『マッドサイエンティストの手帳』790

●マッドサイエンティスト日記(2022年10月後半)


主な事件
 ・KLL例会(21日)
 ・播州龍野いたりきたり
 ・ボンクラ息子の帰還(27日)


10月16日(日) 穴蔵
 野良猫戦線の戦況のつづき。
 1時前に尿意で目覚め、ついでにネコの戦場を見に行く。
 予想通りというか……警告書(チラシ)はそのまま。その横にエサの黒いプラ容器が置かれて、ほぼ完食である。周辺にネコはいない。
  *
 置かれてすぐ食べたのだろう。
 嫌猫派はまだ出現せず。
 帰館して就眠。
 8時頃にまた現場を見に行ったら、公園掃除のボランティアの方々が清掃中であった。
 ゴミは片づけられていて、嫌猫派が出現したのかは不明である。
 チラシ(警告書)は、その剣幕を恐れてか、ボランティア氏もそのまま残している。
 戦況分析には、まだしばらくかかりそうな。
 くどいようが、わたくしはどちらに与するものでもありません。
 愛猫派……孤独な(たぶん)独居老人のささやかな楽しみは容認してあげていいのではないか。
 嫌猫派……明らかに戦略を間違えている。野良を本当に「地域猫」にしたいのなら、市の要綱にある通り、地域の協力が必要で、自治会なりボランティア団体に話すべきだろう。エサやり老人にヒステリックな態度をとっても何も進展しない。
 ウクライナを含む世界がますます見えなくなってくる。

10月17日(月) ウロウロ
 朝だ。浅田飴だともいえず、微雨というか、傘なしで歩ける程度の降り。
 朝、SF友のAさんが近所の公園に来て、近所を散歩することにする。
 変な趣味で、わが散歩コースを歩くのが好きだという(こちら参照)。
 本日は(近所の工事現場は塀ばかり増えて面白くないので)毛馬閘門あたりを見物に行く。
 蕪村の碑を拝み、毛馬閘門を渡り、工事中の淀川閘門現場を遠望。万博までに大型船を通す工事である。
 旧毛馬閘門の「重要文化財」遺跡も歩く。
  *
 月曜午前で人がまったくいないのがいい。
 あと、長柄〜本庄〜豊崎神社に参拝〜A先生の「長屋」を見てから研究所前を通過、梅田でお茶を飲んで解散となった。
 午後は穴蔵。
 久しぶりに1万歩を超えた。

10月18日(火) 穴蔵
 秋晴れである。
 朝、近所の某医院で定期健診。ごく正常な数値であった。
 あとは穴蔵にこもる。
 午後、BSで『突破口』を見る。
 DVDで何度も見ている作品だが、やっぱり見てしまう。ドン・シーゲルの最高傑作であるなあ。
 たちまち夕刻。
 一杯飲んで、早寝させていただく。

10月19日(水) 穴蔵
 秋晴れである。
 朝6時の室温26℃、ベランダは16℃、アメダスは13℃。快適……というより、わたくしには少し肌寒い日である。
 終日穴蔵。
 少しはマジメに机に向かうのであった。
 たちまち夕刻。
 専属料理人が並べた5皿ほどで晩酌。
  *
 四方竹の煮たのがちょっとよろしい。
 酔鯨がほしいところだが、ま、神の河の湯割りでよろしかろう。

10月20日(木) 穴蔵
 秋晴れである。
 朝6時の室温24℃、ベランダは15℃、アメダスは12℃。寒くなった。
 終日穴蔵。
 机に向かって過ごす。
・昼過ぎに相棒の某くんがクルマで近所まで来た。公園横で色々相談。来年あたりから始まる「インボイス制度」についての検討である。
 ウチは実質的に事業は終了しており、某くんが個人事業としてメンテナンスを続けている。これが企業(適格請求書発行業者)から見れば、バーのママと同等に見られるのではないか。相手が「交際」をやめるというなら、それでいいではないか……という当面の結論となる。作家業も似たようなものだろう。それにしても、面倒な(かつ狡猾な)制度であるなあ。
宮本浩志(天五のカラオケパブのママ殺害)にやっと判決。宮本懲役20年。本人は「死刑判決をお願いします(あとは徹底黙秘)」……たぶん控訴、また同じ態度で、鑑定狙いではないか。本人が望んでいるなら死刑にしてやれよ……といいたくもなるぜ。

