『マッドサイエンティストの手帳』648

●マッドサイエンティスト日記(2017年2月前半)


主な事件
 ・播州龍野いたりきたり
 ・大阪JAZZ同好会(12日)


2月1日(水) 穴蔵/ウロウロ
 わ、目覚めれば2月であった。今年も残すところ、あと11ヶ月か。
 穴蔵にて粛々と雑事を片づける。
 出向かねばならぬ用事が生じて、地下鉄で淀屋橋まで。
 30分ほどで片づくが、せっかくだから、北浜〜ボンサラ時代の勤務先〜綿業会館〜船場あたりまでうろうろ。
 馴染みではないものの、時々昼飯を食べにきた店(吉野寿司とか江戸菊とかスエヒロみたいな有名店ではなく、普通の店)が、まだ4、5軒残っているのに気づく。
 ちょっと迷うが、昼前になったので、南船場のU茂でこういうものをいただく。
  *
 材料の値上がりで当時の5割アップ。いたしかたあるまい。
 次回はH家のすき鍋定食にしよう。

2月2日(木) 穴蔵
 終日穴蔵。
 播州龍野(市役所)からややこしい書面が届く。「地籍調査」なるものに関わる。亡母の印があり、このままだとウチのごく一部が違法建築になるらしい。半世紀以上「増築」なんてしてない。
 3日早く届いてれば現地確認できたのによ。
 明日、行かねばのおっさんとならざるを得ない。
 揉め事は苦手である。
 気が重く、生産的なことは何もできず。嗚呼。

2月3日(金) 大阪←→播州龍野
 早朝の電車で播州龍野へ移動する。日の出は7時。須磨あたりで水平線がオレンジ色に輝き、明石で明るくなった。
 9時前に実家に着く。あ、3日前と同じだ。
 実家周辺の「地籍」を巻き尺で測ったりデジカメで撮影したり。
 2時間後に身内がひとり到着。
 市役所へ出向き、疑問点について説明を受ける。
 どうやら33年前の測量図を担当者が読み違えらしい。
 再度「現場」へ行くことになり、実家前で「再測量」、ややこしい事態は回避となった。
  *
 周辺数ヶ所にコイン大の「プレート」が打ち込まれる。これが「道路敷」との境界。連続番号入りである。
 面倒なことであるなあ。これから10年以上、こんなことを続けるらしい。
 おれは土地への執着はなく、違法などといわれなければ、どんどん譲っていいと思っているが、ご近所には、まだまだ時間のかかりそうな厄介ものがいるらしい。市の担当者がちょっとこぼした。
 夕刻の電車で帰阪。
 夜は肉サラダ系のメニューでビール、湯割り。
※それにしても、明朝、全国で廃棄されるのり巻きはどれほどの量なのであろうか。
 専属料理人のいうに、本日のデパ地下は、魚屋はじめ八百屋までが巻き寿司並べていて、普通の食材を買うのがたいへんだったという。
 おれは、のり巻きは嫌いではないが、節分に恵方巻きなんて恥ずかしいことはしたくない。
 明日大安売りなら買ってもいいと思うが、おそらく店頭にはないだろう。
 おかしな風習が定着したものだ。

2月4日(土) 穴蔵
 晴れて暖。立春なのであった。
 穴蔵にて粛々と雑事。
 昼、専属料理人のお供で天八のスーパーまで行く。ポーター役なり。
 途中、コンビニ数軒、天八のスーパーもチェックするが、恵方巻きは見事に消え失せている。
 今日こそのり巻きが食べたい気分なのであるが。
 あの売れ残りはどこへ行ったのか。ホームレス諸君が飽食状態ならいいのだが。
 しかし……日本人諸君、やめようぜ、恵方巻き。SFファンにはいないと思うけど。
 ということで、夜は、厚揚げと菜っぱの煮たの、サラダ、ポテトフライ、ミニステーキ(推定80グラム)でビール、ワイン少しばかり。
 テレビで「ダイ・ハード」見て寝るつもり。

2月5日(日) 穴蔵/鰻の落選
 朝だ。雨か降っている。朝だ雨だ……と、関西の(たぶん)十数人とともにつぶやく。
 寒いので終日穴蔵。
 たいして生産的なことはせず、雑事を処理するのであった。主に確定申告の作業。
 たちまち夜になる。
 専属料理人に色々並べてもらってビール・ワインをだらだら飲みつつ、トミフラ師匠、パキート師匠、清水万紀夫師匠などを聴く。
 晩酌終わり、テレビをつけたら、千代田区長選の速報。現職が当確という。
※世の中には「顔を見ただけで人間の本質がわかる」ことはままある。五十嵐敬喜の顔がそうだったけど。
 本WEBでは政治・宗教・血液型のことは書かないことにしているが、千代田区長選なんて大阪市民のおれには政治問題ではないので書く。
 あの「鰻みたいな顔」した候補はなんだったのよ。何度か見たけど、気持ち悪くてしかたなかった。食事時にあの顔見て気分が悪くなったもの。政策がなんかしらない。ただ顔が気持ち悪かった。もう見たくない。
 氏素性が悪かったのかなあ。気の毒だが、世の中、そういうことはある。

