『マッドサイエンティストの手帳』581

●マッドサイエンティスト日記(2014年6月前半)


主な事件
 ・播州龍野いたりきたり
 ・近所ウロウロの日々


6月1日(日) 播州龍野
 播州龍野にて午前6時に目覚める。かなりの朝寝である。
 本日もアタマは使わず、肉体労働に徹する。
 昼前に専属料理人が到着。
 真夏日らしいが、本日のメイン・イベントは畑地の草刈り。去年11月以来である。昨秋は、シルバー人材氏から雑草が伸びすぎを指摘された。
 年2回やる方がいいらしい。
 ということで、今年は自力でやることにする。
 電動草刈り機でなぎ払い、ポリ袋に詰め込んでいく。
  *
 専属料理人に加勢してもらって、(休憩入れて)3時間で片づく。
 枯草と緑の雑草を詰め込んだ120リットル袋が8個になった。
 ああしんど。シャワーを浴びても体が火照った感じ。
 夜は枝豆、ヤッコ、カツ、サラダなどで冷たいビールを飲むが、体は冷えず。
 「枯草熱」であろうか。

6月2日(月) 播州龍野→大阪
 播州龍野、深夜から朝までは涼しいが、あまり眠れず。
 午前6時半に起きる。
 本日もアタマは使わず、肉体労働に徹する。
 庭の除草、屋内、約100畳のうち3割ほどの拭き掃除。
 「別荘」の維持も大変である。
 午後、小型のワゴンに雑草の袋を詰め込み、クリーンセンターに搬入する。
  *
 午後1時からの指定だったので、12:50に着いたら「秤」の前、「赤信号」で10分待機。お役所であるなあ。
 ガバッと開いた深いピットに約15sの袋を投げ込むが、死体の処理をしているような気分になってくる。
 こちらまでいっしょに落ちかけた。
 1度では無理で2往復。約120sあった。
 専属料理人と夕刻に近い電車で帰阪。
 ぐったり。
 明日からそろそろ梅雨の気配らしく、この3日間で片づけたのは正解であった。
 夜は、岐阜の枝豆、とようけのヤッコ、静岡の鰺一夜干し、その他を並べてもらつてビール。
 枯草熱がまだ残っている気分だ。
 明日からドタマが正常に機能するであろうか。とっくにおかしくなってる? その通り。

6月3日(火) 穴蔵/ウロウロ
 穴蔵にてマジメに机に向かうパターンに戻る……つもりであったが、所用あり、昼に出かける。
 阪急夙川へ。
 身内と会い、播州龍野関係のことなど色々と相談する。
 誰かが定住するのがいいのだが、それぞれ事情があるし、はっきりいって「田舎の近所づきあい」は苦手だし、やはり「別荘」として使うのがいいという結論に至る。
 午後、大手前大学へ。
 柏木学長殿(バルザック研究の第一人者にして、わが半世紀前からの友人である)を訪ねる。
 7月に学内のホールで講演をやることになり、その打合せなど。(無料・一般公開の会だけど、照れくさいので、興味のある方はこちらあたりを後日に調べてみてください)
 ついでに近所をうろうろ。
 松並木のきれいな場所で、こういう歩道はいいなあ。
  *
 国道2号線をぶらぶらして、JRさくら夙川から大阪へ戻る。

6月4日(水) 穴蔵/ウロウロ
 終日穴蔵……のつもりであったが、昼前に歩いて梅田へ。
 某デンタルクリニックで口腔内ウィーンウィーン。1時間。
 まっすぐ帰館。
 あとはマジメに机に向かう。
 夕刻から雨になる。
 入梅らしい。
 しばらくは穴蔵に閉じこもることにしよう。

6月5日(木) 穴蔵
 終日穴蔵。
 夕刻のニュース。
「読売のナベツネ(ちゃんと名前を読んでたけど)が……」
 と始まったので、
「死んだか!」
 と画面を見たら、清武との裁判で出廷しただけのことであった。

6月6日(金) 穴蔵/ウロウロ
 終日穴蔵。机に向かう。
 ……のつもりであったが、運動不足なので、昼、1時間半ほど散歩。
 郵便局などに寄り、天五まで歩いて青空書房(新店というか、路地裏の方)に寄る。
 坂本健一さん、
 「こっちに来たら『振りのお客さん』が来はりませんから、さっぱりですわ」
 前回来た時と較べると、床が本で埋まっている。まるでわが穴蔵。
 まあ、お元気で何よりである。
 米朝師匠より1歳年上なんだからなあ。
 帰館、また机に向かう。
 少しはマジメな生活を送っているのである。

