JALINET JALINET

『マッドサイエンティストの手帳』380

●マッドサイエンティスト日記(2006年8月後半)


主な事件
 ・播州龍野の日常(〜19日)
 ・穴蔵の日々(20〜24日)
 ・滝川雅弘ライブ(24日)
 ・上京/谷口英治ライブ(25日)
 ・穴蔵の日々(〜28日)
 ・播州龍野の日常(29日〜)
 ・パソコン破損(30日)



8月16日(水) 播州龍野の日常
 午前2時に目覚める。よく寝た方であろう。
 朝まで読んだり眠ったり。
 雲あり、暑さはすこしまし。
 タイムマシン格納庫で組立作業。午前中2時間。38℃になったところで中止。
 午後は14〜16時、42℃環境で作業、汗噴出、帰ってシャワーと洗濯を同時進行する。
 ということで、夕食。
 ビールがぶ飲み、片づけ終了は19時である。
 健康な生活である。出所まで(たぶん)あと3日。
 もう寝るのである。

8月17日(木) 播州龍野の日常
 台風の影響か、雲あり。
 早朝、下男仕事のあと、タイムマシン格納庫にて作業。
 10時頃に一応終了。あとは特注部品待ちである。
 格納庫の室温は33℃で快適そのもの。
 後は老母を某医院へ連れて行ったり、「懲役」まがいの雑事色々。
 おれが不在の時に届けられたらしい、お盆のお供え?の饅頭一箱を発見、3個が食されたようである。腹が立って、残りを箱ごとゴミ箱に捨てる。
 以前、羊羹もこんな処理したような気がするなあ。
 老人会か婦人会か、そんな団体からの供物らしい。知人とか身内からなら、即座に絶交・義絶である。善意であろうが、アル中患者のいるところへお酒を届けるようなもの。
 それぞれ事情があるのだから、金券を配るのがいいのではないかい。
 田舎ストレス、限界である。
 出所まであと2日。

8月18日(金) 播州龍野の日常
 蒸し暑い中、下男仕事。
 精神的疲労ピークである。ピークを過ぎて、ちとやばい行動に走るのではないかと我ながら心配になる。
 10キロほど南で84歳のババアが亭主を金槌で撲殺……なんとなく気分はわかるのであった。蒸し暑さが引き金なんだろうけど。
 こういう日は冷たいビールに限る。
 日没を待って、シャワーのあと、枝豆、トマト、ローストビーフ、その他色々並べてビール。
 18時からのNHK「ニュース神戸発」の19時前、金曜はトアステ・ライブである。
 畠田隆夫さんなるクラリネット登場。推定年齢50歳くらいか。オーディション合格者という。小曽根実さんとのデュオで「メモリーズ・オブ・ユー」と「小さな花」……音色はなかなか。ただし、BGとサンシャインのコピー。しかしこれから桔梗亮三さんみたいに成長するやもしれず。健闘を祈る。
 ということで、早寝する。
 明日はやっと龍野刑務所から出所である。

8月19日(土) 播州龍野→大阪/沈没/創サポ
 午前3時前に目が覚めた。雨が降っていて、室温30℃、比較的涼しい。
 テレビで『日本沈没』(73年版)放映を思い出して居間に降りる。
 冒頭の20分ほどを見逃した。
 結局朝5時30まで見てしまった。
 33年ぶりに見たわけで、細かい配役など忘れていたから、なかなか新鮮。
 原作に極めて忠実に作ってあるのに改めて感心する。
 こちらの出来がいいだけにリメイク版は意地でも原作から離れなければならなかったのだろうな。
 最初の20分が気になるので、近日DVDで見直すことにしよう。
 身内あり遠方より来るまた有難からずや。
 役務交替。
 昼過ぎの電車で大阪へ移動する。
 夕刻から天満で創作サポートセンターの講座。
 提出作品5篇についてコメント。それぞれ4、50枚の短篇。
 ・未来の大阪を舞台にしたワイドスクリーン・バロック。
 ・ほぼ実用化されかけている介護ロボを使ったミステリックな作品。
 ・メタフィクション的な趣向をこらした恋愛小説。
 ・廃墟となった空港跡に生き残った閉鎖社会を子供の視点で描くSF。
 ・高校卒業から大学入学への端境期に母校を訪れる青春小説。
 こう書くと、それぞれ面白そうな。
 そして、実際それぞれ面白いのである。
 着想やテーマ意識と表現にギャップがあり、そこがかえって新鮮だったり……と、これは皮肉ではなく、アイデアやテーマなど、そのユニークさを本人が自覚していないことが多いのである。ロボットものなど、換骨奪胎して別作品にしたくなるようなアイデア。おれはアイデアを尊重する主義なので、もしそれをやるならアイデア使用料を支払うと伝える。
 高校生の恋愛感覚……これだけはコメント不可能。中学・高校・大学と男ばかりの世界で過ごしてきたから、まったく実感がわかず、観念小説としてしかコメントできないのである。恋愛小説をおれに回してきた事務局判断もある意味ですごいが、作者にしてみれば、リアルな青春小説・恋愛小説を書いたつもりがエイリアンSFとしてコメントされたような戸惑いを感じたかも。ただ、あくまでもエンターテインメントとしての技法を話しているつもりなので、参考になる点を取り込んでほしい。
 午後9時帰館。
 専属料理人に色々並べてもらって、久しぶりにジャズ・クラ聴きながらの晩酌。
 ケン・ペプロフスキー、いいなあ。

