HORI AKIRA JALINET

『マッドサイエンティストの手帳』282

●マッドサイエンティスト日記(2003年9月前半)


主な事件
 ・歌之助プロジェクト始動(1日)
 ・千里クラブで小松左京賞受賞者たちと会う(3日)
 ・ハチママ歌いまくりの日?(12日)
 ・住田千鶴子さんのユニークダンス(14日)
 ・滝川雅弘ライブat桜の庄兵衛ギャラリー(15日)

2003年

9月1日(月)
 午後、桂歌之助夫人・維久子さんと桂歌々志さんが来宅。
 歌やんの書いた原稿や記事のコピーを持ってきてくれる。
 タイトル未定だが、「歌之助遺稿集」の打ち合わせ。
 京都での一門の勉強会(今も継続中)のプログラムに16年間連載したエッセイをはじめ、約700枚分ほど。これに、新作落語や川柳もある。年譜や「事件簿」など、調査事項も多い。が、ともかく「歌之助プロジェクト」始動である。
 なんとか3回忌に間に合わせたいところだ。
 ちょうど入れ替わるようなタイミングで、夕刻、かんべむさし氏来穴蔵。
 バカ話1時間。
 こちらも本数冊持ってきてくれる。
 読まねばならぬものが一挙に増えた。

9月2日(火)
 猛暑である。
 終日穴蔵に籠もっていたいが、月末に残した雑件あり、炎天下、出歩く。
 午後は穴蔵。
 「歌コ」プロジェクトであちこちに電話とメールとFAX。
 大方の賛同を得る。

9月3日(水)
 残暑のピークである。朝の予報では、大阪、昼は35℃になるという。
 穴蔵に籠もっていたいが、昨日の続きで出歩かねばならぬのであった。
 夕刻に近い午後、千里中央の「千里クラブ」へ。
 小松さんと上田早夕里さんの対談(「小松左京マガジン」用)があるというので、だいたい終わりそうな時間に合流である。
 しばらくして第3回受賞の機本伸司さんも来た。
 機本さんが上田さんに「昨年はすみませんでした。1年待たせることになってしまって。こちらもせっぱ詰まってたものですから」と挨拶、これには笑った。
 off
 『火星ダーク・バラード』については、小松さんが「もう一回読み返したくなる」ほど感動したのだという。「たとえば、こんな場面で……」とあらすじを説明しかけるので、あわててストップ。「わし、本が出るまで待ちますから」
 ということで、受賞作に触れない話題ばかり。
 「上田早夕里」という字体は縦横の線でだけ構成される4文字の中にアクセントで斜めの柔らかい一文字が入っていて素晴らしい、とか。
 機本さんは映像関係の仕事が長いだけに、さすがに映画関係に詳しい。ホームシアター並の設備を所有という。
 ドライ・マティーニを飲む飲まないで小松さんと「鬼秘書」乙部さんがなんとも子供っぽいやりとり(どっちが子供かはいうまでもない)、しかし、小松さん、本当に食べなくなったなあ。
 わしゃ雑用で昼飯を食べそこなっていたので、ビールがぶ飲み、鴨のなんとかを節操なくも独り占めである。
 気がつけば午後8時に近い。
 高層最上階の窓から火星を眺めて散会となる。

9月4日(木)
 猛暑つづく。
 終日穴蔵。
 夜、自転車で梅田。サントリー5へ。
 マホガニーホール・ストンパーズを2ステージ目から聴く。
 off
 グローリー・ジャズバンドの面々も来ていて、「老兵たちのゴスペル」が多い。
 3ステージ目、「セントジェームス病院」をヴォーカルで聴くのは久しぶりだ。
 23時まで。
 帰路、新御堂筋に自転車を置いてたのが失敗。途中、客引きかポン引きか、その手のがやたら多い。自転車で通る場合はまず声をかけてこないが、徒歩はまずい。
 無視すればいいというものの、おれはこの手のから「声をかけられること自体」が生理的に嫌なのである。
 20メートルほど前、道の真ん中に大女。背中側を通り抜けようと片側によると、どうやらおれにに着目したらしく、同じ側に移動し始めた。慌てて反対側に進路を変えると、また敵も移動。10数メートルで3回ほどジグザグやったら、さすがに見込みなしと判断したのか、早足で通り抜けるおれの背に笑いながら「逃げんでもええやないの」……オカマ声であった。
 ニューオリンズジャズでいい気分になっていたのが、一挙に不愉快になる。
 この気分の悪さ、今岡清を見て感じる気持ち悪さと同質と気づいた。
 「日陰もの」で過ごすべき下等物件、気持ち悪い格好で二度と人前に出てくるんじゃないぜ、ったく。と、これはオカマの客引きではなく、もっと気持ち悪い下等物件・今岡清への通告である。

