 最後の方、「オールド・ファッションド・ラブ」では涙腺が緩みかけるねえ。
 10分で帰館。日付が変わる前に就眠。

11月18日(日) 穴蔵/尾田悟ライブ
 終日穴蔵。
 本日も仕事はしないのであった。
 大阪市長選挙の投票にのみ着替えて外出。ともかく投票だけはした。
 あとは本を読んで過ごす。
 夕刻、地下鉄で難波へ。
 
 トンボリの夕景、センチメンタルになるぜ。
 道頓堀ホテルにて、尾田悟さんのライブ。
 
半年前は入院のため中村誠一さんの代演であったが、見事に復帰。
 「三途の川を2度見たが、洪水だったので引き返してきた」とか。例の音色も以前のままである。
 後ろのテーブルで『ジョージ・ルイス』を販売させていただく。
 尾田さんもジョージ・ルイス・ファンということで嬉しくなった。
 
 同じテーブルで、隣に大阪キューバンボーイスのバンマスの坂下儀一氏。
 なんと尾田悟さんとは海軍軍楽隊の同期という。
「おい尾田、今度はウチのバンドと演ろう」
「演りたいねえ」
 ……来年あたりに実現するか。
 ビッグバンドをバックに……実現すれば、ぜひともCDで残してほしいところだ。
 21時頃に帰館。
 選挙の「立会人」を務めていた専属料理人も帰館したばかり。で、しばらくしたら平松に「当確」が出た。へぇ〜。「知名度」で有利とか報道されていたが、おれは平松邦夫という名前は立候補まで「まったく知らなかった」ので意外であった。橋爪紳也の方がよほど有名と思っていたのだが、ジャンルが違うのだなあ。
 政見についてはノーコメント。

11月19日(月) 穴蔵/配達
 寒いのであった。大阪でこれだから播州龍野はいかがなりやと心配になって、実家にいる身内にメール。まだストーブは出していないが、相当な寒さらしい。大阪でもキンタマが半収縮、ああ憂鬱な季節の到来である。
 寒い日は終日穴蔵……のつもりであったが、プリンターがインク切れ、昼過ぎにヨドバシまで歩いていく。
 帰路、茶屋町から中崎町を散歩。
 
 茶屋町界隈、旧・東急ホテルとその西側は更地、茶屋町画廊の区画は廃墟(一部居残り?)のまま、人通りもなし。放火を警戒してか、ガーやんが立っている。
 不審者に見られるのかなあ。残り少ない石畳なのであるが。
 路地裏の散歩もしにくくなった。
 また穴蔵にこもる。
 夕刻、また自転車で
『ジョージ・ルイス』の配達。発売してひと月、預けていた分がそろそろ売り切れてきたような。その補充2ヶ所。
 体が冷えた。
 シャワーの後、晩酌。
 専属料理人が本日作ってくれたメニュー。
 湯豆腐、鮭の味噌焼き、ほうれん草、筑前煮とごく普通の和食メニューでビール、湯割り。あと、しめじごはんがあるが、明朝に回す。
 早寝。

11月20日(火) 穴蔵/ウロウロ
 寒いのであった。
 終日穴蔵……のつもりであったが、色々と用事が発生して、地下鉄で本町へ。本来なら自転車だが、もう寒くてダメである。
 これから半年はなるべく歩くことにする。
 某行の隠し金庫にタイムマシンの設計図を預け、遅めの昼飯。
 ボンクラ・サラリーマン時代の馴染みの店でランチ・ビール。店名はマル秘。おばちゃんひとりで頑張ってる店である。それでなくても「おきん」はじめ、馴染みの店の多くは閉店してしまったからなあ。
 船場センタービルのKさん(歌やん関係である)の事務所に寄ってしばし雑談。
 ついでに、近所にある「船場吉兆」を見物に行く。
 先週は大騒ぎであったらしい。
 
 テナント・ビルの下層階、寂として人影もなし。板さん連中が可哀想であるなあ。
 キッチョーの斜め向かいに「月亭」という料亭があって、名前からいったら、こちらも面白そうではないか。カチョーとハッテンでは味がちがうだろうけど。どうでもいいか。
 イケマン、シモジマに寄ったあと、地下鉄で南森町に移動して、ハチに寄る。
 ここから歩いて帰館。
 片道は地下鉄利用なので本日は約7000歩であった。
 まあ久しぶりによく歩いた日である。
 晩酌の後、早寝。

11月21日(水) 穴蔵
 終日穴蔵。
 ……のつもりであったが、昼、必要あって梅田まで。
 昼飯、13時前に駅前第3ビル地下のモツ鍋屋で定食を試みるが、これはひどい。
 博多の「コンボ」の斜め向かいの店へ新幹線で行きたくなる。
 チケットショップの密集地なので、ちょっと迷ったが、ま、熊本へカジシンに一杯飲ませてもらいに行くついでにしよう。
 まっすぐ帰館。
 また穴蔵にこもる。
 DVDで
『エロ将軍と二十一人の愛妾』を見る。イヤハヤ。

