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『マッドサイエンティストの手帳』414

●マッドサイエンティスト日記(2007年11月前半)


主な事件
 ・テルミンを聴く(3日)
 ・ラスカルズ・チャペル・コンサート(11日)



11月1日(木) 播州龍野→大阪
 朝まで、眠り断続的。
 朦朧とした状態で朝の行事を片づける。
 老母を医院へ連れて行く日だが、クルマは危なくて運転できそうにない。
 身内に助けを求める。
 昼に来てくれることになり、おれは昼前の電車で帰阪。
 ほとんど寝て移動。
 夕刻、近所の医院へ。
 症状を細かく訊かれるが、明からに「脳梗塞」の予兆を疑われている気配。おれもいちばん心配だったのである。
 痺れはないし、喉や血圧にも異状はなし。たぶん「過労」だろうと、点滴を受けて、あとは様子見となる。田舎ストレスか。
 本日もアルコール抜き。
 ほぼ普通に戻った感じ。で、HP更新。こんなことより先に片づけるべき雑事が多いのだが。

11月2日(金) 穴蔵/市内ウロウロ
 体調、まあまあ回復。
 穴蔵にこもっていたいが、月次の〆・その他色々あって動かねばならぬ。
 10時前に専属料理人と歩いて梅田へ。梅チカにある区役所の分室で証明書色々。
 auショップでツーカーを解約すれば残金が返還されることがわかったので、そちらの手続きも。
 銀行、郵便局、ヨドバシ、ミムラなど回っていったん帰館。
 午後、坂本さんからの呼び出しあり、自転車で青空書房へ。
 坂本さん、「ジョージ・ルイス」のポスターを作ってくれている。
  
 ODJCの会員らしき方も来られたらしい。ありがたいことである。
 坂本さん、いい喫茶店が出来たからと、路地を歩いて「Cafe & Bar dimashq」という小さな店に案内してくれた。
 店名はダマスカスのアラビア語表記で「ディマシュク」と読むそうな。
 天神橋筋の西側、路地をちょっと入ったところにある、なかなか感じのいい店。
 色々な事情があって、これからは、コーヒーを飲みながら雑談する場合、青空至近の某店ではなく、ここを利用することにしましょう→青空で時々会う皆さん。
 参考までに、青空用の
地図にもディマシュクを追加。青空のついでに、コーヒーなら「ディマシュク」、ソバなら向かい側、一杯やるなら「大甚」である。
 ということで夕刻帰館。
 体調に万全を期して、本日もアルコールは抜き……というか、飲む気にならない。珍しいことである。

11月3日(土) 穴蔵/テルミン/谷口英治
 定刻午前4時に目が覚めた。
 体調……まあ普通なのであろう。
 穴蔵にてボソボソと雑事。
 昼、天気がいいので自転車で梅田へ。
 『ジョージ・ルイス』の店頭での売れ行きを見るが……まあまあか。『歌之助』ほどの勢いはない。ジャズと落語の差、価格、それに読者層の年齢など色々考えられるが、やはり関西で「米朝一門」は強いなあと実感。
 ルイスの方は、古典ジャズのファンクラブ関係中心に全国的には順調である。
 ついでに中之島・市立科学館へ。
 13時〜アトリウムで竹内正実氏によるテルミンのミニ・コンサート。
 
 デュオや「マトリョン」という音階変化だけの楽器によるアンサンブルも。
 選曲はワールドコンでの菊地さんの方が面白かったなあ。
 帰路、
「ジャズの専門店ミムラ」に寄る。谷口英治の『ONE NOTE SAMBA』がやっと入荷していた。
 ということで、夜はこれを聴きつつ、久しぶり(中3日)にビール少し。
 谷口英治、ラテン(風)トリオ+パーカッションを率いてのワンホーンで、アレンジよくアドリブ豊富、まさに快演である。
 が、もし記念ライブがあれば、おそらくさらにノリがいいであろう。谷口さんは完璧主義ゆえに、ラテン調でも一分のスキもない。ライブで多少ざわついた会場でビール飲みながら聴くとさらによさそうな。……最後の「タンガ」が自作だけに絶品である。
 本日も早寝。
 明日はまた田舎行きである。

