『マッドサイエンティストの手帳』613

●マッドサイエンティスト日記(2015年9月後半)


主な事件
 ・森山威男Jazz Night 2015(19日)
 ・謎のPMAC(20日)
 ・湾岸区を歩く(23日)
 ・VW排ガス不正(24日)
 ・神戸でJAZZを聴く(27日)
 ・播州龍野いたりきたり


9月16日(水) 穴蔵
 小雨が断続的に降る。
 大阪は相変わらず朝顔の開花盛んである。
  *
 まだ蕾も多いから、しばらく咲き続けるのであろう。
 終日穴蔵。
 エルゴに座ってボケーーーーッと過ごす。
 椅子の座り心地良さと仕事の進捗は別ということか。

9月17日(水) 穴蔵
 小雨が断続的に降る。
 終日穴蔵。
 たいして生産的な仕事はできず。
 かんべむさし「議事ひきのばし」を再読。やはり傑作である。
 これくらいの芸がなければ。

9月18日(金) 穴蔵/ウロウロ
 雨が上がり、秋空、晴れたり曇ったり。
 通勤ラッシュが終わった時間に出て、地下鉄で府立中央図書館へ行く。
 地下鉄で中央線「長田」まで。ここまでなら片道50円。徒歩10分で府立中央図書館へ。
 (「荒本」下車だと+190円となる)
 年齢のおかげで、西長堀の市立中央図書館へ行くのと交通費は同額(往復100円)になったのである。
 やはり本はこちらの方が充実している。特に雑誌はすべて禁帯出なので助かる。
 2時間ほどのつもりが、気がつけば14時近くになってた。
 館内のレストランはまずそうなので、近くのショッピングモールのフードコートで讃岐うどん(たもん庵/まあまあ)。
 帰路、梅田のチケットショップで名古屋行き切符を購入。
 明日は年に1度の「森山ジャズナイト」(可児市)である。
 地下鉄の中吊りで「元少年A、逮捕迫る」に驚いて、コンビニでちと恥ずかしいけど女性セブンを5分間立ち読み。
 要約すると……「元少年A」今の姓名はK.Mでもとの姓名は一字も残されていない。浜松のアパートから太田出版が世話して都内に転居した。パスポートを2つ取得していて、旅券法違反で公安が行確中……というもの。へえ〜〜。
 おれは『絶歌』はむろん読んでないが、「元少年A」が送りつけた「23,000字」の手紙というのは先週の週刊文春で読んでいる。なかなかうまい文章と思う。だから『絶歌』がゴーストによる作品ではあるまい。しかし、見城徹がほんとに「このまま出版を断念すれば活字文化の衰退になる」といったのならヨイショが過ぎるし、結果として本は売れて、元少年Aを「表現者」としてやっていけると思いこませてしまったとしたら問題であろう。とてもそんなレベルじゃないし、ネタも自分の犯罪歴しかないのだから。
 ともかく元少年AというかK.Mには「確定申告はきちんとやるのだよ」といっておきたい。
 カポネも日本のヤクザも税金でやられとるからね。

9月19日(土) 森山威男Jazz Night 2015
 昼前に出て、新幹線〜中央線経由、多治見に向かう。
 晴れて快適な旅である。
 9月第3土曜恒例「森山威男Jazz Night」……今年で10何回目になるのか……むろんおれは「皆勤の徒」である。
 多治見のオースタットにチェックイン。
 ここで九州組3人、大阪組2人と合流、計6人で、夕刻の太多線で可児へ。
 日没直前の道を可児文化創造センターalaに向かって歩く。
  *
 今年も全員元気に歩けた。
 alaの芝生で軽くビール。うまっ。
 ということで、18時30分〜「森山威男Jazz Night 2015」開演である。
 今年はいつものスモールオーケストラに今岡友美さん(vo)が参加。華やかなステージになった。
 Small Orchestra:
 石川広行(tp) 中路英明(tb) 渡辺ファイアー(as) 川嶋哲郎(ts) 田中邦和(bs) 佐藤芳明(acc) 田中信正(p) 加藤真一(b) 森山威男(ds)
 今岡 友美(vo)
 演奏は(*はVocal参加)……
・Forest Mood
・It't Don't Mean a Thing If It Ain't Got That Swing(*)
・家路(*)
・浜辺の歌(*)
(休憩/ジャンケン大会)
・Banny Boy(*)
・A Night in Tunisia(*)
・Sunrize
・Gratitude……これは3月に亡くなられた井上淑彦さんを偲んで、井上さん作曲の名曲。
・Caravan(*)
・Good-bye
 いいコンサートであった。ともかくあと10年は聴きたいものである。
 また6人でぶらぶら歩いて可児駅→多治見に戻り、PAPA'Zでのウチアゲに参加させていただく。
  *
 森山御大としばし「人生」を語る。
 森山さんは自分で半生を書くというのは苦手なんだそうで、しかし、語っておきたいことは色々あるようだし、誰かが聞き書きを残すべきではなかろうか。
 深夜の坂道をオースタットに帰館。
 午前1時を過ぎての就眠となった。