8月20日(日) 穴蔵
 ほぼ終日穴蔵で過ごす。
 半読半眠。
 外に出たのは郵便物投函と夕食のみ。
 田舎ストレスはほぼ解消したようである。
 はて……?
 
 公園のホームレス氏のホームに電気掃除機。
 一種の贅沢であろうか。
 犬も飼ってはるし。

8月21日(月) 穴蔵
 昼寝して過ごしたら、本日は定刻午前4時に目が覚めた。
 平日昼間にしかできない雑件がたまっているので、午前9時に出て市内ウロウロ。
 平日昼間となると、医者や歯科へも定期検診でいかねばならぬのだが、面倒なのであとまわし。予定がたたないので、播州龍野での通院の方が便利かなと思えてくる。
 昼前に終了。
 どこかで昼飯……とも思うが、どことも混み出した気配。
 ヨドバシ、紀伊国屋を覗いたあと、梅田のお米ギャラリーでおにぎりを買って帰館。ここのは確かにうまい。
 あとは穴蔵にこもる。
 今週後半は遅めの夏休みということにして、久しぶりにライブ三昧と決める。その日程調整。ラブリーの森山威男クインテットが先週末だったのは残念だがしかたがない。谷口英治の新CD記念ライブがあるが、東京往復を組み込むと強行軍になるなあ。迷うところだ。

8月22日(火) 穴蔵/ミムラ・ハチ・青空書房
 穴蔵にこもる。雑件を粛々と片づけ。
 昼前に、またも炎天下を自転車で出かける。
 昨日の雑用の残り片づけ。
 久しぶりに「ジャズの専門店ミムラ」に寄ったら、23日リリース予定の谷口英治の新譜『Moonlight Becomes You』がすでに入荷していた。さっそくゲット。
 ハチに寄ってランチ。暑いのでビール一杯。まあ雑用はだいたい片づいたからいいであろう。
 ついでに、扇町公園を抜けて、これまた久しぶりに青空書房へ。
 坂本健一さんと雑談していたら時ならぬ雷雨である。
 まるで「墨東奇譚」(墨はサンズイ付き)の冒頭ですなあ、という話になる。
 ……先日の創作サポートセンターでの講義。メタ・フィクションに関して話したのをSさんが創サポのブログに詳しくかつ好意的に書いてくれている。
 この時に引き合いに出した作品のひとつが「墨東奇譚」の終章だったのである。ただ荷風を読んでいる生徒はたぶんいないようであった。
 それが頭にあったので荷風の話になったのである。
 何しろ坂本さんは「墨東奇譚」を新聞連載で読んだ人である。
 ただ、私娼相手ならともかく、驟雨で坂本さんと古書店に閉じ込められたのでは色気がないなあ……。
 雷雨は意外に激しく長く、帰れなくなってしまった。
 コーヒーをご馳走になりながら、谷崎潤一郎と荷風の比較論、小谷野敦の谷崎評伝「堂々たる人生」は安藤武の「三島由紀夫日録」には到底及ばない、康成は好色作家である、晩年の石川淳は世評は高いが言語明瞭意味不明……「確かにいしかわじゅんはわかるけど石川淳はわからんですねえ」「平仮名の人は誰でっか」などと、小降りになるまで2時間近い小説談義。
 16時前にやっと小降りになり、傘を借りて自転車で帰りかけるが……5分もしないうちに晴れ上がってきた。
 