9月5日(金)
 終日穴蔵。
 阪神が逆転サヨナラで買ってM6とか。
 うーん、ひょっとしたら、本当に優勝するかもしれんなあ。10連敗してもまだ大丈夫という雰囲気である。

9月6日(土)
 終日穴蔵。
 本日は「ホシヅルの日」であったのだなあ。
 昨日と今日が、新宿ピットインに森山威男さんが連続出演、それも参加している新CD2枚の発売記念ライブである。明日は新宿DUGで上山高史さんのライブがある。……これだけ重なっているのなら上京すればよかったなあと悔やまれるが、予定が先に決まっていたから致し方なし。
 夕刻、天満のエル大阪へ。
 シナリオ学校の講座。ストレートSFが少ないので寂しいが、提出作品のレベル自体は高いのでそれなりに面白い。パスカル短篇文学賞の時と似ている。
 上田早夕里さんもパスカルから8年なのだからと、そんな話もする。
 一度「助っ人」で来てもらうか。
 阪神は横浜に負けたらしい。ほうれ見ろ。やっぱり20連敗の始まりだ。

9月7日(日)
 終日穴蔵。
 終日、歌やんの原稿のテキスト化。
 スキャナーで取り込んでテキスト化するのだが、新聞記事は比較的いいが、古いワープロ原稿やコピーの認識率は悪く、再入力とそう変わらぬ手間。
 タイムマシン格納庫にはMS-DOS機、3モード機、5インチ・フロッピー・ドライブなど、一通り置いてあるので、ワープロのフロッピーを借りて変換する方がよさそうである。
 夜、ビールを飲みながら久しぶりにナイターを見ていたら、アリアスの満塁ホームランなどで阪神が圧勝。M5である。……うーん、やっぱり優勝する可能性が大きいという判断を否定する根拠がないなあ。

9月8日(月)
 わ、午前3時に目が覚めてしまった。
 朝まで仕事もするのであった。
 午後、歌之助師匠の夫人・維久子さんがノートパソコンを下げて来穴蔵。
 立ち会いのもと、歌さん関係の資料とフロッピーを見せてもらう。
 Think-pad Win98機で、むろん実用上十分な機能。歌さんは十数年前からワープロ派(書院)で、大部分の文書は2DDフロッピーに残されている。パソコン通信にもワープロで参加していた。パソコンへの本格的な移行の途中で入院になったらしい。維久子さんが時々使うからと、2年近く、プロバイダー契約がそのまま残っていたらしい。もったいない話である。
 維久子夫人が歌コ・アドレスをそのまま引き継ぐというかたちで設定を修正する。
 「uta@……」というメールアドレスはいいものなあ。