9月20日(日) 多治見→大阪/謎のPMAC
 きちんと午前6時前に目覚めた。
 6時半にオースタットにて朝食(いつもは7時からなのだが、昨夜から「中国人ツアー」で満室、7〜8時の朝食は避けた方がいいとのことで、6時30分からオープン。ありがたいが、早くも中国人多いぜ。おれは連中とちがってごく軽くいただく)。
 7時過ぎにチェックアウトして多治見へ。
 ちょうど名古屋行き快速が来た。
 金山で降りたら、ちょうど米原行きの快速が来た。
 新幹線か近鉄か迷ってたが、座れたのでそのまま米原へ。
 ここで新快速に乗り換え、快晴の近江路を走って、午前中に大阪に着いた。
 結果として、これは最良の選択だったようである。日曜午前の名古屋駅はいつも京都観光の客で新幹線下りは満員なのだが、本日は連休の初めで、自由席乗車率は150%だったとか。
 新快速も彦根から満席、野洲あたりから超満員である。新大阪駅も大阪駅も、えげつない混み方。
 連休中はエルゴヒューマンに座って過ごすに限るなあ。
 昼前に帰館。
 おっ、隣のビルのエントランスにまた大量の「PMACのヒートポンプ・ユニット」が積み上げられている。
  *
 昨夜深夜から今日未明にかけて、またもレッカー車が来て道路を通行止めにし、空調設備の入れ替え工事が行われたのである。
 前回は5月2日。過去をたどれば、2013.12.2、2014.5.3と、年2回のペースで大工事が行われている。
 普通、空調設備でこれはないだろう。
 ピーマックを調べてみたが、ネット情報だけではよくわからん。
 ダイキンか高砂熱学にいた学友に訊いてみるか……

9月21日(月) 穴蔵
 本日は「老人の日」だそうである。なんやら学芸会みたいなものの案内が来て、無視したら小さいカステラが届けられたが、ありゃ10日以上前ではなかったか。よくわからん。
 昨日の梅田、デパートや茶屋町界隈も殺人的人出だったというから、老いぼれは部屋でじっとしているに限る。
 ということで終日穴蔵。
 ビールのポーター役で中本酒店往復しただけ。
 ニュース見てたら、文化庁の新語や誤用に関する調査報道。
 例によって、解釈の間違いが定着していく経過報告。
 気になったのが「やばい」の誤用。音楽や料理などの褒め言葉として「素晴らしい」の意味で使う人が25%を超えるという。これは身に覚えがある。「酒限定」で、口当たりのいい高級酒はつい飲み過ぎて足を取られる危険性があることから「この酒、ちょっとやばいね」などと使っていた。80年代のことである。これが「病みつきになりそうな」に拡大したように思う。

9月22日(火) 穴蔵
 本日は「国民の休日」という休日。よくわからんが、おれも国民だから仕事はしないことにするか。
 しかし、こんなに休んでばかりでいいのかなあ。国力衰退するのではないか。
 日本が勝手に休んでるわけで、商社の海外部門の諸君などどうしているのだろう。
 おれはメールでの対応に限っていて、書斎もタイムマシン事業の大阪事務所も同じ部屋だから、特別の問題はないのだけど。
 ということで終日穴蔵。
 たちまち夕刻となる。
 枝豆、豚肉生姜焼き、きんぴらなどでビール。
  *
 こういうありきたりのメニューがよろしい。
  *
 あと、先日宮崎のテリーくんがくれた「きびなごオリーブ漬け」を、薄切りのカリカリ焼きのフランスパンに乗せてカナッペ風に食す。
 これで、中本酒店の兄ちゃんが「絶対にうまくて安い」と薦めてくれたワイン(名は秘す/ネットで調べたら4,200円のが1,*00円)を少しばかり。うまぁ〜〜。
 宮崎のテリーくんと豊崎西公園南側の中本酒店に栄光あれ。