 青空書房を出たら急に青空というのも不思議なものだ。
 天六交差点にて、路面はまだ洪水のあとのごとく。
 夜はビール飲みながら『Moonlight Becomes You』を聴く。
 谷口英治と畑ひろしの共演。谷口英治が久しぶりにワン・ホーンで吹きまくる快演。そのアドリブは華麗にして優雅、変幻自在にして抑制のきいた見事なもの。
 畑ひろしと滝川雅弘の共演も大阪ではよくあり、滝川さんのアドリブはディスコード風でスリリング。この辺も好対照だなあ。
 雷雨のおかげで涼しくなり、谷口英治のクラは心地よく、ついビール飲み過ぎ。

8月23日(水) 穴蔵/夏休み入り
 処暑である。
 定刻より早く午前3時に起床。
 雑件の片づけ。
 6時15分から『朝ミラ』を聞く。中西ふみ子さんが今週から休暇入り。むさしくんの調子、やはり普段と違うようである。中西さんの声のよさを再認識。だいたい毎朝聞いていると、こちらも馴染んでいるのである。
 ということで、中西さんにつき合うわけではないが、こちらも本日から週末まで夏休みとする。
 穴蔵の整理。
 午後、トラディショナル・ジャズの先輩Uさん来穴蔵。
 パソコンを前にあれこれと打ち合わせ。
 UさんはODJCのホームページの開設以来の管理人であるが、重要な務めがあって手が回らず、1年ほどおれが管理を手伝っていたのである。このたび務めを終えられたので管理人に復帰、その引継ぎである。……あ、こんな書き方すると、ムショに入ってはったみたいな印象だな。そして風貌もそう見えないではないのだが、断じてそうではないのである。
 夕方いっしょに梅田へ。
 ODJCのK事務局長と合流、中崎西の居酒屋「大甚」へ移動。
 事務局長立ち会いのもと生ビールと刺身を並べて「管理引継ぎの儀」を執り行う。
 ここはサカナ旨くブタキムチ旨くどて焼き旨い古典的居酒屋であって、考えてみると飲むのは落語関係かトラディショナル・ジャズ関係ばかりだなあ。
 新企画の話などしながら飲んでいたら、わが就眠時刻をとっくにオーバーしている。
 夏休みだからいいか。

8月24日(木) 穴蔵/滝川雅弘ライブ
 午前5時半に起床。よく寝たものである。
 夏休みなので、ほぼ終日、たまっている本を読んで過ごす。
 夕刻、専属料理人と出かける。
 西長堀の市立中央図書館へ。
 「上方落語の文献展示」という企画展があるという記事を読んだので行ってみたのだが、旭堂小南陵氏所有の速記本が十数冊、ガラスケースの中に展示してあるだけであった。
 むろん値打ちのあるものであろうが、3分ほど眺めて終わり。
 わざわざ来るほどのものではなかった。
 難波に移動する。
 ライブハウス「845」で滝川雅弘さんのグループのライブ。
 滝川雅弘(cl)、 須藤雅彦 (gt)、松本敬志(bs)、清水勇博(ds)。
 初めての顔ぶれで、滝川さん以外は23〜26歳の青年である。
 松本青年はおれと誕生日がいっしょで30数歳(ほぼ40歳)若い。嗚呼。
 3人はよくいっしょに演奏しているが、滝川さんとはほとんど初対面らしい。
 
 最初、ちょっとぎこちない感じで、緊張からかなと思っていたら、4曲目「星影のステラ」あたりからがぜん良くなった。
 2ステージ目は(隣のよく喋る客2名、2ステージ目から来た喧しい5人連れの客……この5人連れに対しては、近くの席にいた知人のOさんが「静かにしてください」と注意、おれは拍手したけど聞こえたかな……を除けば)じつにいい雰囲気になった。
 何度か手合わせしていくと、楽しみなレギュラー・メンバーになりそうな。
 22時過ぎまで。
 明日から上京なので、まっすぐ帰館。