11月22日(木) 穴蔵
 寒いのであった。
 終日穴蔵。
 昨夜から朝食・昼食は運び込んでおいたので、着替えもせず一歩も外出せず。
 ただし少しは仕事もするのであった。
 気分は「テスト氏」である。
 19時半に夕食のために自宅へ行く。
 1時間ほどいて、また戻ってきた。
 森山威男「A LIVE SUPREME」、佐藤允彦「如是我聞」を聴く。
 CD関係についてはまた改めて。
 早寝。

11月23日(金) 穴蔵/SF検討会
 世間は3連休の初日らしいが、わが穴蔵のある集合住宅では大規模修繕委員会なるものの開催日であった。
 朝9時から見積提出の3社からヒアリング、50分ずつ3社で昼まで。
 各社、それぞれ「休日返上」であり熱心である。
 確率1/3なので、おれ個人的には気の毒になってくる。
 おれはこういうことが苦手なので「タイムマシン」という競合機種のない製品を細々と作っているのである。
 午後は議事録作成。
 あと、しばらくCD聴いてたら、夕刻かんべむさし氏来穴蔵。
 専属料理人に小鉢など運ばせて、久しぶりにビール飲みつつ「SF検討会・会員制・定員2名」を開催。
 本日は特にテーマなしのフリー・セッションだが、やたらバカ笑いが多い日であった。
 笑いは優越を覚えた時に生ずる。自分たちの程度の低さを(先達の偉大さがわかるが故に)自覚しての笑いなのであった。自嘲とはちがう、カラッと明るい笑いであるところがいいのである。
 仕事したよなしないよな。
 早寝するのである。

11月24日(土) 西山瞳トリオ+井上淑彦
 定刻午前4時起床。
 5時にニュースを見たら、その後、NHK『かんさい想い出シアター』という番組があり、「手塚治虫ショー」の再放送。小松さんがゲストで出てきての対談あり、最後は手塚さん本人が歌う「鉄腕アトム」も。これは見てなかった。79年か80年の放送である。急だったので録画する間もなかった。
 午前中、穴蔵。
 昼過ぎに出かける。
 本日、コンサートが2件重なる。
 片方はクラシック系で、伊福部昭「交響譚詩」という珍しい演奏。一方は堺の藤井くん企画のジャズコン。
 迷った揚げ句、クラシックのチケットは専属料理人とその知人に回して、ミナミの方に向かう。
 難波で、新装なった戎橋を見物。飛び込みやすく、トンボリ・ウォークができて、ドブから上がりやすくなった感じだ。低くなった分、飛び込んでも受けないだろうけど。
 千日前を抜けて、ミュージクラフトへ向かう途中、路地に行列。
 
「釜たけ」はわかるが、斜め向かいの「千とせ」にも行列。
 
 「肉うどんのうどん抜き」で知られる店だが、行列すべき店かいな。普通の食堂。吉本のモデルになったなど、たぶんテレビの影響で、一度食べてみようってところかな。「吉兆」へ行くよりはまともな感覚とは思うけど。
 ミュージクラフトでコーヒー。
 バンドの練習中である。クラの人、なかなかうまい。
 南海高野線で北野田へ。
 初めて降りる。急行が止まる駅で、堺市の「副都心」のひとつらしい。
 「堺市立東文化ホール」で藤井くん企画の「西山瞳トリオ+井上淑彦」コンサート。
 名古屋方面からも含めて森山掲示板でお馴染みの顔ぶれもちらほら。
 早めに着いたので、正面中央、最高の席で聴けた。
 1部がトリオ、2部が井上淑彦さんゲストとするカルテット。
 西山瞳さんは初めて聴くが、繊細にしてリリカルな演奏。大部分がオリジナルである。唯一のスタンダード「サニーサイド」は、これまた大胆でダイナミックなアレンジであった。
 井上さんはソプラノとテナーを半々くらい、fuseでもなく森山グループでもなく、「西山カルテット」の雰囲気を創ってはるところがさすがである。
 19時頃まで。
 まっすぐ帰館。意外に早く、40分ほどで帰れた。
 軽く一杯。明日からまた寒いど田舎行きである。

11月25日(日) 大阪→播州龍野/オータムフェスティバル
 早朝の電車で播州龍野へ移動。
 8:28姫路発の姫新線にケタタマシイおばはん数人が乗り込んできた。頭痛がして前の車両に移動。困ったものだ。「小京都」龍野へ休日に出かける高齢者はいるのだが、本日は常軌を逸している。
 着いて判明、この3連休「オータムフェスティバル」という催しで、今日が最終日なのであった。田舎町振興政策である。
 朝は寒かったが、午後は快晴で小春日和となる。
 で、夕刻に近い時間、ちょっと歩いて見る。
 「龍野の名品」オオギイチ醤油が工場見学できるようコースが設定してある。少量の「本醸造」(天然醸造との違いも説明を受けた)で、仕込蔵まで見せてもらう。
 子供の頃見た巨大な木樽は今やFRPのタンクである。
  