9月23日(水) 湾岸区
 秋晴れ。世間の連休最終日「秋分の日」である。本日はわかりやすい休日なり。
 運動不足なので「まぼろしの湾岸区」を歩くことにする。おそらく人出はないであろう。
 10時半頃に出て、地下鉄で朝汐橋へ。
 見本市会場があった頃はよく来た場所だが、南エリアははじめて。
 昔えげつないストリップ小屋があったはずだが(おれは行ったことない)、どのあたりだったのか(荷風○人さんあたりにお伺いしてみるか)。
 市営住宅の多いエリアを抜けて、三十間堀川の歩道橋を渡り、福崎エリアへ。
 ここは初めて来る。配送センターの巨大倉庫が並ぶ。平日はトラックの通行が激しいのだろうが、本日はしんとしている。
 福栄橋の西側。三十間堀川に架かるは大阪臨港線・杉村運河橋梁の遺跡である。
  *  *
 複線化の予定が、その前に廃線になったのかな。
 臨港線の痕跡はここしか残ってないのではないか。あっても工場か倉庫の敷地内であろう。
 西へ歩き、尻無川水門の少し下流にある「甚兵衛はん」の渡船場から渡船に乗る。
  *
 その名前を知って、6年前から、一度乗ってみたかったのである。
 港区→大正区、1分ほどで渡ってしまった。
 大正区に入り、泉尾公園近くを歩いてたら、犬(スカイテリア?)を連れた老嬢に道を訊かれる。「鶴町へ帰りたい」というが、徒歩では無理だろう。財布も落としたらしいとか。
 色々と事情を聞いてたら、だんだん話が怪しくなり、警察に電話。15分ほど犬の相手をしつつ雑談してたら「若いお巡りさん」がふたり来た。ひとりが「おばあちゃん、千島やね」という。前に一度保護したことがあるらしい。おれは氏名・住所・電話を訊かれた上で解放される。しかし放っとくわけにもいかんわなあ。明日はわが身である。
 甚兵衛渡船場といい大正警察といい、公僕諸君は休日もきちんと職務に精励してはるのである。
 バス通りまで出て、千島交差点西の路地にある「よしや」にて遅めのランチ。
 まず水分補給。酢の物、イワシの煮付け。なかなか。
  *
 あと、沖縄そば。
 ここの沖縄そばは、クセがなく押しつけがましさがなく、最後の一滴まで飲み干せるダシ(あきがこない)といい、店主の人柄が反映しているような。バスでないと来られないのが残念だが、沖縄そばではいちばんの店と思う。
 千島公園を抜けて、渡しで津守の方へ行ってみるつもりだったが、いい気分になったので、バスで大正、地下鉄で14時半に帰館する。
 津守方面は後日としよう。
 と、なんと、とべくまさんが幻の湾岸区縦断をやってはる。
 SFもんは、似たようなことを考えて実行するのかなあ。

9月24日(木) 穴蔵/VW排ガス不正
 世間は大型連休明け。
 さあ、こちらは繁華街にでも出るかと思ったら、終日雨。
 穴蔵にて細々した雑事の処理を行う。
 茶屋町郵便局往復、1,765歩のみ。
 仰天ニュース。
 VWの排ガス不正事件には驚くよなあ。あのワーゲン社がねえ。会長辞任なんてどうでもよろしい。リコール対策に8,700億円かけるというが、1,100万台だから、1台当たり8万円程度。エンジンの構造を変えられるはずはなし。検査時ソフトを外すのか、検査時ソフトを通常走行時にも適用するのか。前者だと排ガスが基準値を上回って窒素酸化物大放出、後者だと走行性能が落ちるか燃費が上がるか? どちらにしても根本的な解決にはならぬはず。購入した仕様と違うから返品になるのか? どうすんのよ。他人事だけど。
 ともかく零細製造業者として45年やってきた立場としては、刮目して見守りたい。

9月25日(金) 穴蔵/『GODZILLA』
 終日穴蔵。
 これといった生産的仕事はできぬまま。
 たちまち夕刻。
 秋メニューで晩酌。
  *
 サンマ、きんぴら、厚揚げ、茄子とピーマンのたいたんの妖女など。
 本日より焼酎は湯割りとする。
 午後9時から、珍しくもテレビで映画を見る。
 大阪10chでアメリカ製『GODZILLA』(2014)。
 これがさっぱりわからん。ラドンみたいなのが暴れ回る。これが2匹、オスとメス。中程でゴジラがちらっと出るがまた消える。ラドン2匹がさかっているのをゴジラがジャマして喧嘩になる(そりゃ怒るわなあ)。ゴジラがエエもんかワルもんかもよくわからん。最後の核の時限装置はどうなったのよ。家族愛が話の進行のジャマをするハリウッド・パターンも相変わらず。最後までわからんまま。と、以上はテレビで初めて見ての感想。たぶん途中がカットされているからであろう。DVDで見直す気にもならず。アメリカの核への意識の浅さだけが伝わってくる、後味の悪い作品であった。
 映画はテレビで見るものではないな。
 おかしな夜更かしをしてしまった。