11月4日(日) 大阪→播州龍野
 早朝の電車で播州龍野へ移動。
 下男仕事の合間に書斎にこもるがアタマ全然働かない。
 室温19℃。寒くはないはずだが、膝が冷える。キンタマ照射用のハロゲンヒーターを机下に設置して断続的に使用する。冬間近なり。
 夕刻とつぜん小沢一郎の党首辞意表明会見の生中継。
 壊し屋いっちゃんの面目躍如であるなあ。
 寄せ集め政党だから空中分解は予想されていたことだが、このタイミングとは。
 いっちゃん、久々の「密室」で血が騒いだんだろうな。
 それにしても「民主に政権担当能力なし」とはあまりに正直な……。
 ビール少し。早寝。

11月5日(月) 播州龍野→大阪
 曇天なり。
 下男仕事の後、昼の電車で大阪へ移動。
 実験的に田舎滞在期間を「小刻み」型に変更してみることにしたのである。
 ストレスの軽いスタイルを選ばねば。
 ということで、本日は阪神特急、梅田に着いて、ホワイティ梅田(梅田地下街/地下鉄御堂筋線「梅田」の南側改札の前の広場/要するに『梅田地下オデッセイ』の主要舞台である)に出たら、
 「オ**コ、オ**コ、オ**コ、オ**コ……」
 と、猛烈な勢いでの連呼が響いている。
 何かと思ったら、白っぽいポロシャツ姿の青年が大声で4文字連呼しながら歩いているのであった。
 困ったことに、おれの進行方向と一致している。
 少し距離を置いて歩く。地下鉄に沿った東側通路を歩き、中ほどの改札前をJR大阪駅方面へ去って行きはった……。
 明日は我が身か。
 おれの場合は3文字連呼だろうけど。
 15時30分頃の出来事である。
 なんだか疲れた。
 夜はビールを少し、湯割りを1グラス飲んで、21時前、もう寝るのである。

11月6日(火) 穴蔵
 朝から小雨。
 終日穴蔵。少しは仕事もする……つもりであった。
 あれこれ考えてばかりで、ほとんど進行せず。
 久しぶりに終日机に向かっているが、外がともかくうるさい。
 ベランダから見ると、近くのマンション工事が大詰めで、前の道路を掘り返し、通信ケーブルなどを引き込んでいるらしい。
 
 もと看護学校が賃貸マンションに変貌、ワンルームがほとんどのようである。
 若者がどっと増えそうで、コンビニは大喜びだろうが、SFファンは来ないように。斜め上から見張られる気分になるからなあ。

11月7日(水) 穴蔵/ハチ/ワイルドバンチ
 眠り断続的なまま朝になる。
 迷っていても仕方ないので、時間切れ、ともかく仕上げる。
 午後、自転車で梅田へ。
 ハチに寄る。
 来年「50周年記念」で派手なことやろうといってたのが、計算間違いで、来年は49周年、50周年は再来年(2009年)と判明したのだという。仮押さえしていた某会場に断りの連絡を入れたり、たいへんだったらしい。
 8並びにこだわるから「2008年」が念頭にあったためらしい。ま、いいではないか。おれも雑事が先送りになって、正直ホッ。
 もう、ジャズは惰性で聴きたい心境なのである。
 帰館。
 夕刻、小沢一郎の「やっぱり続投」会見を見る。ふーん。まあまあ面白い。はっきりしたのは「ナベツネの暗躍」である。報道機関のやることか。いつまで生きているつもりなのか、うんざりしてくるぜ。
 姉歯くんの高裁判決、お、帽子かぶって登場したではないか。なかなか渋い。おれも帽子にしようかなあ。
 夜は集合住宅の大規模修繕工事に関する会合出席。
 20時頃から、専属料理人に色々(ポテトのなんとかケーキ、その他)並べて貰ってビール、ワイン少し。
 いい気分で穴蔵に戻ったところへ
ワイルドバンチの庄内さんから電話。
 「『ジョージ・ルイス』を○冊欲しいという方が来てはりまっせ」
 「15分で行きまっさ」
 ということで、自転車で「パンチ」へ。
 ご注文いただいた○藤さん、仕事の関係で全国色々転勤の多い方で、ちょっと話しているだけでも知ってる店や人がゾロゾロ出てくる。
 ジャズの世界が狭いというよりも、類は友を呼ぶのであろう。
 気がつけば23時前。
 酒気帯び自転車で帰館。
 そして書いたのが以上の記事。
 寝る。

