JALINET JALINET

『マッドサイエンティストの手帳』405

●マッドサイエンティスト日記(2007年7月後半)


主な事件
 ・第41回全日本ディキシーランド・ジャズフェスティバル(22日)
 ・A.P.J.(23日)
 ・神戸新聞文化センター(28日)




7月16日(月) 播州龍野の日常
 台風一過……でもないか。
 午前中の青空が午後には曇り一時雷雨も。
 台風に備えて食材も用意していたから、外出の必要なし。
 炊事以外、終日書斎にて、少しは仕事もするのであった。
 ちと古い作品の再チェック。
 旧作を読み返すのはしんどい作業である。なぜこうもヘタクソなのかと情けなくなってくる。
 いや、実際、法廷で「新人の寄せ集め短編集」で「売れ行きが芳しくなかった」「かなり習作らしきものも入っており」「作品の質的に」どうか……とまで証言されたほどなんだから。
 これについては反論はしなかった。「ヘタクソ」といわれているわけで、作者は黙って耐えるしかない。ただし、「寄せ集め」というのは姿勢に関わることで、この一言だけは今でも許し難いのだが。……ま、女性に「ヘタクソ」といわれるのは堪えるなあ。
 と、嫌なことを色々思い出しつつ、なんとか区切りをつける。
 寝る前に一杯飲むか。

7月17日(火) 播州龍野の日常
 下男仕事(洗濯、炊事、10時過ぎに食材の買い物)以外、書斎にて過ごす。
 少しは仕事もするのであった。
 いつまでも(25年も…)細井恵津子の暴言に落ち込んでいてはいかんのである。
 郵便物を取りに門扉まで出たら、門柱にセミが止まるところであった。
 
 なかなか派手な模様。おとなしいセミである。
 このまま明日には死ぬのかしらん。
 これを忠実に記録すれば「セミ・ドキュメンタリー」……とは笑犬楼様の古いギャグである。
 ま、明朝確認することに。
 ど田舎では、こんなことしか楽しみがないのである。
 本日の夕食メニュー。
 ・枝豆・カイワレとかつおぶしドバドバのヤッコ・鰺のひらき・手作りポテトサラダでビール1000CC。
 老母が(ふだんはNHKばかり)珍しくサンテレでナイターを見ている。
 阪神〜読売戦。
 ・ダニエルの水割りとスルメに切り換えてしばし観戦。
 読売ジャイアンツに知った選手がほとんどいないのに驚く。田舎臭い顔つきの阿部を覚えているくらいかな。
 ナベツネの暴言以来、職業野球に興味を失って久しいが、ナベツネはまだ生きてる……はずだよな。そろそろ潮時と思うが。

7月18日(水) 播州龍野の日常
 下男仕事の合間、少しは仕事もするのであった。
 田舎ストレスが限界。明日は「出所」できる予定である。耐えなければ。
 ミヤケン死す。まだ生きていたのか……というのが正直な印象。
 鬼頭史郎氏のコメントが聞きたいなあ。

7月19日(木) 播州龍野→大阪
 早朝から洗濯など下男仕事。
 昼前に老母をI医院へ定期検診に連れて行く。
 血圧、血糖値などほぼ正常値であった。血圧なんて、おれより低いでないか。
 おれも同じメニューにすればいいのかな。
 午後の電車で帰阪。
 わ、郵便物などどっさり、である。
 雑事を粛々と片づけるのであった。
 専属料理人は東の方向へ行ったまま戻らず、さすがに炊事するのが面倒になり、徒歩3分の凄まじき立ち飲み屋「はなび」へ行って、枝豆・マグロ刺身・こてっちゃんとキャベツ炒めで生ビール2杯。
 夕刊の記事。
 桂小米朝さんが「米團治」襲名という。
 ちょっと意外な感じがしないでもない。が、今の段階で「小」をとるわけにもいかないし、入門時の名前のままというレベルでもないし。
 芸風が変わる転機かな。

