『マッドサイエンティストの手帳』711

●マッドサイエンティスト日記(2019年8月後半)


主な事件
 ・蓮見恭子さん@創サポ講座(24日)
 ・某飲み会@ごん兵衛(24日)
 ・神戸新聞文化センター(30日)


8月16日(金) 穴蔵
 定刻4時に目覚める。雨が降っている。浅田飴を舐めるうち、5時にはやんだ。
 大阪はまだ台風の強風域らしいが、風はほとんどなし。
 朝、近所の某医院へいく。
 盆休明けで混んでいたが、流れ作業、15分で終わる。数値はごく正常であった。
 安心して、あとは終日穴蔵。
 晴れて、炎天復活。このところ運動不足だが、出歩く気分にならない。
 少しは仕事……というよりも、積み上げていた資料の整理にかかったら、読みふけってしまった。
 こんな日が増えるのであろう。

8月17日(土) 穴蔵
 定刻4時に目覚める。晴れているので浅田飴なし。
 終日炎天。
 まったく出歩かず。資料整理のつもりが読みふけってしまう。
 予想通りの一日であった。

8月18日(日) 穴蔵
 定刻4時に目覚める。終日炎天。まったく出歩かず、資料読みふけり。
 あ、昨日と同じだ。
 ちょっと食生活を書いておこう。
 朝は5時頃にひとりで、野菜ジュース、トースト、ハムサラダ、ミルクティ、果物の定番メニュー。
 昼は専属料理人が2時間ほどかけて作ったカレー。サラダや自家製ピクルスなど色々並ぶ。
 夕刻に近い午後、運動不足なので散歩に出るが、暑くて豊崎西公園のベンチで休憩。400歩ほど。
 向かいの中本酒店で、先日買った兄ちゃん推奨の格安スコッチが旨いので、もう1本買い足す。
 夜は専属料理人の並べた数皿(枝豆、翁豆腐のヤッコ、牛肉オニオン炒め、ごちゃ盛りのサラダ、根菜類など)でビール。
 あと、スコッチをすこっちばかり。
  *
 これ、中本酒店で1,500円。たぶん良心的なのではないか。なんかもう終わりやとかいうので、Dimpleがなくなるのかと確認したか、この値段ではとても合わんから、この値段はこのロットで終了という意味であった。
 早寝する。
 明日は読むから書くに転じるつもり。

8月19日(月) 穴蔵
 後期高齢者と呼ばれる歳になって、心身ともに急速に衰えていく気配。
 荷風散人の場合「晴。午後浅草。飯田屋にハンす。」といった一行が増えた歳だ。
 おっさんに倣うと、
 晴。のちに陰。終日穴蔵にあり。夜集合住宅の委員会。遅く自宅にて晩酌。
 となる。
 こんな日が増えるのであろう。
 それでも「晴。正午大黒屋。」の連続まで、まだ6年ある。

8月20日(火) 穴蔵
 陰。朝に驟雨。終日穴蔵にあり。
 朝、前夜の会議の議事録を作って配布したら、ひと仕事した気分になってしまう。いかんなあ。
 オロモルフ博士を見習って机に向かうのであった。
 時々テレビを見る。
 終日「あおり運転・殴打」の宮崎文夫(43)と喜本奈津子(51)の「あおり」から逮捕時の悪態映像までが延々繰り返し流される。
 絵に描いたようなバカップルで、映画化すれば面白いかもしれない。
 ただ「ボニー&クライド」に較べるとチンケである。アメリカ中西部と東住吉区のスケールのちがいか……などと愚考する。
 たちまち夕刻。
 専属料理人に色々並べてもらって晩酌。
  *
 枝豆、翁豆腐のヤッコでビールのあと、夏野菜のグラタンで安ワインを少しばかり。
 早寝するのである。

8月21日(水) 穴蔵
 晴。終日穴蔵にあり。
 ……しかし、さすがに運動不足である。
 夕刻、梅田貨物線沿いに30分ほどうろうろ。
 地下化工事が少し進み、中津と豊崎の境界まで迫ってきた。
  *
 走行車線は南側、架線橋の半分が取り壊されて、淀川側の掘削そろそろ……の状態。
 掘削が終わるまであと2年、地下への線路の切替まで3年、新駅開業まで3年半である。
 がんばって生きるか。

 おおっ、プロヴィデンスでのネクロノミコン(魔道書でなくコンヴェンション)に参加の酉島伝法さんのtweetが凄い。

8月22日(木) 穴蔵
 晴。終日穴蔵にあり。
 不調である。
 机に向かい、少しは仕事をするつもりが、つまらん用事で中断する。
 集合住宅の加入しているケーブルテレビの端末調査とか、(たぶんどこかのガキがまき散らした)ゴミが立ち入れない場所に散乱しているというご丁寧な連絡や、眼下に救急車が来るやら、晩酌時には血圧高騰するニュースが流れるやら……。
 何か書こうという気力がわかない。
 本を読みつつ早寝。