6月7日(土) 穴蔵
 終日穴蔵。
 少しは仕事もするのであった。
 午後、心斎橋でODJCのジャズ・パーティあり、専属料理人のみ手伝いに行く。
 夜、ニューサンで合流したかったのだが、仕事片づかず、断念。
 しかし、穴蔵(SF)優先でいくべきであろう。

6月8日(日) 穴蔵
 終日穴蔵。
 少しは仕事もするのであった。
 夕刻に一区切り。
 わ、大阪のジャズ愛好会が本日午後にあったのを完全に失念していた。
 昨日に引き続き、ジャズよりSF優先。
 いいではないか。
 夜は専属料理人に5皿(枝豆、イカ刺し、サラダ、トマトとチーズのなんとか、鮭のかんとか)並べてもらい、ドライゼロ、フランスパン、白ワイン。
 寝る。

6月9日(月) 穴蔵/ウロウロ
 終日穴蔵……というわけにはいかず、昼前に歩いて梅田の某デンタルクリニックへ。
 苦行1時間ほど。
 運動不足なので、書店・CDショップ・ヨドバシなど定番コースを回って帰館。
 午後は曇天から雨という予報は見事に外れ、炎天である。
  *
 蛸も茹だっておる。
 午後、少しは仕事もするのであった。

6月10日(火) 穴蔵/通り魔逮捕/木津市場
 専属料理人がいうに、朝のNHK地方ニュースで、昨年近所で起きた「通り魔事件」の容疑者逮捕が報じられたらしい。
 昨年8月末の事件である。犯人が写っていたのはウチの防犯カメラだけだったので、その後聞き込みなどでたいへんだった。
 幾つかニュースを見たが、報道なし。
 毎日新聞だけが報じているようである。
・「大阪の会社員刺傷:42歳男を殺人未遂容疑逮捕」
 吹田市の無職の男(42)を殺人未遂の疑いで逮捕した。
 昨年8月28日午前0時35分ごろ、北区豊崎5の豊崎西公園で、男性に背後から近づき、右肩と腰を包丁て殺害しようとした。
 男は統合失調症で入院や通院をしている。
 男は事件当時には現場近くのマンションに1人で暮らしていた。
 ……「近くのマンション」とはどこなのか。
 だいたいあのあたりと見当はつくのだが。おそらく当時からタレコミがあって行確してたんだろうけど、こちらもずいぶん協力させられたのだから、報告に来てくれよ、大淀署はん。
 基地の外の住人らしいから、名前を出しにくい事情はわかるけど。
 必要あって、昼前、日本橋の部品屋へ行く。
 運動不足なので、ついでにウロウロ。
 久しぶりに木津市場まで行く。25年ぶりか。
  *
 「新装」されてから初めて。食堂の並びがぶいぶん変わった。
 うどんの「大和」には行列。
 裏側(南海高架側)の居酒屋で海鮮丼を試したが、いまひとつであった。
 ミュージクラフトに寄ってヒーコ。
 難波から地下鉄で帰館。
 本日は6,422歩。

6月11日(水) 穴蔵/逃走経路
 朝、近所の某内科医院で定期検診。血圧正常。
 毎月来るほどでもないのだが、2年前に異変を発見してくれたこともあり、ま、腐れ縁というべきか。
 終日穴蔵。
 昼、専属料理人と近所の某酒店にビールを買いに行く。
 と、酒屋の兄ちゃん、地域の情報通で、昨日逮捕された「通り魔」について、詳しい情報通を教えてくれる。
 「潜伏先」はやはりおれの推測通りであった。
 午後、散歩をかねて、通り魔の逃走経路をたどる。
 わが穴蔵から見える古アパート(むさしくんが見て「一度住んでみたい」といったが)の横に路地がある。
  *
 路地の奥、左側へ幅1メートルほどの抜け道があり、そこを抜けると、新御堂に面した普通の路地に出る。
  *
 地元の人間でもほとんど知らない抜け道である。
 「通り魔」はこの一角に潜んでいて、1月後に転居、さらに転居して吹田にいた。
 おれの推測は見事に当たったのだが、建物だけは間違えた。おれの推測したのよりグレードの高い部屋にいたのである。
 ま、しかし、カンは鈍ってないようである。
 日頃からウロウロしてみるものだ。
 夜は集合住宅の某委員会。
 やっかいな居住者が約1名いて、(メンバー諸氏は気の毒がってくれはするが)最終的には理事長たるおれが話をつけねばならず、気が重いことである。
 気分は梅雨空。
 あ、本物の天気も梅雨か。