7月20日(金) 穴蔵/梅田ウロウロ
 朝から粛々と雑事に勤しむのであった。
 昼過ぎでひと区切りとして、近所のクロネコから発送。
 あと、久しぶりに梅田界隈を自転車で一巡りとする。
 中崎の東海道線ガード下にある「H見」で昼飯。煮魚が食べたかったのだが、表の看板にあるにもかかわらず「売り切れ」とケンモホロロの返答。席を蹴るのもまた後味が悪いことだし、日替わりランチにしたが、店員の応対、甚だ悪し。二度といかないけど。
 「ジャズの専門店ミムラ」を覗くが特段の収穫なし。
 旭屋に寄り、1時間ほど。
 ハチにも寄る。2週間ぶりか。
 マスターの明利くんが、ピーナッツ・ハッコー2度目の来日時のリーダーLPを見つけたとかけてくれる。鈴木章治との2クラ「私は泣いています」とか「ふたりでお酒を」なんて、泣けてくる。……つづいて北村英治クインテットのクラリネット・ムード「霧氷」(←橋幸夫のね)……号泣したくなるなあ。ったく、よく探してくることよ。
 専属料理人、いまだ帰館せず。
 夜は、ボンクラ息子その2が買い物してきて、鉄板焼きと相成った。下ごしらえから、全部やってくれた。
 おれは気楽にテレビでオールスター第1戦見ながら、焼き肉、ビール。
 あと「冷麺」が食べたいなあと思ったら、ちゃんと盛岡冷麺の準備がしてあって(卵はすでに茹でてある)、焼き肉途中から寸胴鍋で湯を湧かしはじめるという手際のよさ。マメであるなあ。専属料理人の血筋か。
 ということで、冷麺・焼酎水割りで仕上げ。
 寝る。

7月21日(土) 穴蔵/西長堀/新世界
 定刻午前4時起床。
 4時45分にボンクラ息子その1に電話する。昨夜モーニングコールを依頼されたいたのである。始発ののぞみで名古屋経由、またも紀伊勝浦へ向かうという。がんばっておるなあ。
 こちらも朝から穴蔵にて黙々と雑事の処理。
 9時過ぎに西長堀の市立中央図書館へ行く。……中央図書館、なぜか金曜が休館日で、これは意外に不便である。週末に本を借りて、土日は家にこもるというパターンの市民は多いのではなかろうか。
 昼までで終わり、ナンバに出て、日本橋を歩く。
 ニノミヤムセンはやはり閉店している。風蕭々。嗚呼……。
 新世界まで歩く。
 串カツ屋に相変わらずの列、ただし新規オープン店は苦戦のようである。
 やまと屋2号店で生ビール1杯……のつもりが、2杯飲んだら小ジョッキ・サービスというので、結局2.5杯飲んでしまう。ゴーヤチャンプルと鉄火。
 まっすぐ帰館。
 近所の公園、居住者某氏の飼い猫扱いのトラ、某氏の「ベッド」の下に常駐していて、時々鳩を狙うのだが、成功したのを見たことないなあ。
 
 穴蔵にて、雑事の続き。
 専属料理人いまだ帰館せず。
 夜は本日もボンクラ息子その2の調理で、ヤッコ、マグロステーキ、アスパラ炒め、野菜4種にハム・タマゴ入りサラダ、パスタでビール、ワイン。
 皿洗いしていたら、サッカーはPK戦になっている。22時を過ぎてしまった。眠い。

7月22日(日) 第41回全日本ディキシーランド・ジャズフェスティバル
 蒸し暑い日である。
 11時前に三宮から歩いて兵庫県公館へ。
 第41回全日本ディキシーランド・ジャズフェスティバル。
 本年度は格調高き「迎賓館」ホールで開催である。
 最初はN.O.グローリーランド・ジャズバンドで、ジャスト、1曲目の生きのいい演奏に間に合った。
 
 引き続き……
 ディキシーランド・ハートウォーマーズ。
 花岡詠二さん中心のジャパン・オールスター・キャッツ。
 一番迫力のあるマホガニーホール・ストンパーズ。
 岡山からのディキシー・ブレンズ。
 マグノリア・ナチュラル・フレイバーズ。
 そして、14時過ぎて、ニューオリンズ・ラスカルズ+レッドビーンズの池本さん(tp)。
 ……20年前だと演奏曲目はメモなしでちゃんと思い出せたのが、ボケ始めていて、もうダメ、4、5時間経つと、いい演奏だったということしか思い出せない。嗚呼。
 ここでジャズ友数氏と近くのパーラーへ。
 16時前に近くの神戸栄光教会へ移動する。
  
