HORI AKIRA JALINET

『マッドサイエンティストの手帳』208

●The Day of Clalinet & Clalinet

大阪のデフランコ派・滝川雅弘さんが上京、谷口英治さんとの2クラ+右近茂(ts,cl)というライブが行われた。

 今年の3月1日、大阪で谷口英治×滝川雅弘 2clセッションが行われたが、今度は滝川雅弘さんが上京してライブを行うことになった。
 8月25日 東京の「Tokyo TUC」
 「The Day of Clalinet & Clalinet」
 谷口英治(cl)、滝川雅弘(cl) プレイズ グッドマン & デ・フランコ
 Featuring 右近茂(ts,cl)
 二村希一(p)小西忠哲(b)山下暢彦(ds)

 ……というふれこみ。
 で、谷口×滝川の2クラ・バトルもさることながら、今回は右近茂のテナーを加えて、ベニー・グッドマン楽団にスタン・ハッセルガード(cl)とワーデル・グレイ(ts)が加わった伝説的「バップ」の再現を試みるという。これは聞き逃すわけには行かない。
 SF大会は欠席したのに、この日は上京。……まあ、その前に筒井康隆氏の「わかもとの知恵」出版記念で、アサヒネットの内輪のオフがあるということもあるけれど。
 で、パーティの流れで、かめ男・北野勇作さんとTUCへ。
 満員の盛況、おなじみの谷口教室メンバーも正面のテーブルに並んでいる。
 演奏された曲目は、リズム陣は不動で、あとはそれぞれのワンホーンあり、2クラあり、右近さんが加わって3クラもあり、編曲も多彩で、これはもう夜通し聴いていたい雰囲気のライブだった。
 1st Stage
 ・Poor Butterfly 谷口クラ
 ・Moment's Notice 滝川クラ
 ・But not for me 谷口・滝川の2クラ
 ・Swedish Pastry 2クラ+テナーで、これぞベニーズ・バップ
 ・Indiana これもベニーズ・バップで、タイトル曲はコードだけ、メロディはパーカーのドナ・リーという、CDで聴いてなんだこれは、で、田中啓文氏からその謎を教えてもらった名曲。
 ・Body & Soul 3クラでアレンジが素晴らしい。
 ・3B♭ Amigos これも3クラで、デフランコの作編曲……おそらく3クラでは日本初演奏!
off
 2nd Stage
 ・Capriccio 2クラで、デンマンの編曲
 ・Show Eyes 2クラ デ・フランコ作曲
 ・Let's Dance 3クラ
 ・枯葉 谷口クラ、なんとデフランコスタイルで
 ・Sweet Lorraine 右近テナー
 ・East of the Sun 滝川クラ
  滝川「ぼくの生い立ちですが、右近さんと同じく岩井秀昭さんに師事しました」
 ・Memories of You 3クラ
 ・Cherokee 3クラ
 Encore
 ・枯葉 3クラ
 ・Good-bye 3クラ

 「プレイズ グッドマン & デ・フランコ」だから、てっきり谷口さんがグッドマン、滝川さんがデフランコという役割かと思っていたら、特にそうではなかった。3クラが並ぶと、容貌からいって、
 谷口英治=グッドマン
 滝川雅弘=デ・フランコ
 右近茂=ケン・ペプロウスキー
 と連想してしまう。
 が「直系」といえるのは、「滝川=デ・フランコ」だけ。しかも、滝川さん、顔つきといい姿勢といい、最近ますます容貌が似てきた感じだ。
 ただし、谷口さんがデ・フランコ風に吹いたり、演奏はそれぞれの個性が発揮されて多彩。クラ・ファンとしてはたまらないライブであった。
 とくにこの夜は滝川さんがすばらしい出来映えだった。久しぶりの東京ということもあって「緊張する」などと話されていたが、やっぱり客数と会場の雰囲気は大切だと思う。
 滝川さんの熱演はストレートに伝わったらしい。演奏終了後、レジの方から「滝川さんのCD、完売です!」という声があり、拍手が沸いた。あと滝川さんにサインの列。初めて聴いたファンが多かったようで、大阪から来たファンとしてはちょっと誇らしい気分になった。
 会場ではネットでの知り合いにも会う。滝川さんの応援ページは「予告編」だけだけど、いつスタートするのかという質問あり。
 はい、帰阪すればすぐ準備にかかります。差し当たりライブ情報だけだけど。
 ということで開設したのが滝川雅弘応援ページ。よろしく。


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