6月12日(木) 穴蔵
 終日穴蔵。
 朝、1時間ほどで昨夜の委員会の議事録を作り配布。
 あと、気力が萎えて、本を読んだりDVDを見たり、ボケーーーーツと過ごす。
 来週以降の下調べである。
 昼、自宅ベランダのなんとかいう花を愛でつつ缶ビール1個。
  *
 たまにはいいであろう。

6月13日(金) 穴蔵/SF検討会
 定刻午前4時に目覚める。
 曇天の朝は(東向きの部屋の住人には)涼しく快適である。
 朝のニュース。
 理研の「改革委員会」の報告内容が報道されたが、「解体」まで提言とはすごいね。
 笹井くんの運命やいかに。
 終日穴蔵。
 雑事色々。3割は集合住宅関係のことで、面倒になるなあ。
 本日は専属料理人不在。
 午後、近くの食品スーパー「サボイ」へ行こうとしたら、南隣の中華店「聚香園」のおっちゃんがランチ終了、片づけ中である。
「夕刻に取りに来るから、何品か作っといてくれへんか」
「近くやったら持っていきまっせ」
 ということで、たいした金額でないのに、午後5時に、中華風ヤッコ、ピータン・冷菜などオードブル、小エビの唐揚げなどを皿に盛って届けてくれた。
 この店、普通の食堂だったのが、去年から経営が変わった。新御堂東の、昔から利用している「菊華」(こちらはちと味が落ちた)の流れをくむらしいのである。
 安くて旨い「聚香園」に栄光あれ。
 ということで、中華ケータリングとほぼ同時に、かんべむさし氏が焼酎ぶらさげてやって来た。
 久しぶりに定員2名内容非公開のSF検討会を開催する。
 ビール、焼酎水割り飲みつつ、あれやこれや。
 論文と小説/リアリズムと想像力/理系と文系/笑わんやつとアレルギー体質/その他色々……気がつけば3時間半経過。
 こんなことを飽きもせず40年近く続けているのであるなあ。
 片づけて寝る。

6月14日(土) 穴蔵/幻のモリミノル作品?
 定刻午前4時に目覚める。
 気分爽快なり。
 終日穴蔵。
 本を読んで過ごす。
 たちまち夕刻。
 夜は、枝豆でビール、専属料理人が「3日ほど漬けたり寝かしたり、色々手間をかけた」という牛肉赤ワイン煮込、温野菜、トマトサラダ、フランスパンなどで、中本酒店で買った金印の千円ワイン、さくらんぼで仕上げ。
 と、兵庫在住のNULL時代からの知人から電話。
 「小松左京の幻のデビュー作」が発見されたという。
 共同通信が配信したこの記事らしい。
 しばらくして、某方面から、詳しい資料が届く。
 これから精読することに。(※)

※モリ・ミノル名の前に本名の小松實(実)名で発表された作品(マンガ)が数編ある。
 今回発掘された『怪人スケレトン博士』は昭和23年9月発行。
 『第五実験室』(未発見)が昭和23年頃といわれ、こちらとの前後関係はまだ不明。
 『大宇宙の恐怖・アンドロメダ』の刊行も不明。
 いずれも三高入学から半年ほどの作品。今のところ、『怪人スケレトン博士』が最初の作品とみていいようだ。
 某資料(いずれ発表されると思う)では、描かれた人工地震装置と、当時の実家工場の設備(写真あり)の比較まで行われていて、興味は尽きない。

※※ 実質的な発見者は筒井研究3人男のひとり、尾川健さんのようである。こちらの記事が詳しい。(2014.6.19)

6月15日(日) 穴蔵/ウロウロ
 定刻午前4時に起きて、少しは仕事もするのであった。
 運動不足なので、昼を挟んで梅田ウロウロ。
 ジュンクドー〜紀伊国屋〜ヨドバシ〜ステーションシティ「風の広場」の定番コース。
 ちょっと確認したいこともあって、桜橋まで。
  *
 ある作品の舞台にした場所。かたちになるのは来月あたり。内容に差し障りがあるため、ごく限られた読者用である。
 駅前ビル地下に降り「ありらん」(第3ビル)で冷麺。
 ここの麺は黒く、キタ系である。又来屋で食べた味を思い出す(レベルは違うけど)。
 ぶらぶら歩いて14時頃に帰館。
 8,516歩。
 階段ののぼりがつらい。毎日歩かないといかんなあ。


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