10月21日(金) KLL例会
 秋晴れである。
 昼前に出て、阪急で三宮へ。
 午後、区民センターでKLL(神戸文芸ラボ)例会である。
 エッセイ・創作の合評会形式であれやこれや。
 面白い話題は色々あったが、特に議論になったのは二つ。
 ひとつは、怪我でベッドに横になったまま痛みに耐えている妻に「飯はどうするんだ」と不平をいう夫……ぐうたら亭主という以上に家事に無関心な夫との生活を、妻視点で描いたスレチガイ小説。読み方が男女で正反対になってしまうほど、その描写が克明である。しかも、よく読めば亭主の行動が、無関心ではなく、どこから手を付けていいのかわからず、迷った挙句の無行動?である伏線もきちんと張ってある。亭主視点と交互に書いたのでは面白くないのも確かだ。これが体験をベースにした作品でないところが恐ろしい。
 もうひとつは、ママ友同士の交流を描く作品だが、ホームパーティを主宰する女性が、親切なのか冷淡なのかわからぬ不思議な行動をとる……やがてその女性が、今問題の宗教団体に所属していることが明かされるのだが……。教団の実名の是非が議論になる。ノンフィクション・ノベルとするかママ友の世界を描く心理小説とするかで、扱いは変るはずだが、作者は、公開することは考えずに体験を書いたという。すると(教団はちがうが)同様の経験をした人が複数いて、これまた恐ろしくなる。
 夕刻帰館。
 いただいた丹波の黒豆でビール。
 今シーズンはもう終りと思っていたのだが……ありがたいことである。

10月22日(土) 大阪←→播州龍野
 早朝の電車で播州龍野へ移動する。
 故郷は緑……雑草だらけなりき。
  *
 実家の庭もひどいが、塀の外の雑草が今年は大繁殖。一歩も踏み出せず。
 シルバーに処理を依頼しているものの、今年はどことも雑草が凄まじくて手が回らず、さらには自分とこの稲刈りなどが重なって、いずれにしても来月後半になりそうな。
 雑草とは別件で、某工務店とややこしい相談事もあり。
 コロナで来る頻度が減った分、播州龍野にもややこしい案件が溜まってきた。
 午後の電車で帰阪。
 久しぶりに姫路駅で「えきそば」を食す。眉村さんの2日遅れの誕生日お祝い?である。

10月23日(日) 穴蔵
 秋晴れである。
 日曜で、梅田はアホがウロウロしているだろう。終日穴蔵にあり。
 ボケーーーーッと過ごす……ように見えるだろうが、残り少ない人生について、考えること多し。
 運動しなければならぬと思い至り、午後、1時間ほど人通りのない工事現場(本日はガーやんもいない)を散歩する。
  *
 豊崎第6架道橋が閉鎖され、北側の線路工事が進行中。
 以前の架道橋通路が、ちょうど新線路の地表部分になる。
 新軌道(ここからトンネルに入りうめきたの新駅)への切替えまであと2ヶ月(12月予定)だが、間に合うのかねえ。
 塀の支柱が建っていて、もうこの位置から電車は見えなくなるだろう。
 散歩道がますます閉ざされていく。嗚呼。

10月24日(月) 穴蔵
 秋晴れ……だったのが、午後は次第に曇ってくる。
 終日穴蔵。
 一応机に向かって過ごすが、アタマの働きも天気同様。ボケが進行しているのである。
 夜、某委員会のzoom会議。
 一応一区切りだが、整理しておくべきことが色々あるなあ。

10月25日(火) 穴蔵
 秋晴れである。
 昼、地下鉄で淀屋橋へ。ここにしかないATMに寄る。
 あと、北浜のモリタ万年筆へ向いかけて、修理依頼するモンブランをバックに入れ忘れたことに気づく。ボケが進行しているのである。嗚呼。
 しかたなく、中之島バラ園を見物。
  *
 秋のバラは少なく、好みの色はほとんどない。
 西天満の路地裏を散歩して帰館。
 久しぶりに7000歩超え。