2月6日(月) 穴蔵
 不調である。
 何をする気にもならず、終日穴蔵。
 本の拾い読みとうたた寝の繰り返しで1日が終わる。
 年に何度かこういう日がある。

2月7日(火) 穴蔵/ウロウロ
 本日も不調である。
 終日穴蔵にこもっていたいが、某契約の確認という用事あり、昼前、専属料理人と梅田某ビルの高層階の某事務所へ出向く。
 寿命があと10年ほどですから、その後のご家族のことをどうなさいますか……簡単にいえば、そんな話。
 おれはどうでもいいのである。
  *
 高層階からの眺め。
 観覧車には誰も乗っていない。おれも乗ったことなく、たぶん乗ることないまま観覧車は営業を終えそうだ。
 錆びた大輪を見ることはなさそうだが、20年後の朽ち果てたイメージが浮かぶ。
 死ぬ前に書いておきたい。
 昼、新喜楽で鴨なべ定食を食し、買い物という専属料理人と別れて、まっすぐ帰館。
 粉雪がちらつく。
 コタツで午睡。

2月8日(水) 穴蔵/ウロウロ
 定刻午前4時に目が覚め起床。生活を普通のパターンに戻さねばならぬ。
 一応机に向かう。
 午前7時に朝食。定番メニュー。野菜ジュース、トースト、ハムサラダ、ミルクティ、イチゴ。
 一応机に向かう。確定申告の作業をやるが、今年から追加項目があって、よくわからん。
 相談窓口へ行くべきか。取り戻せる金額はしれてるのだが。秋に可児市alaへ森山御大を聴きに行かねばならぬからなあ。
 昼は、駿河湾のしらす丼、納豆、きんぴら、味噌汁、野沢菜、甘夏を食す。
 運動不足なので1時間半ほど散歩する。暖。
  *
 かっぱ横丁の神社。梅が開花、早春である。
 夜は、豚キムチとサラダでビール、山芋どっさりのグラタンとブルディガラの三日月パンでワイン。
 3食、いずれも専属料理人によるもの。
 本を読み、早寝するのである。
 4,577歩。
 アタマは働かないが体調は正常化したような。

2月9日(木) 穴蔵
 定刻午前4時に目が覚める。天気予報では大阪の平地も「積雪」のはずが、外は5℃で普通の曇天。こんなんばっかり。5時頃から雨になった。
 一応机に向かう。
 午前7時に朝食。定番メニュー。
 また机に向かう。確定申告の作業、アタマが再稼働して、2時間ほどで片づいた。
 税務相談に行く必要もなくなり、終日穴蔵。
 昼は鴨そばを食す。
 午後、少しは仕事もするのであった。
 雨は止み曇天。またも天気予報は「明日から大雪」ばっかり。いつ降るのよ。
 夜、色々並べてもらって晩酌。
  *
 翁豆腐の湯豆腐で喜多屋(八女市の蔵元)の「九州」を飲む。うまっ。
 寒い日はこういうものに限る。

2月10日(金) 穴蔵
 定刻午前4時に覚める。
 今年は天気予報に騙されつづけである。アタマに来るぜ。「大雪注意」のはずが、本日も外は5℃で普通の曇天。
 出歩く予定はなし。たまには昼間に雪見酒で一杯やらせてくれよ。
 終日穴蔵。北風、雲の移動は早く、晴れたり曇ったり。
 少しは仕事もするのであった。
 夜は専属料理人に、レンコンの揚げたの、翁豆腐、カルパッチョとサラダ、フランスパンに明太子チーズ載せたんなど並べてもらい、ビール、中本酒店推奨ワイン。
  *
 急速に流れゆく夜の白雲を眺めつつ、オブ・リンド師匠、ジミー・ハミルトン師匠などを聴く。
 天気予報では土日も大雪だが、たぶん雪は降らんのだろうな。
 この数日、トランプの発言の方が天気予報より遙かにマトモに思えてくるぜ。