9月9日(火)
 わ、また3時前に目が覚めてしまう。少し眠いが眠れず。
 久しぶりに自転車で早朝の梅田徘徊。
 快晴で、久しぶりに火星以外の恒星がたくさん見える。秋なのであろうか。
 朝のJR新快速で専属料理人と西へ。10日まで有効な青春18切符が2回分残っているので、これで播州龍野行きである。
 実家に置いてあるMS-DOS機で、歌さんのワープロ文書がテキストファイルに変換できることを確認。
 10月からパソコンのリサイクルが有料化する。この際処分しようかと迷っていたのだが、危ういところであった。
 タイムマシン格納庫には5インチ機を2台確保している。これも多くのプログラムをコンバートするのが面倒だからである。
 実家書庫の隅に、5インチ←→3インチ、3インチの3モード対応機をセットで並べておくことにする。
 それにしてもMS−DOSのコマンドなんて、ほとんど忘れてしまったなあ。
 config.sysなんてややこしいこと、思い出すのに苦労する。
 歌コ・フロッピーがコンバートできることが確認できたので、昼過ぎに、専属料理人が作ったかき揚げやそうめんでビール。「お母さん用なのに」と苦情が出るが。
 夜、帰阪。
 帰路、公園で月と火星の接近を見る。珍しく空気が澄んでいるようだ。

9月10日(水)
 朝刊の記事に愕然。阪神が負けてM4はいいとして、読売が横浜に負けて「優勝の目が完全になくなった」のが小さなベタ記事。おれみたいな読売ファンには大ニュースだぜ。ま、最下位が早々に決まっていて、読売の「逆優勝」の目はなくなっているから、そう面白くはないのだが。ともかく、せめてBクラス転落のためにも、広島には頑張ってほしい。
 昨日の快晴が一転して、朝驟雨、その後も小雨が降ったりやんだり。
 こんな日に限って出かけねばならぬ用事が多い。
 ロフト前を通りかかったら、QBハウスに待ち客ゼロ。蒸し暑いので、1000円で髪をばっさり刈ってもらう。もう長めの毛でゲーハを隠す年でもないしねえ。
 来週、筒井さんが出演するというので、「トレビアの泉」という番組を初めて見る。野田さんや中須賀先生が出てきて面白い部分もあるが……うーん、「アポロのコンピュータ性能がファミコン以下」とか「太宰治が佐藤春夫に芥川賞を懇願した」とか、「無駄な知識」以前の常識という気がするけどなあ。まあ人間は「無駄の集積」だけど。
 むしろ芸能ネタなど、無駄以前に、面白がれないネタの方が多くて、これはやはり老化なんだろうなあ。
 阪神サヨナラ負け、読売も負け、広島も負けて、阪神M3。
 広島、いかんじゃないか。3位を目指せ。読売がまだ3位を「低迷」しているのが目障りである。

9月11日(木)
 サンケイの朝刊を広げてびっくり。
 8月20日に東大阪にオープンした「クリエイション・コア東大阪」完成記念シンポジウムの記事。並んでいるパネリスト4人、友人知人ばかりではないか!
 阪大フロンティア機構長の河田聡先生は前に会って「オチ研」関係でのつながりがあったことが判明しているし、クラスターテクノロジーの安達稔社長には工場見学までさせていただいた。
 あとの2名、宇宙開発事業団のI田くんとS金技監・M居くんはともに「学友」である。
 M居くん、なかなか立派に写っている。専属料理人に記事を見せると、昨年何人かが飲みに来た時のことを思い出して「え、あのいちばん騒がしい人がこの人?!」
 まあ、そんなものである。
 ついでに、
 タナキンの自宅に「発火物」が仕掛けられた事件についてシンタローが「当たり前だ」発言。これを非難する報道ばかり。テロ容認発言ということらしい。わしゃやっぱり「当たり前」と思ったがなあ。「起きて当たり前の状況である」と解釈したのだが。
 犯罪が悪いことは自明ではないか。……おれは小金ちゃんが日本にテポドンをぶっぱなしたら、やっぱり「当たり前だ」と叫ぶだろうな。小金ちゃん容認ではない。いつ起きても不思議でない事態をノホホンと傍観していた外務省の認識の甘さを非難するであろうが。
 それにしてもタナキン、キタにどんな弱みを握られてるのか。
 といって、別にシンちゃんや悪相・亀井を支持してるわけではないのだが。
 終日穴蔵。