 ラスカルズによる「夕べの祈り」……震災後、新しくなった教会で、PAなしで音響が素晴らしく、最前列・最高の席で聴けた。ラッキーな日である。
 17時終了。
 元町の「エビス本店」で5人でビール。
 安いビアホールだが、なんとBGMが(たぶん有線で)ディキシー・ニューオリンズが流れている。店の雰囲気は年寄り向けではないのだが。これまたラッキーな。
 2時間近くガヤガヤやって、Kさんにご馳走になってしまった。またまたラッキーな。
 20時過ぎに帰館、こんな日はツキを落とさないために入浴はしない方がいいのだが、昼間の汗と蒸し暑さに、さすがのおれもシャワーを浴びるのであった。
 米朝師匠が見たくなって「らくだ」のビデオを探すが見つからず、たまたま出てきた「愚兄愚弟」を水割り飲みながら見る。久しぶりに見る千葉蝶に思わず笑ってしまう。気がつけば深夜。

7月23日(月) 穴蔵/梅雨明け/A.P.J
 穴蔵にて粛々と雑事を片づけるのであった。
 おれだって、やる時はやるのである。
 専属料理人いまだ帰館せず。
 「普通の昼飯」が食べたくなって、昼は自転車で天五の田舎家食堂へ行く。
 刺身、だし汁巻きなど並べて普通の昼飯。
 曇天だったのが、昼頃から急に晴れてきた。明らかに梅雨明けである。
 
 扇町公園を抜けて帰館。公園には誰もいない。結城昌治。
 夕方までまた雑用を片づける。
 夕暮まで。淳之介。
 薄暗くなりかけた頃に、自転車で桜橋、「Mr.Kelly's」へ。
 本日は難波弘之さん率いる……ではなく、参加か、要するに「A.P.J.」のライブなり。昨日の金沢から始まるツアーの2日目である。
 昨日がトラディショナル・ジャズで今日がプログレとは、われながら凄い組み合わせと思うが、ガーンズバックも円城塔、どちらも面白いようなものである。
 演奏開始直前に菊池教授も到着、好きなんだのう。
 右翼・最前列の席……というかドラムを斜め後ろから見るような席である。ここが面白い。
 池永一美さんのドラミングがよく見える。なんという多彩な技の数々……シンバルってこんな風に叩いていたのかと、驚くことばかり。
  
 例によって水野正敏さんのMCがどこへ飛ぶのかわからない迷調子。ゲラゲラ笑っていたら、とつぜん「あ、そういえばライナーを書いて貰ったのだった!」……何のことかと思ったら、おれのことで、2枚目の「Labyrinthos」に拙文を寄せたことを水野さんがとつぜん思い出したのだった。もう5年になる。……ついでに同じテーブルの菊池教授も含めて、どういう論理のつながりか「プログレ好きはどこかおかしい人が多い」と展開……なんやらわからんうちに……「ということで、ちょっと演奏もやりましょうか」
 どこから火の粉がとんでくるかわからんなあ。
 午後10時半まで、「クラゲ注意報」とか「膚の下」などの変拍子に酩酊。
 難波さんと記念撮影。ワールドコンでの再会を約して、明日が早いので、自転車でまっすぐ帰館するのであった。
 シャワーを浴びて、寝酒に水割り一杯。
 と、NHKで雀三郎さんの「親子酒」が始まる……夜更かしのし過ぎなり。

7月24日(火) 大阪→播州龍野
 きちんと定刻に起床。
 早朝の電車で播州龍野へ移動するのであった。
 夏日……いわゆるカンカン照り。
 実家の書斎は30℃で、おれには快適。
 が、午後、タイムマシン格納庫でちょっと作業、こちらはスレート屋根ゆえに、換気してても40℃である。
 ということで((C)APJ水野)……夜のビールの旨いことよ。
 遅寝早起きパターンを早寝早起きに戻すため、そろそろ就眠である。