11月8日(木) 大阪→播州龍野
 早朝の電車で播州龍野へ移動。
 久しぶりに二日酔いである。ほとんど眠っての移動なり。
 下男モード入りである。
 老母がちょっとした賞を頂くことになり、新聞の地方版に記事が出たので、お祝いの電話が断続的にあり、親しい人の声は聞き取れるらしいが、慣れない人の声は聞こえないらしく、煩わしいことである。
 来月に授賞式。委細はその時に。おれがクルマで連れて行かざるを得ないようである。
 
 夕刻、川沿いの道を30分ほど散歩。
 センチメンタルになるぜ。
 早寝。

11月9日(金) 播州龍野の日常
 早寝したものだから、午前2時頃に目が覚める。
 朝まで雑読、眠り断続的。
 午前6時半から下男モード入りである。
 老母の就眠時刻、どうやら日没から2時間後ということらしく、19時に寝てしまった。
 おれもつきあうわけじゃないけど、晩飯がいっしょだと、どうしても早寝になってしまう。
 ということで、そろそろ就眠、21時過ぎ。

11月10日(土) 播州龍野→大阪/北村英治コンサート
 田舎にて下男仕事の後、午後の電車で帰阪。
 夕刻、専属料理人と千里中央、よみうり文化ホールへ。
 
大阪エイジクラブ主催の北村英治ジャズコンサート。
 毎年この頃に行われていて、今年で6回目、北村英治さん「プロ活動55年」というが、本当にお元気である。
 今回は滝川雅弘さんと鈴木孝紀さんを加えての3クラリネット……「ドント・ビー〜」からアンコールの「A列車」まで10数曲、1部2部ともに全曲3クラという徹底した構成であった。鈴木孝紀さんの進境著しい。
 正面中ほどの席で音響も最高であった。

11月11日(日) ラスカルズ・チャペルコンサート
 昼過ぎに出て、JR甲子園口の北・松並町にある甲子園教会へ。
 阪神淡路大震災まで
かめくんが棲息していたあたりである。
 ニューオリンズ・ラスカルズの「チャペルコンサート」。
 ラスカルズは、ジョージ・ルイスの初期の「Vespers」に倣って教会で演奏することが多いが(賛美歌中心/何よりも音響がいい)、今回もそのひとつ。
  
 地域の方を対象にした無料コンサートなので、口コミでの案内だったが、行ってみたら知った顔多数。
 2ステージでは『ジョージ・ルイス』の紹介も兼ねて、小中さんのサワリ部分朗読に併せて3曲、「古い十字架」「バーガンディ」「オーバー・ザ・ウェイブス」、ルイスの葬送場面が特によく、これはしばらく定番になりそうな感じだ。本の完売までは続けてほしい企画である。
 終演後、甲子園口の「押忍道場」なる体育会系居酒屋で小中ご夫妻・藤本ご夫妻とちょっと一杯。
 20時前に帰館。
 先日、新潟?から里芋をまとめて買ったとかで、昨夜が簡易版(レンジで蒸かしただけ)だったのが、本日は里芋コロッケ。結構いけるので、これでワイン。
 NHKスペシャル「ヤクザ・マネー」特集を見る……ベンチャーの資金に流れているというのが眼目だが、うーん、零細タイムマシン業者のおれとしては、借金しての起業という感覚がどうしても理解できない。最低限の設備投資が必要なのはわかるが、基本的に、何かやるのに「人を雇わねばできない」ところに問題ありで、その点では、おれはミートホープの前社長は立派と評価しているのである。

