HORI AKIRA JALINET

『マッドサイエンティストの手帳』84

●森山威男研究会・第1回総会


新宿ピットインで久しぶりに森山威男カルテットのライブがあった。そこで秘密結社【森山研】のメンバーが集合した。結社員全員が顔を合わせるのははじめてである。こうして公開してしまった以上、【森山研】は秘密結社ではなくなってしまった。

 10月30日(金)午後7時頃に「森山研」メンバー4人(東京2名、大阪2名)新宿ピットインの階段下に集まる。7時半頃に予約組の「呼び込み」が始まる。残念ながら最前列は無理であったが、まあまあ早い方である。
 入ったとところに森山さんが立っていたので驚いた。
 「やあ、出張のついでですか」「何いうてはりますねんな、全員わざわざこの演奏のために来たんですよ」「じゃあ、ぼくといっしょだ」
 演奏開始は午後8時。
 メンバーは森山威男(ds)、井上淑彦(ts,ss)、伴田裕(ts,ss)、田中信正(p)、望月英明(b)
 1st ステージ。
 「新曲」……のっけから全開状態。「森山研」バンマス説では「ナノ・マシン#1」という曲だろうという。1ステージ目の途中で森山さんは何かしゃべろうとして息が絶え絶えで、メンバー紹介のみ。曲名の紹介はなかったのである。
 「遠く……」……おなじみの美しい旋律。2ソプラノ。井上さんがソプラノを吹いたのはこの1曲だけだった。
 「サンライズ」……森山さんの息切れ(しゃべりの方)にもかかわらず全力疾走。そのまま休憩。

  off
 左から望月さん、井上さん、田中さん。ドラムはステージ左端で、カメラの視覚には入らなかった(音のしないストロボなしのデジカメとはいえ、皆さんのじゃまをしてまで構える気はないのである……**最後に注記)
 2nd ステージ。
 「ta-ke」
 「gratitude」……井上さんのテナーがすばらしい。
 「マナ」……ピアノとのやりとりに昔の山下トリオ時代を思い出す。
 「hush-a-bye」……やっぱりこれが聴けないと。
 アンコール
 「good-bye」
 ……後ろの席に宮崎の斉田輝彦さんがいた。昨年浜松で会った元スッチーSちゃんのダンナである。いっしょに大分から来たという隣の人を紹介してくれる。なんとKちゃんのダンナである。簡単に説明すると、昔、山下トリオのマンスリー・コンサートが大阪の「インタープレイ8」で行われていた頃、常連にSちやんKちゃんという人気スッチー2人組がいた。救命胴衣の付け方実演が(当然ながら)うまくでバカウケだった。……このふたりがともに九州男にさらわれてしまったのだから、ハチの男がだらしないのか、九州男が凄いのか。ダンナ同士も友達で、今回はダンナだけが来たということらしい。
 われわれは「森山威男研究会」を作りましたと紹介すると、九州勢は「森山威男保存会」を結成しているそうである。むむ、やるなあ。
 「研究会」と「保存会」は今後の協力を約束する。
 夫婦揃っての「追っかけ」は各地にいるらしい。インターネットで知り合った浜松の内山淳平さんご夫妻もそうである。内山淳平さんのホームページには、浜松でのコンサートの記録が掲載されている。奥様は感動のあまり「(森山さんは)命を削って演奏している」と評されたそうである。
 これは森山さんの御尊父が「威男、おまえあんなに頑張って大丈夫なのかい」といわれた気持ちに通じているのだろう。……2ステージ目、最後の方で、森山さんはこんな話をされた。「……そういっていた父が3日前に83歳で亡くなりました。最後に見舞いに行ったとき、こういいました。『威男、わしゃ歯医者が向いてないような気がする……』今更そういわれても戸惑うのですが、ぼくもドラマーに向いていないような気がしてきて、これは今回の演奏が終わってから考えてみたい……」
 天職に決まってますよ。
 森山さんの体力はどうか心配していたら、しばらくして会場の方に出てこられたので、ちょっと挨拶。ディスコグラフィーを作成しているので、ここまで調べたのならお見せしてもいいだろうとコピーを差し出す。
 まだ正規のディスコグラフィーはないそうである。
 やった、われわれが「森山威男ディスコグラフィー」作成第1号なのだ。がんばった甲斐があった。
 ということで、記念写真をお願いする。

  off  off

 左から半魚、ぶる、専務、森山威男、パンマス。「専務」が闇のなかに溶け込んでしまった。申し訳ないので、右はサインを貰うところのスナップをカサプランカ風の色調に加工してみた。これでお許し願いたい。

 本日をもって「秘密結社」活動を終え、正規の研究会としてスタートする。
。 4人で歌舞伎町付近を歩き、台湾料理屋へ。まずビールで乾杯、あとはこれからの研究活動について夜中まで話し合った。

 「森山威男ディスコグラフィー」を以下に掲載します。
 asahi-netの「ジャズ・サロン」に公開していますが、研究会の3氏の同意を得て、インターネットにも公開することにしたものです。

森山威男ディスコグラフィー
 森山威男研究(フィールドワークを含む)はこれからもasahi-netの「ジャズ・サロン」を中心に継続していきます。

** 触れるかどうか迷ったが、やはり一言いっておきたい。演奏中、カメラを構えて終始うろうろしていた女性を見かけたが、どのような資格で入場されているのだろう。いかなる経過で森山さんがいちばん魅力的に見える場所に立つ特権をお持ちなのか。正規記録員の方なら文句をいうのは筋違いだが、そうは見えない。岐阜のスタジオFでも見かけた気がするが、すごく目障りだ。ぼくも写真は嫌いではないし、森山さんが、いやジャズメンが被写体として魅力的であることはわかる。が、あなたは音を聴いているのか? カメラを構えて最前列を横切る無神経さが、後ろの客の気分をいかに害しているか想像できないのか? 数十人があなたを蹴り殺したい衝動にかられているのがわからないのか? 入場料を払って撮影会に来ているというのだったら、黙って立ち去ってくれないだろうか。こちらは音を聴き、演奏する姿を見、汗のにおいを嗅ぎに来ているのだ。あなたの後ろ姿に入場料を支払ったのではない。


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