9月12日(金)
 終日穴蔵。
 夜、CDショップなど回ってからハチを覗く。
 なんでも「第2金曜」はハチママが歌いまくって発散する日とかで、前日は休んでこの日に備えるのだとか。
 わしゃ疲れるので、夕食後にぶらりと行く。と、大ちゃんが熱唱中であった。
 カウンターに珍しくも関テレの杉山アナ。
 off
 さきほど「田中小実昌の短篇を朗読」したのだという。
 どんな心境かというと、「楽器をやりたかったけど、無理とわかってきたので、自分にやれる朗読でライブに参加しようと思っている」らしい。杉山アナは中村誠一と中学の同級生、楽器に憧れる気持ちはわかるなあ。杉山アナは絶叫型のプロレス中継などには向かないタイプ、大惨事を悲しげに報道するのが得意なのである。落語の素養はあるから、60過ぎたら本格的に朗読をやるつもりという着眼はいいのではないか。
 早めに退散。
 中古CD店で見つけた、ベニー・グッドマンの『LIVE AT THE RAINBOW GRILL』を聴く。
 こんなのまったく知らなかった。
 1966年のライブ録音で、前半の9曲にテナーでズート・シムスが入り、後半の6曲、ピアノがなんとハービー・ハンコックである! こんなのありかと思うが、あるのだからしかたがない。ハッコックは「処女航海」を出した翌年である。
 曲目はアヴァロンやハニー・サックル・ローズなどほとんどお馴染みの曲。
 グッドマン57歳、ハンコック26歳で、まあ(年齢だけでいえば)おれと小川一水さんがいっしょに飲んでいるようなものと思えば、別に不自然ではないか。

9月13日(土)
 猛暑。
 朝から地下鉄で西長堀の中央図書館へ。
 マイナーな川柳雑誌に連載した歌之助さんのコラム調査。
 葉文館発行の「オール川柳」という雑誌だが、途中で発行所が変わり、それ以降の蔵書なし。ネット検索したところでは、新潟の見附市図書館(!)に残っているようだが、どうしたものか。
 川柳関係者が持っていなかったら新潟まで行くか……。
 昼間「雷雨」の可能性が高いというから地下鉄できたのに、雨の気配皆無。
 帰路、炎天下を歩いてかんべ事務所。1時間ほど雑談。
 午後、梅田で維久子夫人から歌やんの残したフロッピーなど受け取る。
 原稿関係はほぼ解明できたが、まだ不明のことが多い。
 特に歌コ・オリジナルの大作『古事記』は、大量の参考文献とノートが残っているが、肝心の「台本」は、どうも作られなかった可能性が高いのである。……これは、歌やんらしい「猛勉強」の成果なのだが、解説部分と落語部分が混在して、どちらかというと「講演」の勢いで演じられたのかもしれないのだ。となると、録音テープ(があるとして)が定本ということになるのだが……。
 阪神4連敗。ははは。やっと「本調子」じゃないか。

9月14日(日)
 快晴なので珍しくも穴蔵の掃除。
 といっても、大量の洗濯物を専属料理人に渡して専属洗濯人にするだけのことであるが。
 午後、南海で高石市へ。
 駅前の「アプラ大ホール」で住田千鶴子さんの主宰する「ユニーク・ジャズダンス」のチャリティ・ダンス。……ダンスの場合、やっぱりコンサートというのかねえ。ショーというべきか。ま、公演でございます。
 第1部は「発表会」の雰囲気だが、少林寺拳法のチームも参加していて、和太鼓にあわせての演技が面白い。ダンスの方は数曲あったが「マトリックス リローデッド」というのが(映画をまだ見ていないが)いかにもそんな雰囲気であった。
 off off
 第2部が住田さんの舞う「静御前」。……ダンスと少林寺拳法、音楽が尺八と鼓・太鼓で、義経との吉野での別離と鎌倉での舞いを表現するという趣向。
 ジャズダンスではないなあ。音楽が和楽だし、「敵役」は少林寺拳法だし、といって「舞い」でもなく、柔軟でアクロバティックな動きや激しい回転など、やっぱり「ユニーク」としかいいようがない。
 住田さんの経歴からは推定年齢○○歳だが、よく動くなあと感心する。
 40年前のビリー・バンクスとの共演がどんなものだったか興味が湧くが、これも記録は残っていない。
 落語といいダンスといい、映像の記録は大事である。
 岸和田で今日明日「ダンジリ」、南海の急行は混んでいる。……「謎の美少女」は里帰りしているのであろうか。
 ダンジリと阪神優勝が重なるとたいへんな騒ぎになりそうだが、阪神、案の定5連敗! ははは。やっぱり「本調子」じゃないか!
 読売が「5位」で、わしゃこちらの方が嬉しいね。が「6位」の可能性ゼロだから、もうたいした楽しみはない。

