『マッドサイエンティストの手帳』533

●マッドサイエンティスト日記(2012年7月前半)


主な事件
 ・加藤平祐ライブ(1日)
 ・大阪←→播州龍野いたりきたり
 ・同窓会(7日)
 ・ジョージ・ルイス誕生日ライブ(13日)


7月1日(日) 加藤平祐ライブ
 梅雨空である。雨が断続的に降る。
 昼過ぎに出て、靫公園東側のガゼボへ。
 加藤平祐さんのライブである。
 正確には「Heisuke & Junnnichiバンド」……加藤平祐さん(cl)のために川合純一さん(bj)がバックを務める。本日は他に石野美恵子さん(p)と佐々木秀成さん(b)。
  *
 7月13日がジョージ・ルイスの誕生日なので、そのプレイベントでもある。題して「昼下りのジョージ」。
 靫公園の緑を背景に、ビール飲みながらジョージ・ルイスのナンバー中心に楽しむ。
 加藤平祐さんは10年前はジョニー・ドッズ・スタイルだったが、ルイス・ナンバーが増えて、(年齢からいっても)ニューオリンズジャズ・リバイバル以前のルイスの雰囲気が感じられる。
 たとえば本日演奏された「バーガンディ・ストリート・ブルース」は、ルイスの一番最初のスタイル(※)(怪我で「休職中」に台所で吹いたというので「キッチン・ジョージ」と呼ばれる)で、これを吹くのは加藤平祐さんだけではないか。
 平祐さんには、転勤で東京に戻ったりせず、大阪に永住してほしいところだ。

 ※この曲の誕生についてはビル・ラッセル「ジャズマン・フロム・ニューオリンズ」に詳しい。ついでながら、本日、会場で「ジョージ・ルイス」の本が「ネットで2万円で出ている」と話題になった。ほんまかいなとアマゾンで調べたら、嘘ともいえない。ドロシー・テイトの方である。あのう、この本はまだこちらで取り扱ってますからね。2万円支払う必要はありません。

7月2日(月) 大阪→播州龍野
 早朝の電車で播州龍野へ移動する。
 5月からゴタついていた書類関係がやっと整って、某登記関係の処理。
 代理人(代書屋にあらず)に書類を引き渡して、やれやれ。
 と思ったら、2時間ほどして、またも電話で「某民票が必要だといわれました」。嗚呼。
 あくまでも噂ですが、窓口がいちばん意地悪な役所は某務局なんだとか。
 あくまでも噂ですが、代書屋の利権保護のために、何かと細かい不備を何度も指摘して受理しないらしい。
 あくまでも噂ですが、ひところは年末の大掃除に代書屋集めて掃除させるのが習慣だったとか。
 担当者の愚痴を聞くと、特許庁の弁理士保護を思い出したりして、むべなるかなと思えてくる。
 姫路往復、なんとか書類を入手。
 午後4時に手交。
 なんとか間に合ったようである。
 ああしんど。
 夕刻、テレビでニュース見ながら、枝豆、その他色々並べて、ひとり酒盛り。
 小沢が離党。
 52人のうち2名がやっぱり出ないと言い出した。ははは。
 離党撤回は「階猛」と「辻恵」。姓名2文字ってのは口先だけの恥しらずか。原敬とか辻潤とか谷敬とか堀晃を見習え。
 珍しくボンクラ息子その1が電話してきた。
 ボ「小沢はどうよ」
 親「好きやないけど可哀想やな」
 ボ「やっぱりそうか」
 親「検察と官僚の高笑いが聞こえてくる」
 ボ「アメリカも」
 親「そやろなあ」
 どじょう(大ナマズに見えるが)の「ウソもつき通せば真実」作戦と小沢「悪相・隠し子・三行半」キャンペーンが功を奏して、「野田さん、あんなに一生懸命やってるのに」ムード醸成に成功したってとこか。
 官の洗脳、恐るべし。

7月3日(火) 播州龍野→大阪
 定刻4時に目が覚める。
 播州龍野の室温27℃で快適である。
 が、午前5時から激しい雨となった。大雨・洪水警報が出ている。
 どうなることやら。雨は断続的である。
 門扉のそばで凌霄花が開花している。
 
 亡母の好きな花である。毎年、この花が咲くと、熱いお茶を麦茶に切り替えた。
 センチメンタルになるぜ。
 午前9時から、某役所、金融機関、某事務所、タイムマシン格納庫などウロウロ。
 昼過ぎに片づく。
 夢前川、市川の増水で、電車が遅れるか……たぶんもう一泊と思っていたら、15時過ぎに雨はやみ、天気は急速に回復。
 夕刻の電車で帰阪する。
 帰阪しても専属料理人は不在。
 相変わらずのメニュー並べて、ひとり酒盛り。
 久しぶりに森山・竹田・井野トリオのスタンダードを聴きつつ。