 木造倉庫の一角で「黄昏ジャズライブ」をやっている。音響はいいが、演奏は……うーん、味噌が腐るのではないかと、ちと心配……なんていってはいかんか。ごめん。井上叔彦さんを聴いた翌日だから、比較にならんのである。
 夕暮れに細道をたどって帰館、狭い我が家で晩酌。
 早寝するのである。

11月26日(月) 播州龍野の日常
 今週は相棒の某くんが某国出張のため、タイムマシン格納庫にこもることになる。
 下男仕事のあと、格納庫にて見張り番。
 昼の1時間、老母をクルマで龍野公園へ紅葉見物に連れて行く。
 聚遠亭の秋。
 昨日で「オータム・フェスティバル」が終わったので、静かなものである。
  
 また夕刻まで見張り番。
 久しぶりにPC9801を使う。懐かしい気分であるなあ。
 夜、HP更新しようとするが、FTPが接続できない。
 XP機、不調なりや。

11月27日(火) 播州龍野の日常
 下男仕事の後、終日タイムマシン格納庫にこもる。
 格納庫のXP機でもFTP接続できず。
 プロバイダー側のシステムの問題なりや。
 メールで問い合わせ。

11月28日(水) 播州龍野の日常
 下男仕事の後、終日タイムマシン格納庫にこもる。
 曇天、関東は真冬並みとかいうが、播州はまだキンタマの収縮にはいたらず。
 防衛省の守屋前次官の逮捕にともなって、なんと「おねだり妻」幸子も逮捕のニュース!
 これを快挙といわずしてなんといおう。特捜、よくやった。
 「女帝」という言葉が飛び交うが、昔はこの手の女を「権勢欲夫人」と呼んだものである。
 HP更新できず、アサヒネットに問い合わせメールを送る。

11月29日(木) 播州龍野の日常
 下男仕事の後、終日タイムマシン格納庫にこもる。
 昼前に専属料理人がやってきた。
 昼と夜の炊事に手が回らないため、五目寿司とか煮物などを持参。
 夕食のあと、さっさと食器洗い、さっさと大阪に帰ってしまった。
 本日帰阪のつもりであったが、某国関係の業務が遅れ、おれは明日まで居残りである。
 HPのFTP、接続できぬまま。ま、そうこまめに更新することもないか。

11月30日(金) 播州龍野→大阪/人身事故
 下男仕事の後、タイムマシン格納区にこもる。
 10時前にDHL便の集配あり、某国に荷物を出荷して、とりあえず今週の業務終了。
 昼の電車で帰阪することにする。
 ということで、姫路から山陽電車〜阪神梅田行き特急に乗って居眠りしていたら、とつぜん車両床下で異常音、鉄骨が巻き込まれ跳ね返るような音が響いて、振動が伝わってくる。通路を隔てた斜め向かいの窓に何かがぶつかって割れた気配……ブラインドを下ろしているが、窓全面が細かくひび割れたようである。
 急停止。
 しばらくして、「人身事故のため停車」というアナウンスあるものの詳細不明。
 芦屋の手前、青木と深江の間で、北側に墓地がある。
 15分後に動き出し、芦屋で運転打ち切りとなった。
 
 割れた窓は「障らないでください」と駆け込んできた整備員?が制止。事故の内容は不明のままである。
 10分待って後続の特急に乗るが、車内、車椅子説や乳母車説が飛び交う。先頭車両のドアが破損していたとか。3両目の窓が割れたのだから、ぶつかったのは「人身」だけではあるまい。
 夜、ニュースを見るに、朝青龍のお詫び(してるようには見えない)会見ばかりで、事故については不明のまま。
(※11/30にはJRと南海でも人身事故があったらしいが、阪神の事故は報道なし。何を巻き込んだのか、気になるところだが……)
 穴蔵のパソコンでは、FTPが接続できた。
 どうやら「アサヒネット以外のプロバイダーからは接続できない」状態に戻ってしまったらしい。半年ほど前にこの問題は解消されていたのだが。
 
jali-netはホームページの機能を実験的に色々と試みる目的でアサヒネットが立ち上げたのだが、10年経つと、一般のホームページとは別管理になっているために、細部に手が回らない状態になっている気配がある。
 asahi-netの盲腸みたいなものかな。
 「普通のページ」への引越しを検討すべき時期かもしれない。
 ……ということで、6日ぶりに更新したのがこの記事。

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