8月23日(金) 穴蔵
 定刻午前4時に目覚める。
 天候不安定。曇天が、5時頃に雨になり雷雨も。昼間は曇っていたが、夕方また雷雨。ややこしいことである。
 ほぼ終日穴蔵にあり。少しは仕事もするのであった。
 この10日ほど、運動不足である。
 午後、30分ほど近所を散歩する。
  *
 近所の都心には残り少ない庄屋屋敷、庭の百日紅がまあまあ。晩夏なのである。
 播州龍野の様子が気になる。百日紅はアチラの方が見事だからな。
 昼間送った原稿について返信があった。
 うーん。
 10月11日(金)〜13日(日)、東京で色々なSFイベントがありそうな。
 無断外泊禁止(いやらしい場所での突然死を警戒されているのである)の身としては迷うところだ。連休でホテルは取りにくそうだし。
 ボンクラ息子その1の所にやっかいになるか。
 柴犬と同衾になりそうだけど。

8月24日(土) 創サポ講座/新町だんじり/飲み会@ごん兵衛
 薄曇り。ほとんど晴だが、外気は30℃で涼しい。エアコンもいらず。
 昼過ぎに出て、谷四のボランティア協会会議室へ。
 創サポの夏の創作講座「やさしい小説の書き方」の第2回。
 本日は蓮見恭子さんによる「暮らしを書くには」。
 暮らしの基本は衣食住で、それをベースにしたキャラクターの作り方など、面白い話が次々出てくる。
 競馬ミステリーや駅伝小説についても。
 競馬の世界や駅伝の取材のほとんどは文献によるというのは意外だった。
 最新作『MGC マラソンサバイバル』(この女子マラソン小説については別に書く)でも同様で、女子マラソン選手ふたりに取材できたが、ひとり30分という制限があり、その時間内でどんな点に注目して質問するかが「企業秘密」のはずだが、このあたりも公開。勉強になるなあ。
 そもそも「駅伝小説」は出版社側からのテーマで、蓮見さんはそれまでランニングなど興味がなかったという。
 それが、今や「走る小説家」。
 「ランナーズ」10月号に蓮見さんの1週間の日記が掲載されている。
  *
 シティマラソンに何度も出場、自己ベストは4時間34分54秒という。
 何事も好奇心と継続であるなあ。
 終了後、阪急石橋へ移動。
 石橋で降りたら、狭い商店街をダンジリが移動している。
  *
 聞けばこれは池田の「新町だんじり」だそうで、毎年、市内のあちこちを巡行するそうな。
 おれは学生時代は石橋に住み、ボンサラ時代は池田の伏尾勤務がいちばん長かったが、はじめて見る。
 巡行は半世紀ほどだが、だんじりは130年から五月山西側の伊居太(いけだ)神社にあり、その伊居太神社は1600年の歴史があるという。へえ。
 綾羽だから、すぐそばをバスで毎日通過していたのだが。
 夕刻から海鮮居酒屋「ごん兵衛」でタイムマシン業関係者3名による盆暮れ恒例の懇親会。今年は台風で2週間遅れの開催である。
 まず天然活ひらめでビール……が、後がなぜか続かない。なんとなくメニューが減り、酒が高級酒?にシフトした感じだ。
 見れば、カウウターに客がおらず(いつもはおっさん連中が飲んでいた)、土曜の夕刻というのにテーブル席にも空席が目立つ。信じがたい光景である。 ずっといた店長はおらず。明らかに「潮目」が変わった。
 天ぷらなどで適当に飲んで散会。30年ほど使ってきた店だが、年末はどうしようかという話になる。
 この店、年末まで持つのか。こちらも事業縮小を検討中なので、どちらが早いかはわからんなあ。
 おれたちは事業を畳んでも飲み会の継続は決めているが。

8月25日(日) 穴蔵/ウロウロ
 朝から雑事を色々と処理。
 昼、久しぶりに専属料理人と出かける。
 梅田、三番街は相変わらず人出多し。フードパークはパスして、片隅にオープンした寿司屋で生ビール一杯。
 昨夜のごん兵衛がひどかったので口直し(というほどたいした店ではないのだが)である。
 あと、ジュンクドーに寄り、中崎町をぶらぶら。
 昨日の創サポ講座で、蓮見さんが、日常生活を書く舞台として「豊崎長屋を知ってる人いますか?」と質問、挙手したのはおれだけだった。
 シマイチ古道具商の舞台設定にからめての発言。
 シマイチ古道具商の舞台(阪堺線沿い)には魅力を感じたが、蓮見さんもこちら(豊崎)をご存じで、うれしくなった。
  *
 その豊崎長屋の路地を抜ける。今時珍しい土の道である。
 タカセ市場で買い物して帰館。
 今日はいい日だ。