2月11日(土) 穴蔵/ウロウロ
 爽やかな朝である。
 ↓昨夜と同じアングル。ほれ見ろ、午前7時、快晴で5℃。
  *
 「平地でも降雪」という天気予報、どうなったのよ。
 こうなると、腹が立つより、仲間外れにされている気分になる。
 本日も穴蔵にて、少しは仕事もするのであった。
 午後には雲が出て、晴れたり曇ったり状態となる。
 運動不足なので散歩に出る。
 帽子・マスク・手袋着用の重装備。
 淀川堤を下流へ。十三大橋の西あたりまで。
  *  *
 日本最古のトラス橋(浜中津橋/ダーリントン・アイアン製の十三川橋梁に使われた1連)をくぐる。
 長柄運河の遺跡(マンホール)が点在し、高低差的には面白い一帯である。
 スカイビル〜ヨドバシ〜ジュンクドー経由で帰館。
 梅田一帯、異常な人出である。寒いのになぜか「大衆」諸君が浮かれ出ている。ほとんど日本人である。
 ジュンクドーのレジの列、開店以来の長さではないか。
 こんなに行列してまで本を買う人がいるとは、なんだか嬉しくなるねえ。
 7,475歩。

2月12日(日) 大阪JAZZ同好会
 本日も晴天なり。鳥取・兵庫の日本海側は大雪でたいへんのようだが、大阪市内(北区)は全然降らなかった。
 少しは大阪が引き受けてもよかったのだが、ま、済んでしまったことだから。
 昼過ぎに出て片町線の放出へ。
 午後、ディア・ロードで大阪JAZZ同好会の例会。
 毎回、1時間ほど「特集」企画があって、今回はおれにお鉢が回ってきた。
 変則的「ジャズクラリネット」特集ということにして、11曲(13名)を紹介する。
 Monty Sunshine/Jimmy Hamilton/Peanuts Hucho/Richard Stoltzman/James L. Dean/Evan Christopher/Paquito D'Rivera/Eddie Daniels/ Buddy DeFranco/ Rolf Kuhn/Ove Lind/Raymond Conde/Makio Shimizu
 Ove Lind はあまり知られてないが、スエーデンの名手(プッティ・ウィックマンよりも好きである)。最後の清水万紀夫氏はクラリネットの名門「大橋幸夫門下」の名手で、おれは神戸ジャズストリートでは「追っかけ」であったが、ジャズのリーダーアルバムがないのが寂しい。
 まあまあ面白がってもらえたようである。

2月13日(月) 穴蔵
 いかん、また不調。
 定刻午前4時に起きるが、何かやる気力がわかず、終日、本を読んだりCDを聴いたり。
 食事以外、穴蔵を出ることなし。
 晩酌時、ネットでJAXAの「SS520失敗についての会見」を見る。
 2〜3段にまたがる電源ケーブルの被覆がはがれてショートした可能性が高いらしい。「市販品」が原因ではないようである。
 会場では40ページほどの資料が配付されたようだが、OHPでの説明がないので「引き込み穴」がどんな形なのか、さっぱりわからん。JAXAの関西基地、ナレッジキャピタルに設定してテレビ中継してくれないかなあ。
 再チャレンジを期待する。

2月14日(火) 穴蔵
 早寝したら午前3時に目が覚めた。
 気分はやや復調だが、仕事に集中はできず。
 終日穴蔵にて原稿以外の雑事を少しばかり片づける。
 相棒の某くんからメール。寒さで体調崩し、播州龍野のタイムマシン格納庫から引き上げるという。
 交替で赴くべきか迷うが、まあ週末でよかろう。こちらも体調いまひとつだし、不景気だからな。
 ということで、たちまち夕刻。
 夜は専属料理人の並べた、肉じゃが、ポテサラ、トマトなどでビール。
  *
 鱈のむし煮、キンピラ、ひじき、白菜の浅漬けなどをつまみつつ喜多屋の本醸造「九州」の冷酒をちびちび。
 まあまあいい気分になった。
 早寝する……と思ったら、衝撃のニュース。
 金正男がマレーシアで殺害された!!! ほんまかいな。
 ニュースをあれこれ見なければ。

2月15日(水) 穴蔵
 晴れて暖……らしいが、終日穴蔵で過ごすから、気温の実感はなし。
 断続的に金正男暗殺のニュース見たりネット読んだり、その合間に雑事の処理。
 新情報はほとんどなし。
 夕刻になって、女スパイのひとりを身柄確保したらしいということくらいか。
 4、5日はこんな状態がつづくのかな。
 落ち着いて仕事がでない。面白いけど迷惑な事件だ。
 たちまち夕刻。
 専属料理人の並べた、みりん干し、モズクと山芋の小鉢、おでんなどでビール、湯割り。


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