7月4日(水) 穴蔵
 朝だ。
 「何があったの」というのは35年ほど前に森永ひさしが歌った名曲だが、喜多はんとか雫石はんの書き込みを見ると、昨夜、何があったのと訊きたくなる。
 要するに「あと一球のところで阪神タイガースが『振り逃げ』で逆転された」ということらしい。
 おれはナベツネの暴言以来、職業野球に興味を失って久しいが、真弓の現役時代(阪神時代)、真弓の振り逃げ(昔は「食い逃げ」といってたなあ)でサヨナラ勝ちしたのを覚えている。あの時の相手は広島ではなかったっけ。
 阪神はサヨナラ負けでなかっただけ、ましではないか。
 いいではないか((C)眉村卓)、そういうものだ((C)ヴォネガット)。
 梅雨晴間である。
 専属料理人(兼洗濯婦兼掃除婦、要するに女中)不在につき、久しぶりに朝から洗濯。
 ベランダに干す。
 おや、緑のカーテンが食べ頃である。
  *
 ゴーヤチャンプルで焼酎を飲みたいが、わがレパートリーではないし、一人前だけ作るのも寂しいメニューだしなあ。
 久しぶりに穴蔵にも掃除機をかける。
 あとは本を読んで過ごす。
 梅雨の中休みということでよろしかろう。
 明日は(仕事はしないけど、ピンカラから声がかかったので)夜遊びの予定である。

7月5日(木) 穴蔵/夜を歩く
 朝刊に芥川賞・直木賞の候補作発表。
 おおっ、宮内悠介『盤上の夜』が直木賞候補になっているではないか!
 今の選考委員なら評価は高いのではないか。期待できるぞ。貫井さんにも期待するが。
 梅雨空である。
 終日穴蔵。気分が沈みがちで、生産的な仕事はできず、本を読んで過ごす。
 夕方、雨がやんだので出かけることにする。
 丸善&ジュンクドー経由、梅田まで歩き、ツタヤにDVDの返却。
 扇町公園〜天神橋商店街を歩いて、マーガレットへ。
 白木くん、なんと7月28日に吹田市立博物館でジャズ・ライブをやるという。加藤平祐さんも参加。吹田市立博物館も「小松左京展」以来、イキなことをやり出したなあ。
 とん平でハートランドビール。
 また天神橋商店街を南下。
 
 天神祭が近く、飾りも華やかになってきた。
 堀川神社を西へ。
 久しぶりにハチに寄る。
 今年の山下洋輔ソロは8月18日(土)である。チケット2枚を確保。
 21時前にニューサントリー5へ。
 マホガニーホール・ストンパーズの出演日である。
 
 川合純一さんのバンジョーの1.5メートルのところで聴く。
 カツサンドで水割り。
 マホガニーホール・ストンパーズは9月にピンカラの地元・有田川でコンサートをやるという。それに関する打合せもちょっと。
 最終ステージまで聴き、歩いて帰館、23時半となる。
 1万歩は超えただろうと思ったら、本日は9,673歩であった。

7月6日(金) 穴蔵/ウロウロ
 梅雨空である。
 相変わらず、気分が沈みがちである。
 朝、近所の某医院へ定期検診に行く。血圧は正常であった。
 午後、心斎橋のシオタデザインオフィスへ行く。
 本日はSFではなくJAZZ関係のことの打ち合わせ。
 秋口にまた面白いことがある予定なり。
 東急ハンズなどウロウロして帰館。
 蒸し暑く、ひどく汗が出る。
 夕刻シャワー。
 ランチが「カツ丼+うどん」のセットだったので、なかなか空腹にならず。
 20時過ぎに(専属料理人不在につき)シンプルな小皿(ヤッコ、だしまき、トマト)を並べてビール。
 早寝するのである。

7月7日(土) 同窓会
 午前4時にとつぜんの雷鳴で飛び起きる。激しい雨。
 天候不安定であるなあ。
 終日穴蔵。
 たいして生産的な仕事はできず。
 夕刻這い出て梅田へ。
 お初天神に近い居酒屋で久しぶりの同窓会(大学時代/機械工学科のグループ)を行う。
 11人いる。
 飲み放題のコースであるが、全体に酒量は落ちているなあ。
 2時間ほどの宴会のあと、殊勝にも全員でお初天神にお参りして長命祈願。
 あとゾロゾロとキタ新地の某店へ移動して、ダラダラとハイボールを飲む。
 