8月26日(月) 穴蔵/ウロウロ
 定刻午前4時に起きる。
 月曜なので亭主の義務、ゴミ袋を持ってゴミ置き場往復。
 4時半、ひとり、定番メニューの朝食。
 午前5時の東の空。
  *
 夏至から2ヶ月、日の出は遅く、もう秋である。エアコンは稼働せず。
 5時間、机に向かう。石原さんや蓮見さんを見習わねばと、おれは更生したのである。
 昼前に出かける。
 梅三小路の某店で散髪。髪の量は僅かだから、理髪師(本日はお姉ちゃん)も楽であろう。10分。
 ヨドバシ、書店、ATMをウロウロの後、三番街の正起屋で湯豆腐定食、ちょっと一杯。これがいかんのかなあ。
 午後は穴蔵にて本を読んで過ごす。
 たちまち夕刻。
 専属料理人の並べた数皿でビール、Dimpleのハイボール。
 早寝するのである。
 明日はもう少し机時間を増やすつもり。

8月27日(火) 穴蔵
 定刻午前4時起床。きちんと机に向かう。天気は下り坂。早朝晴、7時頃には雲が増え、午後からは断続的に雨。
 本日は専属料理人不在、楽しき独居生活。
 移り変わりゆく空模様を眺めつつ仕事が出来れば最高の日になるはずであったが……
 断続的にややこして連絡あり、たびたび中断。1件あると1時間は無駄になるからたまらない。
 集合住宅の理事長と某委員を兼務しているからしかたないのだが。
 最悪のが、水道料金の滞納者の案件。何度催促しても支払わないやつがいる。督促状はこれでいいかというチェック。
 聞けば「時々クルマで送り迎えのある人物」だとか。ヤー公ではないらしいが、数ヶ月の滞納。
 金額の問題ではない。ともかく、何度いっても払わないらしい。
 こんなことでまどころしい催促を繰り返してもいかんだろう。
 おれは内容証明を送りつけるべきだと思うのだが、まあ、一応手続きというものがあるからなあ。

 石田健一に告ぐ 水道料金支払え!

 これでは全国の同姓同名の人が困惑するかもしれないな。

 大阪市北区豊崎の集合住宅11階に住んでいるお前だ!

 ったく、つまらんことで気分が悪く、5時間以上を無駄にしてしまった。仕事ぜんぜんできず。

8月28日(水) 穴蔵
 午前4時起床。6時前、浅田飴だが、かなり強い雨で、思わず呑み込んでしまう。
 終日、断続的に降る。
 本日も終日穴蔵にあり。
 2件ほどつまらん案件があったが、さほど負担にはならず。
 夕刻まで、おれとしては仕事は進んだ。
 シャワー。一杯飲んで早寝……のつもり。
 こんな日が続くのであろふ。

8月29日(木) 穴蔵/ウロウロ
 陰。予報と違って雨は降りそうにない。
 どうしても調べたいことが発生、朝のラッシュが終わった頃に地下鉄で西長堀の中央図書館へ。
 大阪の近代史。2時間ほど3階の大阪コーナーであれやこれや。
 昼前に梅田に戻り、ジュンクドー経由、豊崎3丁目を回って帰る。
 A建築事務所近くの源光寺。門の屋根が修理されるらしい。
  *
 天保7年の古地図、北野・上三番・下三番・光立寺などの村名や梅田三昧という墓場しか記載されてない中に、源光寺だけは記載されている。
 たいしたものだ。住職の某さん、先日ウチの6階からエレベーターでいっしょになったばかりだが。檀家があるのかな。
 午後は穴蔵にこもる。
 晴れていたが、夕刻から雷雨断続。

8月30日(金) 神戸新聞文化センター
 天候不安定。曇天、激しい雨が断続的に降る。
 昼前に出て神戸三宮へ。
 神戸新聞文化センターでの講座である。
 少人数、エッセイと短篇の合評形式で進める。
 エッセイのテーマは「サプリ」「地方都市の保育園児の音楽指導」「交通事故の目撃・通報体験」「おばけの話」「こども食堂」と多彩で、それぞれ面白く、例によって話が脱線気味になる。
 SF短篇に秀作あり。限界ニュータウンに帰ってきた男の不思議な体験。ケレン味はなく、抑制された語り口だが、寂れたニュータウンの描写が見事で、こういう作品に出会えるだけで、講師冥利に尽きる。
 作者は……いずれ明かす機会があるかもしれない。古いSFファンならたぶん知っているはず。
 喫茶室でしばらく雑談の後、阪急で帰阪。
 このビルは地下で阪神直結で、雨だから、阪神にしようかと迷ったが、阪急が正解であった。
 雨にもめげず、本日、甲子園で阪神読売戦が行われたのである。
 阪神ファンを嫌っているわけではないが、虎ファン密集の中にひとり異質なのが紛れ込むのはなあ……

8月31日(土) 穴蔵
 午前4時起床、晴れた空が9時過ぎに曇り始め、午後は断続的に雨。
 移り変わりゆく空を時々眺めつつ机に向かう。
 昼飯。ちょっと昼寝。また机。
 晩酌。ちょっと休憩。また机。
 22:30、また明日にするか。
 20枚には満たぬが、この辺が限界であろう。
 おれは更生したのである。


[最新記事] [次回へ] [前回へ] [目次]

SF HomePage