11月12日(月) 穴蔵
 終日、穴蔵にこもる。
 久しぶりであるなあ。
 外出は「自宅」と食事のために往復するためだけで、それもバジャマ(スエットと見分けがつかないようなの/コンビニへも行けないではない)のままである。
 生産的なことはやらず。
 色々本を読み、CDを聴き、DVDを見る。毎日こうだと泣けてくるなあ。
 それにしても……C国との連絡、3万円程度のタイムマシン部品にL/C開設するとはいかなる感覚なりや。手数料でパーではないか。経費の負担についてまたややこしいメールの交換をしなければならぬような。役人国家には困ったもんだ。

11月13日(火) 大阪→播州龍野
 早朝の電車で播州龍野へ移動。
 姫路に近い某駅を通過する時に、いつも気になる会社がある。
 
 社名は「T苦汁株式会社」。たぶん豆腐屋など相手に商売してはるのだろうが、あまりにもストレートな社名で、辛い目に遭うことが多いのではないかと心配になる。
 「海の精株式会社」なんてのもあって、ネーミングは大切である。余計なお世話か……などと愚考するのは、『船場吉兆』の賞味期限偽装事件報道を見るたびに、吉朝さんの名が貶められているような気がしてならないからである。
 「船場吉兆」、屋号を変えた方がいいぞ。たぶんその前に消滅だろうけど。
 下男仕事色々。
 妙な興味から桝添要一『母に襁褓をあてるとき』(中央公論社)を今頃読む。
 桝添氏が介護問題に取り組む原点となったという著作であり、副題は「介護 闘いの日々」。が、いやはや凄まじい、この「闘い」は介護問題との闘いではなく、「長姉A子とその旦那」との「骨肉の争い」がほとんどであって、到底「日本の介護問題」に敷衍されるものとは思えないのであった。
 唯一参考になったのは、通院などの場合のクルマについて「駐車禁止除外指定車標章」が住民票を移さなければ交付されない点で、これはおれも警察で門前払いされた。一応解決策は書かれているが、多少コネがないと難しいのではないか。

11月14日(水) 播州龍野→大阪
 一昨日から晩秋恒例の植木剪定中である。
 
 昼前に終わった。
 さほどすっきりした感じはなく、おれは手入れしないまま雑木林にしてしまう方がいいのだがなあ。
 ただ、唯一ありがたいのは、庭の隅まで掃除してくれる点である。
 ややこしいS字型変形動物は出てこなかったというから、たぶん敷地内にはいないのだろう。初夏に忌避財を撒いてから見てない。来年も啓蟄の頃に撒くことにしよう。
 午後の電車で帰阪。
 夜は集合住宅の大規模修繕委員会。
 見積提出された数社について検討するが……その数字にいちばん「整合性」があると思えた某社、複数の「口コミ情報」からたちまち「脱落」となる。昔の物件に関わる訴訟をまだ色々抱えていること、某コンサル会社が「絶縁」しているとと、営業マンが「抜け駆け」をはかろうとし過ぎることなど。この業界、「評判」が大きく作用するのだなあ。
 食い物もだぞ、吉兆さんよ。

11月15日(木) 穴蔵
 雑事山積。
 忙しい日である……はずだが。
 午前中、市内ウロウロ、梅田〜西天満〜本町と移動したところで昼になり、急いで穴蔵に引き返す。
 13時から守屋武昌の証人喚問の中継を見るためなり。
 が、仕事を中断してまで帰ってきたというのに、散漫にして冗長、途中で居眠りしてしまった。ま、Qちゃんとヌーちゃんの名が出たところは見たけど。
 雑事は明日に持ち越し。


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