8月25日(金) 上京/谷口英治ライブ
 IAUの太陽系の惑星論議、結局、冥王星格下げで決着したようである。
 結論妥当。
 冥王星を舞台にしたSFのほとんどは「太陽系最外軌道」というイメージで書かれてきて、それなりに時代を反映していたわけだから、これはこれでいいのではないか。
 おれもタイトルに冥王星が入った短篇をひとつ書いているけど、カロンが発見されていない時のだし、今や擬古典か。
 惑星の定義問題については、松田先生が現地プラハから中継メッセージを送ってきたり、井田先生の解説があったり、野尻ボードがすごく充実している。
 久しぶりに上京。
 夜、岩本町の東京TUCへ。
 谷口英治カルテット『Moonlight Becomes You』発売記念ライブである。
 昨夜の滝川雅弘カルテットにつづいて、今夜は谷口英治と、贅沢なことである。
 早めに行って最前列の席で聴く。
 シナトラ・ソサエティの企画である。司会が三具保夫氏。……バードとサッチモは知っていたけど、シナトラにも公式ファングループがあったのだ。
 このCD自体、シナトラでお馴染みの曲を集めていて、シナトラ・ソサエティ・オブ・ジャパンの企画である。
 1部はCDと同じ、谷口英治(cl)畑ひろし(g)ジャンボ小野(b)山下暢彦(ds)のカルテットによる演奏。
 周囲の客層、どうも畑ひろしさんの熱心なファンが多いようである。
 滝川さんとのセッションや、梅田の店などで、気軽に畑ひろしが聴けるおれは、恵まれているのだなあ。
 Moonlight Becomes You、It's AllRight with Me、It's a Blue World、Once I Loved、These Foolish Things、I've Got the World on a String、I Couldn't Sleep a Wink Last Night、Deep Night、Too Close for Comfort。
 やっぱりライブで聴くのはいいなあ。
 2部は畑さんとのデュオでThe Things We Did Last Summerのあと、ピアノに袴塚淳さんが参加。Just In Time、Fiy Me To The Moon。
 さらにMoonlight Becomes Youの「没バージョン」……というが、アップテンポの快演。
 まきみちるさんが入って3曲。I'v Got You Under My Skin、Too Close For Comfort、Teach Me Tonight。まきみちるさんは初めて聴くが「ヒットパレード」や「しゃぼん玉ホリデー」のコーラスにも参加していたというから大ベテラン、それにしては声の張りが凄い。東京はやっぱり層が厚いなあ。
 そしてNancy、 After You've Gone。
 アンコールにWrap Your Troubles in Dreams。
 地下鉄で東京の隠れ家(ボンクラ息子その1の住処)へ移動。
 おれの方が20分ほど早い帰館となった。
 本来おれが豪華ディナーをふるまうべきところだが、外食には遅く、「オリジン弁当」でビールに合いそうなのを色々買ってきて、深夜の親子酒。
 なんでも「めちゃうまい」というのがボンクラ息子その1の美徳である。

8月26日(土) 帰阪
 東京は涼しいなあ。湿度は高いが、朝の推定室温25℃くらい。
 メールチェックしたら、帰阪した方がいいような事態発生。
 2、3日居候のつもりだったが、午後、帰阪することに。
 昼飯くらい豪勢に、浅草へでも行くかといったが、ボンクラ息子その1、久しぶりの休日なので、朝寝、あとは雑用という。
 (浅草はサンバの日とかで、行かないのが正解であったが)
 昼前に出て秋葉原へ。
 石丸3号館などのぞき、午後帰阪。
 ちと心配な用件は、まあ急を要することではなかった。

8月27日(日) 穴蔵
 終日穴蔵。
 ほとんど寝て過ごす。
 やっぱり疲労しているのだなあ。
 吉村昭氏は取材旅行も2日が限度であったという。早く書斎にこもって執筆したいからである。
 ファンとしては、見習わねばいかんなあ。
 おれは穴蔵に戻るとボケーッとしているだけだけど、2日以上の旅行はつらくなった。
 海外は搭乗手続きが面倒で、もう行かない可能性が高い。
 あとは書斎での姿勢を見習うべきだが……。

8月28日(月) 穴蔵/北梅田の眺望
 先週末に上京、ひと晩いてあたふたと帰阪したのだが、26日(土)には新宿で「メガネっ娘居酒屋」とか、その他にも色々なことがある日だったのに気づく。メガネっ娘は特に趣味じゃないけど、ライブ以外のこともチェックしておかないといかんなあ。ま、あとの祭り。
 終日穴蔵。
 少し涼しくなり、エアコンの必要ない室温(31℃)になった。
 が、穴蔵裏手のマンション工事の騒音が凄まじい。解体から基礎工事が数ヶ月つづいている。窓を閉じてエアコンを稼働せざるをえない。
 裏手が高層?マンションなら、自宅南方向にも高層マンション建設中。
  
 4月末に河合塾の向こうに姿を現したマンション、茶屋町アプローズに重なるかたちで天空に伸びていき、4ヶ月でここまできた。右のはピアスタワー。
 25階建てらしいので、たぶん今のが最上階。茶屋町アプローズを隠すかたちにはならないようだ。
 直方体で、今ひとつ風情のないかたちである。
 東南方向にも別のが建ちはじめる気配。
 高層マンションに囲まれていくようである。
 ちなみに、ここに住み始めた26年前(1980年5月)のウチからの眺めはこんなものであった。
 