9月15日(月)
 夕刻に近い午後、専属料理人と出かける。
 阪急岡町から徒歩7、8分、「桜の庄兵衛ギャラリー」という屋敷へ。
 「あきかぜすず吹くコンサート」と題する滝川雅弘さんのライブである。
 古い庄屋さんの屋敷を残してギャラリーなど多目的に使えるスペース。50畳ほどの座敷、緑の多い庭園、一輪差しなどがあちこちに飾られていて雰囲気がいい。こんなお屋敷がまだ残っているんだなあ。
 天井が高くて音響もいい。80人ほどが座敷に座ってのコンサート。
 off
 滝川雅弘(cl),八木隆幸(p),中村尚美(bs)のトリオ。
 演奏前、阪神の優勝がかかった試合、2-0で広島にリードされている模様。
 演奏は「鈴懸の経」「小さな花」「アーリー・オータム」「枯葉」など、秋にちなんだスタンダード中心だが、パーカーのナンバーも挟んで、なかなかの選曲。
 不思議なことに、夕刻の休憩時間、障子を開けると本当に「涼風」が流れ込んできた。
 明らかに秋の風。
 阪神がサヨナラ勝ちして、あとはヤクルト〜横浜戦の結果次第という話も休憩時間に伝わってくる。
 そして、2ndステージ。「ディープ・パープル」が演奏されている時には、風は本当に秋風。
 アンコール1曲。「いったもの勝ちですよ」……おれは阪神優勝記念で「タイガーラグ!」といったが、これはデキシーの曲だから、むろん空振りであった。「キャラバン」で終わった頃に、たぶん甲子園で胴上げタイムであったらしい。
 ちょっと記念的なライブだな。
 あと、打ち上げというか「桜の庄兵衛」を支援する方々の懇親会に専属料理人ともども紛れ込ませていただく。
 off
 豪華な手作りの料理とビール、地酒が並ぶ。
 この雰囲気はいいなあ。料理はうまく酒はよく。
 不思議な縁で「桜塚高校」関係の方がが多く、わが畏友か*べくんの同級生とか、*之助はん(←「歌」にはあらず)の同級生の方など。「庄兵衛さんの末裔」兄弟がそろってわが後輩と判明。うちのボンクラ息子どもとは大違いの好青年である。他にも、奇縁色々。ま、世間は狭いといえばそれまでだけど。
 適当な時刻に失礼して、阪急梅田へ。阪神ファンが騒いでいるかもしれない阪神方面には行かず、茶屋町から歩いて帰宅したのであった。
 風が涼しく、六甲おろしは聞こえず、静かでいい夜だ。
 「阪神が優勝した時から秋風が吹きはじめた。」
 ↑これ、名文句ではないかい?
 「第三の男」の「ハリーが死んだ翌日から雪解けがはじまった」のアレンジだけど。
 阪神優勝の経済効果なんて、わしゃ信じとらんからね。アブク銭がどこかへ(たとえばバーゲンの安物買い)集まるだけ、もらい損ねて減収ってのも同数いるのだから。
 わしゃ、ふだんどおり、ジャズと落語を聞きSFを読み酒を飲む、それ以外は何もせんぞ。
 などと愚考しつつ、本当はいちばん気になる中日〜読売戦(番組表では毎日テレビが中継していたはず)の結果がわからぬまま眠るのであった。
 それにしても読売テレビが阪神優勝の特番とは、あまりにも節操がないのではないかい。


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