7月25日(水) 播州龍野の日常
 炎天やまたも鬱期の巡りきて
 粛々と下男仕事をこなすのであった。
 むさしくんの『朝ミラ』をボケーッと聞いていて、本日が天神祭であることを知る。そうか。大阪にいたら花火の音で気づくはずが……。
 天神祭といえば歌やん(先代・桂歌之助)の会があって、花火見ながらビールを飲んだものだが……天神も遠くなりにけり。
 昨日の神戸新聞の文化欄で、歌人の楠田立身氏が老母の歌集『川沿いの道』を取り上げてくださっているのを知る。
 その一部。
 『……歌壇も高齢化して衰えゆく肉体と精神を嘆く歌や老いの寂寥を告白する歌などを多く見てきたが、堀さんの歌にはそのような歌は少ない。独居ならではの恵沢と捉えて明るく歌う。……少女のような文体で展開する抒情は、現実に対して心豊かに立ち向かう生得の姿勢ゆえの所産だろう……』
 ありがたきご高評である。
 そして、おれも老母の姿勢を見習いたいと思う。
 ということで(←くどいようだけど(C)A.P.J.水野正敏)、夜は盛大にビール。少女のような文体はだめだけど、おっさんの酔っぱらった勢いで「現実に対して心豊かに立ち向かう」のである。
 まずは……寝る。

7月26日(木) 播州龍野の日常
 粛々と下男仕事を遂行するのであった。
 合間に、少しは仕事もするのであった。
 昼……たまには外でランチが食べたくなって、老母用に準備したあと、徒歩5分・自転車3分のところにある「とりよしのだいどころ」改め「あの頃」へ行く。
 店名は変わったが店主は同じ。昭和30年代の雰囲気で、普通の和食を出す店。
 ランチ3種で、ちょっと高級路線に変わったというところか。
 おばはん連中がランチ中。
 ビジネスマンのランチとしてはお薦めできない。出てくるまでの時間が長く、ヘタすると30分以上かかるのである。
 ヒマなオバハンが多いはずだ。
 ということで(←くどいようだけど(C)A.P.J.水野正敏)、「あの頃」ランチ、1050円を食す。
 
 レトロな卓袱台で饗されるところがいい。
 味はなかなか。多品種少量、それぞれに手間がかけてある……ただし、くどいようだけど、イラチの人は絶対に行かないように。おれだって2年に1度くらいだもの。
 早さも味のうちである。
 午後も書斎にてボケーーーーッと過ごす。
 夜はシンプルなメニューにて、そろそろ早寝。
 明日は「出所」である。

7月27日(金) 播州龍野→大阪
 午前4時半に目覚める。
 明るくなってきた庭を見れば、老母が草取りをやっておる。
 日の出前の庭仕事は健康上いいことであろふ。おれはやらんけど。
 昼前に助っ人到着、交替して、午後帰阪。
 姫路から山陽〜阪神の直通特急で帰るが、甲子園あたりで車内が騒がしくなってくる。
 そうか、高校野球の前、死のロードへ旅立つ前の玉砕戦があるのか。
 ナベツネに一泡吹かせて……できれば心臓発作でアチラへ送ってやってくれたまえ。
 ということで(←もう(C)水野はやめる)、夜は専属料理人に、枝豆、サーモンのなんとかサラダ、アスパラのなんとか巻き、夏パスタなど並べてもらって、ビール、白ワイン。
 早寝するのである。

7月28日(土) 神戸新聞文化センター
 穴蔵にて、少しは仕事もするのであった。
 午後、神戸・三宮へ。
 Mint神戸の神戸新聞文化センターで高井信さん主催の小説講座を聴講に行く。
 本日のゲストは田中啓文さんで『上手な嘘のつき方』。
 
 前半はデビューまでの体験談、後半はジャンル別「嘘のつき方」……落語調のソフトな語り口だが、内容はかなり過激である。
 勤務しながら小説を書くには何かを犠牲にしなければ時間が捻出できない。最終的には睡眠時間を削るしかない。明け方、眠くなってたらワンカップ・ワインをグイッと飲むと一時的に覚醒する、これを繰り返す。睡眠はなるべく会社でとる……。
 「嘘のつき方」は、時代小説は時代考証、SFは科学考証、ミステリーは警察の捜査手順、ポルノは「決まりごと」など、その「手間のかかる部分」と「想像力による展開」との折り合いのつけ方について色々解説。SFに関しては、後ろの方におれがいるから「ちょっと歯切れが悪いですが」とのことだが、ハードSFの科学考証も「大嘘」をより面白くするための補強材みたいなもので、想像力による面白さを最優先させることではまったく同意見なのである。
 会場には、田中哲弥さん、喜多哲士さん、それに福田和代さんも。
 あと、ゾロゾロと三宮北側の居酒屋へ移動。
 50という形の蝋燭ののったケーキが出てきた。
 本日は高井信さんの50歳!の誕生祝い。
 ……誰もが「50には見えない」というが、まあ、ひとえにその「軽さ」「落ち着きのなさ」ゆえであろう。信ちゃん、本日も席替え指示やら「生ビール以外の人は?」と注文とりなど、せわしないことである。
  