10月26日(水) 穴蔵/ウロウロ
 秋晴れである。
 終日穴蔵……のつもりだったが、専属料理人が不在、快晴なので、昼間出かけることにする。
 地下鉄で淀屋橋、北浜のモリタ万年筆へ。モンブランを看てもらうが、正常。おそらくインクが古くなっているのだろうという診断である(これは正解であった。帰宅して調べると、モンブランのインク、ビンの底にヘドロ状の塊ができている。5年ほどでこうなるのか)。
 本日も、昨日とほぼ同じコースを、ただし1〜2筋ずらした路地を歩いて、西天満〜扇町公園〜中崎町。
 旧青空書房の近くまで来たので、久しぶりに「シチューうどん」を食べるか。
 と、かね又食堂に貼紙あり、何と閉店である。
  *
 コロナ禍ではなく、親っさんの健康上の理由(というより年齢)らしい。77年間のご愛顧に感謝とある。
 かね又のシチューは幻の味になるなあ。

10月27日(木) 穴蔵
 薄曇り。肌寒い日である。
 終日穴蔵。
 部屋を掃除し、冬仕様に変更する。
 エアコンもチェック。6月25日に冷房に切り替わらず、四方弁に引っ掛かりがあり、手動で切り替えた。暖房に切り替える時もリモコンではうまくいかない可能性があるといわれている。
 幸い「白くま」め、奇跡的にうまく切り替わった。これで来年6月までは使える。ほっ。
 午後、電話色々。
 播州龍野関係のことが明日に集束していく感じ。
 晩酌時にボンクラ息子その1からLINE。クルマでこちらに向かっていて、深夜に到着らしい。
 対応は専属料理人にまかせて、わたくしは早寝させていただく。
 明日は播州龍野行きである。

10月28日(金) 大阪←→播州龍野
 秋晴れである。
 朝からボンクラ息子その1のクルマで播州龍野へ向かう。
 中国道の工事で池田あたりが渋滞したが、2時間で到着。
 実家の外側ではシルバー数氏が雑草処理の最中であった。
 こちらも周辺の整理など。
 雑草は、昼にはきれいに片づいた。
  *
 次は来年の初夏である。
 午後は某所へ行って、実家とその周辺のことについて、色々とレクチャーを受ける。「負の遺産」を残さないために、色々と考えておかねばならぬのだが……播州龍野も「無人の屋敷」と「空き地」が目立ち始めているらしい。
 イオン(大型スーパー)が10月31日で閉店と聞き、見物に行く。
 売り尽くしセールというが、ほしいものは何もなし。
 広大な跡地には、某病院と関連施設が移動してくるらしい。
 だんだん老人の町になっていく。死ぬには案外便利かも。
 15時30分に播州龍野を出て、帰路は池田を避け、山陽道〜新名神〜止々呂美〜新御堂のコースを走り、1時間半で帰宅した。
 夜は盛大にビール、ワイン。

10月29日(土) 穴蔵/ウロウロ
 秋晴れである。
 午前、帰省中のボンクラ息子その1と散歩に出る。
 クルマで来ているのに散歩が好きで、毎日1万歩ほど歩くという。それらな付き合うかと、貨物線、左岸線の工事現視察のあと、十三大橋を渡って、淀川右岸を散策。
 覚えていないというが、3歳くらいまで(西中島に住んでいたので)よく連れてきた場所である。
  *
 (↑ボンクラ息子その1がスマホで撮影)
 十三商店街に行き、丹波できさらぎ漬を購入。
 あと、やまもとでネギ焼きと思ったが、開店までしばらく時間があり、見送り。
 十三大橋を戻って、昼前に帰館。1万歩ちょっとになった。
 昼は天ぷら、蕎麦、きさらぎ漬を並べる。散歩のあとでビールがうまい。
 午後は昼寝。
 ボンクラ息子その1は夕刻に横浜方面へ去る。
 次は年末になるか、来年5月になるか……まあ、わたくしはよろしいが、専属料理人が寂しいことであろう。

10月30日(日) 穴蔵
 秋晴れ。肌寒く、晩秋の気配である。
 ハローウィンで隣国で大事故。大阪でもアホも浮かれ出ているのだろうか。
 老いぼれは出歩かないに限る。
 終日穴蔵にあり。
 生産的なことはできぬまま、たちまち夕刻。
 夜は専属料理人がパエリアを作った。
  *
 ビール、白ワインなどいただく。
 早寝。

10月31日(月) 穴蔵
 秋晴れである。
 終日穴蔵にあり。
 月末の雑事の処理色々。アタマの働きが鈍り、時間のかかることである。
 たちまち夕刻。
 一杯飲んで早寝させていただく。
 無為に過ごした10月が終る。嗚呼。


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