 皆、ジイさんになったなあ。それでも5時間でフルマラソンを走りきるのまでいるから、たいしたものだ。
 深夜の帰館。

7月8日(日) 穴蔵
 終日穴蔵。
 やや二日酔い。
 だらしなく寝転がって、本を読んで過ごす。
 夜、DVDで『嵐を呼ぶ男』を見る。それこそ半世紀ぶりではないか。(『銀座の恋の物語』がユニークなジャズ映画だったので、こちらも再度見たくなったのである)
 なんと、これは、ジャズ映画ではなく「母子の和解」の物語なのであった。
 封切時(中学時代)に映画館で観た記憶では、ドラム合戦がクライマックスと思いこんでいたのである。
 クライマックスは「弟」のシンフォニック・ジャズ・コンサートなのだった。白木秀雄が叩いているのもいい。
 記憶は当てにならんものだなあ。
 金子信雄の悪役ぶりだけは『仁義なき戦い』にいたるまで変わらない。たいした役者だぜ、山森親分。

7月9日(月) 穴蔵
 快晴である。
 天気予報によれば梅雨明けではないらしい。
 別に本格的夏の到来を待ち望んでいるわけじゃないけど。
 終日穴蔵。
 資料的な本を読んで過ごす。
 夕刻、専属料理人が実家から帰館。
 ということで、夜は久しぶりにまともな晩酌。駿河メニューがメインなり。
  *
 枝豆、桜エビの掻き揚げ、ドロメじゃなかった生シラス、ゴーヤチャンプル(ベランダ産)、わさび漬け、トマトサラダなどでビール。
 早寝するのである。

7月10日(火) 穴蔵
 わ、早寝したら、午前1時に目が覚めて、眠れなくなってしまった。
 本を読んでは仮眠の繰り返しで朝になる。
 『しずおかSF 異次元への扉』など。
 7月に入って、だんだん夜明けが遅くなっていくのが実感できる。
 本日も晴れ。
 東から直射光が射し込み、たちまち30℃を超えるが、むろん扇風機だけで過ごす。
 終日穴蔵。
 タイムマシンの海外関係を含めて、やたらメール連絡の多い日である。
 たちまち夕刻となる。
 この3日間、明らかに運動不足。本日の歩行計表示は0歩である。嗚呼。
 夜は、昨夜に引き続き駿河メニュー(黒はんぺん、しらすおろし)など中心にビール。
 あと、揖保乃糸に野菜の冷パスタで白ワイン。
 
 たまらんなあ。
 早寝するのである。
 明日こそホリは歩く…つもり。

7月11日(水) 穴蔵
 わ、早寝したら、またも午前1時過ぎに目が覚めてしまった。
 朝まで読書と仮眠の繰り返し。
 で、結論のみいえば、終日穴蔵。
 資料を読んで過ごす。
 本日も歩行計表示は0歩なり。これで4日、ほとんど歩いていない。
 ま、明日は用事があるから歩くけどね。
 ニュース雑感
 富田林で少年8人逮捕。老人に集団で殴る蹴るで重傷を負わせた。動機は中学卒業の「思い出づくり」だと。
 おれは、フレドリック・ブラウン『交換殺人』を思い出した。
 交換殺人というアイデア(動機の隠蔽)はハイスミスの『見知らぬ乗客』が先かな。ただ、ブラウン作品の凄いところは、犯人同士が「信頼関係」(先にどちらかが実行したのに、後のやつが実行しない可能性がある)を作るために、ふたりで見知らぬ浮浪者を「バールのようなもの」で殴り殺す場面である。
 共犯者になることで信頼関係?が築かれる。戦慄的な場面である。
 富田林のアホどもも、生涯にわたる共犯意識を共有しようとしたのであろうか。

7月12日(木) 穴蔵/ブリーゼ
 わ、早寝したら、またも午前1時過ぎに目が覚めてしまった。ここんとこ、こればっかり。
 朝までレム睡眠。ソラリスの夢を見る。
 未明から激しい雨となる。
 が、9時前に雨はやんだ。
 穴蔵にて雑事色々。
 昼前に出て、書店、ヨドバシなどを巡り、駅前ビル地下の某店で激辛カレーの昼食。
 かんべむさし氏と合流して、サンケイブリーゼへ。
 7月16日の小松さん追悼イベントに関わる準備作業である。
 わしら二人の担当事項は問題なく完了。
 さあ、あとは当日だ。
 ブリーゼ内には米朝師匠のポスターが目立つ。
  *
 8月1日〜「桂米朝展」(無料!)で、米朝アンドロイド登場だからなあ。
 歩いて帰館。
 7,232歩。健康的ではあるけど、蒸し暑くて、下着などぐしょぐしょ。
 シャワー。
 夜は普通のメニュー(枝豆、焼き茄子・オクラ、黒はんぺんなどの串揚げ、サラダなど)並べて、盛大にビール。
 早寝するのである。