 正面に阪急グランドビルとマルビルが並び、マルビルの電光ニュースが見えた。
 JR大阪駅はまだ「平屋」で、東海道線が走るのが見えた。
 今は阪急グランドビルの最上階がわずかに見える程度である。
 ……ということは、阪急グランドビルからは望遠鏡でウチが見えるわけで、実際に確認してみたことがある。ステテコでビール飲んでいる姿を見られるのはいやなので、これ以上詳しくは書かないけど。
 雑用色々。
 明日からまた田舎生活である。

8月29日(火) 大阪→播州龍野/厄日
 睡眠不規則
 ふだんより遅い時間、午前7時過ぎに出発して播州龍野へ向かう。
 梅田に出て阪神の特急に乗って発車待ちしていたら、15分ほど待たされて「車両故障により運転取りやめ」というアナウンス。
 ホームはごった返しである。
 球団と同じであるなあ。
 JRに変更、なんとか10時にたどり着く。
 身内と役務交替。
 わが実家、庭に松が3本あるが、その1本が枯れかけである。
 
 前回滞在時は枝の一部だったのが、この1週間で急激に茶色に変色したという。
 出入りの植木屋氏の診断では松食い虫によるもの。切るしかない。
 ま、いたしかたあるまい。
 おれは松の木の形状は好きではないし。
 老母も(無事な1本には愛着があるらしいが)特に気にしていないので、伐採を依頼する。
 厄日であろうか。
 下男仕事が終わり、夜、老母はテレビで「歌謡コンサート」、わしは書斎のパソコンで73年版「日本沈没」のDVDを見ることにして、タイトルが終わり、地球の「大陸移動」画像が流れているところで、突然の雷雨、凄まじい稲光がして、近くに落雷……らしい。
 停電してしまった。
 闇の中を階下に下りる。
 懐中電灯を探しているうちに、5分ほどで電気は復旧。
 が……パソコンは電源は入らず、起動しなくなってしまった。
 やはり本日は厄日である。嗚呼。

8月30日(水) 播州龍野の日常/パソコン買い替え
 朝から植木屋氏が3人で松の木伐採を始めた。
 チェーンソーと平和。
 10時の開店を待ってパソコンを「せいでん」へ持っていく。
 「あ、1年保証は切れてますね」
 カード調べれば直ちに判明するのであった。確かに去年8月2日に買っている。
 なじみの電器屋はんなら、購入日を1月ずらしてくれるものだったが。
 落雷での故障はたぶん4、5万かかるという。一月はかかるというし、諦めたほうがよさそうな。
 一応、2100円払ってチェック依頼。奇跡的に安く直ればセカンドマシンにするか。
 せいでんには10数万以上の機種しか置いてない。
 ジョーシンへ行って安いデスクトップの本体を買う。
 正確には……「私の歌集も編集してくれるのだから」と、老母が5万なんぼのe-machineを買ってくれたのであった。
 還暦過ぎて母よりおこずかいを貰う、またありがたからずや。
 昼過ぎに庭の枯れ松撤去終了。
 
 すっきりしたなあ。
 あとには何も植えないのがいいと思うが、植木屋氏は口がうまいからなあ……。植樹は寒くなってかららしい。
 午後は新パソコンのセットアップ。
 本体は問題なく動くがインターネット接続ができない。
 モデムも壊れているようである。adslはしばらく無理。
 夕方、やっとダイアルアップで接続できた。
 ということでアップしたのがこの記事。officeは買わず、ワードパッドとペイントでの作成だから、面倒でしかたがない。
 ソフトを取りに穴倉日帰りの必要がありそうだ。
 あっいかん、昨夜見かけた「日本沈没」のDVD、故障したパソコンに入れたまま修理に出してしまった。
 取り出しようがなかったのだが……無事に帰ってくるか。

8月31日(木) 播州龍野の日常
 本日よりしばらくの間、相棒の某くん出張につき、平日の昼間はタイムマシン格納庫にこもることになる。
 幸いこちらのパソコンは落雷の被害なし。ADSL接続も可能なので助かる。
 大阪の<穴倉>とちがって雑事多く、こもりっぱなしというわけにはいかず。
 食事その他で実家と数往復。面倒なことである。
 昨日の松の木撤去費、パソコン買い替えとほぼ同額でギョ。おっさん3人の半日仕事なのでこんなものか。文筆業者の時給とは桁がちがうのであった。

『マッドサイエンティストの手帳』メニューヘ [次回へ] [前回へ]

SF HomePage