 本日は「ヴィズ・ゼロ」の福田和代さんデビュー祝いも兼ねている。
 了解を得て写真公開。
 じつは福田さんの写真は3年前にHPに載せている。
 大原まり子さんに似た印象の人だが、ますます作家らしい雰囲気になっている。
 枝豆やタコキムチでビール。
 帰館は23時前で、ま、清遊の部類である。

7月29日(日) 穴蔵
 終日穴蔵。少しは仕事もするのであった。
 外出は、朝、参議院選挙の投票に行ったのみ。
 専属料理人は例によって選挙の立会人というのをやっとるので、朝7時前から不在である。
 昼食、夕食ともに冷蔵庫をゴソゴソしての粗食。
 夜、ヤッコとトマト、筑前煮など並べてビールを飲みつつ、開票速報を見る。
 本ブログでは、あまり政治的なことは書かないことにしているのだが……
 自民「大敗」の様相……これは意外である。
 マスコミ報道は自民のボロ負け一色であったから、こういう場合、報道ほどの大敗には至らず(まして政権交代させたい野党ってのもないわけだし)、マスコミ報道は与党に過半数維持させたいがための作戦ではないかとまで予想していたのだが、どうやら外れたようである。
 現時点では虎之助が落ちたらしい。ははは。
 あとしばらく見て、早寝することにする。

7月30日(月) 穴蔵
 終日穴蔵。
 こつこつと仕事をするのであった。
 自民の「歴史的大敗」に加えて、午前2時過ぎに小田実が死んでいる。へえ。
 なんの感興もなし。

7月31日(火) 穴蔵
 終日穴蔵。
 ねちねちと仕事をするのであった。
 夕刻に近い時間、少しは体を動かさねばと、歩いて梅田へ。
 月末の雑事など片づけ、ヨドバシでPC関係の雑品購入。
 紀伊国屋を覗く。
 帰路……本格的「立ち呑み屋」を発見。こんな店、前からあったかなあ。
 「本格的」というのは、酒屋の直営という意味である。
 「立ち呑み」の原点は、酒屋で買って、その場で(あるいは店の前で)呑むというスタイル。つまり価格は酒屋の店頭販売価格である。つまみも、そこで売ってるものを買って食べる。酒屋はサービスはしない。場所を提供しているだけ……つうか、客が買った物をその場で飲食するのを黙認しているということである。
 その意味で、立ち飲み屋というのはまず酒屋でなければならない。
 阪急茶屋町口の西側には「明治屋」があったが、今はコンビニ(デイリー・ヤマサキ)……しかし、とうぜん酒もあり、前のゴミ箱に「ワンカップはここへ」と表記してある。つまり、店頭で呑むやつがいるということである。
 くだんの店は、その少し北。
 午後5時過ぎで、まだそんなに客は入ってない。
 が、どうみても「酒屋」……こんな店、あったっけ。
 寄ってみようかと迷うが、まだ仕事あり、近日報告することにしよう。
 ……大阪本町に「みの源」という酒屋があった。
 ビール瓶のケースを重ねた上にベニヤ板を敷いたテーブルで呑む。
 ここは、酒屋としては老舗だったらしいが、バブル後に店を畳んだ。
 立ち呑みということでは、ここが「本格的」だったなあ……っつうか、わが原点である。あと、富山県上新川郡笹津の「村山酒店」というのもあったけど。
 昨今の立ち飲みは、スタンドから椅子を排して客を詰め込んでいるだけのことではないか?
 近日、原点復帰することにしよう。

『マッドサイエンティストの手帳』メニューヘ [次回へ] [前回へ]

SF HomePage