7月13日(金) 穴蔵/朝の「聖痕」/ルイス誕生日
 わ、早寝したら0時30分に目が覚めてしまった。
 このパターンはなんとか変えねばいけない。
 自宅からシーバスを持ってきて、トミフラ師匠を聴きつつ、チーズで水割り2杯。3杯だったかな。
 午前2時頃に就眠……と、目覚めれば午前7時であった。
 不摂生はするものだ。
 で……「朝の『聖痕』」を目撃する。
 今日から朝日新聞で筒井康隆の最後(かもしれない)の長編『聖痕』が連載開始だが、そのことではない。
 穴蔵から自宅へボトルを戻しに移動する途中で「聖痕」を目撃したのである。
 「ラセン・カイダンのひとつの聖痕」
 詳述はしたくないが……「それ」は螺旋階段の中層階部分に盛り上がっていて、あやうく踏みつけそうになった。たかっていた蠅がいっせいに飛び立つ。夏場だから早くも……
 断じて犯人はおれではない。
 廊下ではないから、内部の住人が「間に合わなかった」からとも思えないし。
 うーん。
 管理人はすぐ掃除するというが、おれは、泥棒の被害がないか調べて、場合によれば「証拠保全」すべきではないかと意見具申する。子供の頃、近所に泥棒が入った時に、警察が近くで「それ」を発見して持っていったことを記憶しているからである。
 泥的の例の習慣は今も生きているのだろうか。
 留守宅が狙われたのであれば、被害の判明は遅れるだろうしなあ。
 結局、管理人は警察に通報することなく掃除してしまったが。
 13日の金曜日だけのことはある。
 終日穴蔵。
 本日は食欲がないよ。
 夕刻這い出て、靫公園東側のガゼボへ。
 ちょっと早めに着いたので、小雨の靫公園を散歩。
  *
 公園には誰もいない。
 バラ園も覗く。まだだいぶ咲いていた。
 19時からガゼボで、河合良一さん中心のメンバーで内輪のコンサート。
  *
 本日はジョージ・ルイスの112歳の誕生日なのである。
 「今日こんなコンサートやってるのは世界でもここだけだろう」
 確かに、コルトレーンの命日とはちがうからなあ。
 加藤平祐さんも参加。2clによるバーガンディ・ストリートがたまらない。
 22時まで。
 深夜近くの帰館となった。

7月14日(土) 穴蔵/市立科学館/創サポ
 曇天なり。
 穴蔵にて鬱々と過ごす。
 運動不足である。
 午後、降雨の気配がなくなったので、中之島の市立科学館まで歩く。
 7月21日の「小松左京ナイト」の打ち合わせなり。
 夕刻、上映が終了したプラネタリウムで映像チェック。
 おれの提案で作ってもらったCG映像は2点。ドームに映してみて、その予想以上の大きさに驚く。
 当日まで非公開だが、衝撃的な映像である。
 福江純さんの指導で作られた動画も、めまいがしそうな迫力。
 「これなら当日はしゃべらなくてもいいな」ということになる。
 市立科学館から中之島を天満のエル大阪まで、土佐堀川沿いに歩く。
 創作サポートセンターの講義。
 提出作品4編。メルヘン、ちょっと不思議なミステリー、奇妙な味の短編、ミリタリーSFと、それぞれに面白い。
 帰路のみ地下鉄利用。
 本日は1万歩をちょっと超えた。

7月15日(日) 穴蔵
 終日穴蔵。
 昨日の反動で歩くのが面倒になり、本を読んだりDVDを見たり。
 久しぶり(半世紀ぶり)に『勝手にしやがれ』を見たが、タバコの吸い過ぎだぜ。
 ジーン・セバーグまでがベッドでタバコを持ったままイチャイチャするものだから、おいおい灰が落ちるぞと気になって、落ち着いて見てられない。洋の東西を問わず、60年代の作品、よくタバコを吸うなあ。
 午後は炎天になる。
 近くで鉦太鼓の響き。
 豊崎神社の夏祭りで、子供みこし、山車が巡回、すぐ東側の会館が休憩場所になっているのだった。
 
 ボンクラ息子がこれに乗ってたころから、もう四半世紀経つのか。
 まあ、炎天なによりであった。こんな時に降雨を期待するほど、おれもひねくれてはいないのである。
 夜、専属料理人が並べてくれた小皿でチェット・ベーカーりビール飲んで早寝。
 さあ、明日は「宇宙の知性と融合した“うかれ”小松左京に出会う会」である。


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