9月26日(土) 穴蔵/ウロウロ
 終日穴蔵。
 これといった生産的仕事はできぬまま。
 たちまち夕刻に近い午後となる。
 運動不足なので散歩に出る。
 ミニ西回りコース。野々村竜太郎の生家近くを出発、阪急中津経由、許永中の生家付近を通って淀川堤に出る。
 先日の鬼怒川氾濫以来、淀川の氾濫が気になる。
 わが住居を含むこの一帯、淀川堤が決壊したらかなりやばい区域なのである。
 (あくまでも「一説によれば」だけど)撮り鉄諸君でおなじみの上淀川橋梁から始まるらしい。
  *
 おれが歩いた感触では、もう少し下流の配水管(幹線)の方が危ないのではないかい。ここだけは3メートルほど堤防がえぐられている。水道の配水管から氾濫というのは面白そうだけど。
 以上、あくまでも1散歩者(徘徊老人とも申せましょう)の感想。
 淀川の護岸工事については多くの資料が公開されているが、まだ読み切れないのである。
 梅田地下街への浸水は調べているのだけど。
 淀川氾濫はこれからしばらくのテーマとしよう。

9月27日(日) 神戸でJAZZを聴く
 朝の曇天が昼前に急速に晴れてきた。
 正午に出て、阪急神戸線で春日野道へ向かう。
 山側へ少し歩いて、神戸市葺合文化センターに到着。
 ここの視聴覚室で、会費300円にて、LPやCDやDVDを持ち寄ってジャズを鑑賞する同好会。正規の会名はよくわからん。同好の士の集まりで、久しぶりの参加である。
 ここの設備はなかなかのもの。区民諸氏のカラオケ大会もできるようだけど。
  *
 本日の特集は「クラリネットの名手たち」。ドッズ、ヌーン、ルイスなどのニューオリンズ系からアナ・コーエンまで。稀覯盤も色々あり、2時間近く楽しむ。ちなみにおれはドン・バイロンを持参。まあまあ好評だったような。
 あと映像で「Tommy Flanagan at Montruex Jazz Festival 1977」を30分ほど。これも泣かせる。
 楽しい会だが、この会館、来春で閉鎖、建て替えとかで、視聴覚室が残るのか、この設備がどうなるのか、不透明のようである。
 市の財政事情もあることだから、大阪市民としては贅沢はいわない。ただし、メンバーに神戸の方が多いので、できるだけ希望には添っていただきたいと願う。この設備が新会館の片隅にあればいいのだからね。
 夕刻帰館。
 洋風おでんなどで黒糖焼酎の湯割り。うまっ。
 早寝するのである。

9月28日(月) 大阪→播州龍野
 早朝の電車で播州龍野へ移動する。
 雑事色々。
 主に龍野書斎の夏→秋冬モードへの変更のため大掃除。洗濯も行う。扇風機を片づけ、ストーブはいつでも使用できるように準備する。冬は近いのである。
 昼は太子のあやがわうどん。
 ついでに、思い立って、網干経由で新舞子まで行ってみる。
 小学時代の遠足(バスだけど)で潮干狩りに来て以来ではないか。
 海水浴場は閑散としている。高台の駐車場から干潟を見る。
  *
 本日は満月だが、干潮は16時頃らしく、まだ2時間ほどある。
 冬の大潮、干潮と日の出が重なるとこんな光景が見られるらしい。
 未明にわざわざ来るほどでもあるまい。
 龍野泊。
 大阪から持ってきた総菜と「味三昧」の弁当でビール、龍力の熱燗を少しばかり。
 デフランコ師匠、トミフラ師匠など聴きつつ。
 楽しきかな独酌。

9月29日(火) 播州龍野→大阪
 早寝したら7時間ほど熟睡したようである。
 静かだし、昼間干した布団の心地よさのせいであろうか。
 午前5時、西の空にかかるスーパームーンを眺める。
 本日も秋晴れ。
  *
 そろそろコスモスの季節である。
 しばらく滞在したい気もするが、自炊が面倒になってきた(というか、2、3日の滞在だと無駄になる食材が多く、コンビニメニューには飽きている。独居老人生活をやるなら1週間くらいを前提にしなければならぬ)。
 タイムマシン格納庫にて相棒の某くんと打ち合わせの後、午後の電車で帰阪する。
 夜は粗食にてビール、湯割り。
 早寝するのである。

9月30日(水) 穴蔵
 終日穴蔵……のつもりだったが、月末の処理事項などあり、2時間ほど外出、金融機関、書店などをウロウロ。
 あとは穴蔵。どうも不調である。アタマを使わぬ事務処理以外、何もせず。本を読んで過ごす。
 今年も残りが100日を切っているのだなあ。
 無為に過ごした9月が終わる。嗚呼。


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